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番外編2-2 大我、ちょびっとだけ大人になる
※大我side
それからまたカクテルを作って貰って、今度はゆっくり飲みながら二人に尚輝との事を話して聞いてもらった。
俺と尚輝は共通の好きな人がいて、尚輝が伊吹と付き合う事になった事、そして伊吹の仕事の事や尚輝がどういう奴なのかも全部話してやった。
それでもモヤモヤしてるのは目の前の二人がイチャイチャしてやがるからだ。
「えー、それって大我はお邪魔虫じゃん。さっさと諦めて二人の仲を認めてやれよ」
「それワタルが言う?そう言うならワタルは出来るのかよ?」
「出来なーい♡だってもうゆっきーとは離れないもーん♡」
「だから抱き付くなっての!」
いいんだよ?俺もゲイだから、こうして他のカップルが仲良くしてるの見るの好きだし、二人ともイケメンだから目の保養にもなるし。
でもさ、今は笑えねぇかも。
むしろ二人のラブラブっぷりを見てると怒り通り越して泣けてくるわ。
俺はヤケ酒と言わんばかりにグラスに残っていたカクテルを一気に飲み干すと、ゆっきーがグラスを取り上げた。
「ストップ。無茶な飲み方はダメ!お酒は楽しく飲みましょう♪」
「だってさ、だってさ!俺も伊吹の事が好きなんだぜ!?それなのに尚輝がっ!ナオキングがぁ!!」
「大我の話を聞いてたら同情はするけど、伊吹さんが尚輝を選んだなら仕方ないかなって思うよ」
「大我~、あんまりしつこいと嫌われるぞー?そもそも伊吹さんには相手にされてるのかよ?お前の事客としてしか見てないんじゃないのー?」
「だー!んなの分かってらぁ!伊吹は客とは一線引いてて連絡先すら教えてくれねぇ!そんなガード堅いとこも魅力的なんだ!」
「そんな伊吹さんは尚輝には連絡先を教えて恋人になった。ワタル、大我に良い人紹介してあげたら?」
「いやいや、大我ってかなり面食いだからね?ちょー綺麗でちょっとやそっとじゃ靡かないような、まるで押しても引いても動かない岩みたいな人がタイプなんだよ?そんな人ゆっきーぐらいしか思い付かないよ~」
「おいワタル、そこは岩じゃなくてダイヤモンドにしとけ」
「ふーん、て事は伊吹さんって相当綺麗なんだ?それでいて押しても引いても動かないダイヤモンドみたいな人なんだ?」
「あ、写真見る?伊吹のプロフの写真あんだけど、そのまんまだから♪」
「「見たーい♪」」
俺がスマホをいじって伊吹のプロフの画面を見せてあげようとすると、二人は声を揃えて答えた。
伊吹は写真の通りだけど、やっぱり実物のが綺麗だよな!
はぁ、こうして見るとやっぱ良いわ♡
二人にも見せてやると「おお!」と驚いたような反応をしていた。
「確かにこりゃ美人さんだね。これ仕事用に加工とかしてる?」
「いんや、本物はもっと綺麗で可愛い♡」
「驚いた!若干ゆっきーに似てるなぁと思っちゃった!ゆっきーじゃないよね!?」
「当たり前だろ!……なぁ、この年齢って本当?俺らの5個上なのか?」
「うん、伊吹は25歳だよ」
「え!25って、光ちゃんもじゃない!?」
「それな!光ちゃんと伊吹さんがタメとかどっちか年齢偽ってるだろってぐらい違い過ぎて面白いんだけど!」
「え、光ちゃんって25なの!?てっきり30代かと思ってたわ!老け過ぎだろマスター!」
二人がゲラゲラ笑って呼ぶ光ちゃんってのは、『glow』の店長の強面グラサン男の事だ。
最近は長期休暇を取ってるらしく見掛けねぇけど、酒も強いし男らしくてノリも良い。
光ちゃんがいるといつも賑やかで楽しいんだよな~♪
まさか伊吹と同い年だったなんてな!確かに笑えるわ。
「あー、面白!次尚輝を見せて!」
「ナオキング?」
「そうそう。同じ大学なんだろ?真面目な彼も気になるじゃん♪なぁ?ワタル~?」
「見たい見たーい♪ねぇゆっきー♪」
「イチャイチャやめろ。待ってろ?ナオキングとなら一緒に撮ったのがあっから……」
尚輝とは仲良くなってから俺が一方的に写メりまくってたからたくさんある。
フォルダを開いて撮った数々の写メの中から改めて尚輝の顔を見て急に寂しさが込み上げて来た。
何でだろ……さっき伊吹の写真見た時は普通にほっこりしただけだったのに、尚輝の写真を見たら胸が締め付けられるようなこれは……
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