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番外編2-3 大我、ちょびっとだけ大人になる
※大我side
ほとんど俺が撮りたくて撮ってたやつだから、尚輝は目を合わせてなかったり、そっぽ向いてたりするけど、多分それは尚輝が誰かと写真を撮るのが慣れてないからなんだ。
尚輝に初めて声を掛けた時、とても困ったような迷惑そうな顔をしていたのを覚えている。
俺は誰にでも声を掛ける事が出来る性格だから気にしなかったけど、尚輝は逆だ。
話してる感じや素振りや行動を見てもとても人付き合い慣れしてるようには見えなかった。
それでも尚輝はいつも真剣に俺の話を聞いてくれたんだ。
俺はそれが嬉しくてつい長くなっちまった。
どんなに長くなっても尚輝はずっと笑顔で隣にいてくれたんだ。
俺は昔からうるさくて、適当な事ばかりしてたから周りもまともに相手なんてしなくなった。
チャラくていい加減だとか言われて来たけど、それでも俺は気にならなかった。
いつも笑って誰かしらと挨拶が交わせればいい。
そんな風に思って自分の好きなように生きて来たんだ。
でも尚輝と話すようになって、誰かに自分の話を聞いてもらえる喜びを知った。
軽い挨拶なんかよりももっと楽しくてワクワクしたんだ。
そしたらいつの間にか尚輝を探すようになっていた。
そっか、俺にとって尚輝はこんなにもデケェダチになってたのか。マブダチってやつ?
あー、俺あいつに最後なんて言ったっけ?
なんか酷ぇ事言っちまった気がするな。
つい最近撮った写メを見て俺は悔しくなった。
二人並んで笑顔で写ってるやつ。
青い髪の俺の横でいつもキリッとさせてる目を細めて笑う黒髪の尚輝……
「おっ、大我の友達にいないタイプの子じゃん」
「尚輝って誠実そうな子だね。でも、とても仲良しって感じでいいじゃん」
カウンターの上に置いたスマホを覗き込んで二人がそれぞれ言った。
そうだよ。俺と尚輝は全然タイプがちげぇんだ。
それでも尚輝はいつも俺と昼飯食って俺ばっか話してても嫌な顔しないで笑ってくれる良い奴なんだ。
いつも自分の気分で笑ったりキレたりする俺とは違ってとても優しくて真面目な男なんだよ……
「はぁ、ナオキング……悪い事しちまったな」
「おやおや?万年ポジティブな男が反省してますよ?」
「ふふ、万年お祭り男が小さくなってますねぇ?」
「ナオキングは俺とちゃんと話し合おうとしてたのに、俺はもうダチでもなんでもねぇって一方的に突き離して来ちまった。あいつはそういうのに人一倍弱いって分かってんのに、俺はあんな酷ぇ事を……あいつのショック受けた顔が忘れらんねぇよ……」
尚輝に対して取った行動や言動が悔しくて、手の平をギュッと握ってテーブルに置くと、ゆっきーがホットのカフェラテを置いた。
え、頼んでねぇけど?
俺は何コレ?って感じの顔でゆっきーを見ると、綺麗な笑顔でニッコリ笑っていた。
「今日はここまで!それ飲んだらごめんなさいしておいで」
「え?」
「善は急げってね。大我もたまには友達大切にしろよ?」
「ワタル……」
俺の事を知ってるワタルにそう言われて、立ち上がり俺は意気込んだ。
「青山大我!!友の為に旅立ちます!!」
「いや、他に客いないからいいけど声デカ過ぎ……」
「行ってら~。あ、カフェラテの分はいいけど、お酒代は払ってってよ~?」
「そうと決まったら早く行かねぇと!ナオキング10時とかに寝ちまいそうだ!」
「さすがに早過ぎない?勉強とかしてるんじゃない?」
「大我と違って真面目そうだもんな~」
「そうなんだよ!ナオキングって俺と違って良い子なんだわ♪今度連れて来るからよ!」
「おお、それは楽しみだ」
「あ、大我!カッとなりそうになったら一回深呼吸な?お前突っ走るタイプだから気を付けろよ~」
「あいよ~♪」
俺はワタルとゆっきーからエールを送られ笑顔で店を出た。
やっぱりここに来ると癒されるよな!
他に客がいる時は俺の事うるせぇとか言って早く追い出そうとするけど、『glow』のメンバーはみんな遠慮なく物を言うから俺は好きだ。
さて、尚輝んとこ向かいますか♪
店に来る前とは違って清々しい気分でいたけど、早速問題にぶち当たった。
はは!俺尚輝んち知らねぇや!
✳︎✳︎✳︎大我、ちょびっとだけ大人になる 完✳︎✳︎✳︎
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