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番外編2-1 大我、ちょびっとだけ大人になる
※大我side
あー気分悪ぃ。
理由は尚輝と喧嘩したからだ。
喧嘩の原因は好きな奴の取り合い。
てか尚輝が伊吹と付き合い出したらしい。
喧嘩の後普通に学校行ったけど、授業なんて全く入って来なかった。
いろんな奴に声を掛けられたけど、それすらも入って来なかったんだ。
俺は普段は怒ったりしねぇけど、一度怒るとカッとなって一方的にキレちまうんだ。
それは昔からで良く周りをビビらせてたのは気付いていた。
他よりちょっとデケェし?
まぁこんな見た目だし?
実際喧嘩の腕っぷしには自信あるし?
でもよ、今回はちょっと違うんだわ。
何が違うって、怒ってても大抵の事は時間が経つと忘れるか和らぐんだけど、尚輝との喧嘩はずっとモヤモヤしっぱなしだった。
だから気分転換でもしようと高校ん時のダチが働いてるバーに来てみた訳!
嫌な事は飲んで忘れよ~♪作戦だな!
「うぃーっす!ワタルいるー?」
黒を基調としたお洒落なカフェ『glow』は、昼間はランチとかやってて、夜になると酒をメインにバーになる。
食事も出来てお酒も楽しめる俺の行き付けのバーだ。
そしてこの店の良い所は他にもある!
それは店員のビジュアルが最高だと言う事!
「うわー、大我また来たのー?ゆっきー逃げて~」
俺の顔を見るなりゲーッて顔をして店の奥にそう言うのはダチのワタルだ。
高校ん時からたまに遊ぶ仲で、いつも笑っててフワフワしてる面白い奴。
緩いパーマ頭に優しそうな大人っぽい見た目に反して中身はガキ。
だから俺とも気が合うんだ。
「何どうしたの?って大我じゃん。またお酒飲みに来たのー?」
ワタルにゆっきーと呼ばれて奥から出て来たのはこの店の副店長!
超絶美人で料理の腕も上手い!性格がちとキツいのがアレだけど、それ以外は200点満点のべっぴんさんだ。
ワタルとは幼馴染か何かで昔付き合っていたらしい。俺達と同じ20歳だ。
「ゆっきー♡今日も可愛いなぁ♡美味しいお酒作って~♡」
「あーはいはい。いつものでいいー?」
「んー、今日はちょっと強めのがいいかな。酔いたい気分なんだ」
「大我酔わないじゃん。えー、それじゃあマルガリータとかにしとく?ワタル作ってあげてよ」
「ゆっきーに作ってもらいたいな♡」
「しょうがないな~」
「おい!ゆっきーを口説くなって何回言えば分かるんだ!ゆっきーは俺のなの!」
「は?違うだろ、ゆっきーと付き合ってるのは冬真だろ?そういや冬真はどうした?」
この店にはワタルとゆっきー、そしてもう一人のイケメン店員の冬真がいるはずだ。
黒髪でパッチリ二重の人形のような顔をしている。肌が綺麗で物腰も柔らかく、俺らとタメなのにこの二人と比べたら落ち着いていてテキパキ仕事をこなすエリートだ。
「冬真は休みだよ」
「ゆっきーの恋人は冬真くんもだけど、俺もだもんね♡」
ワタルはカクテルを作るゆっきーにピトッと寄り添いながら甘えていた。
どうやらこいつらの関係は三角関係というやつらしい。
ワタルと冬真はゆっきーの事が好きで、ゆっきーはどちらも好き。
つー訳で三人で仲良くルームシェアしてるとかなんとか……
マジで羨まし過ぎる話だぜ!
「ワタル、仕事中はベタベタするなって言ってるだろ。はいマルガリータ♪」
「お♪サンキュー♪」
ゆっきーにカクテルとちょっとしたつまみを渡されて、それをグイッと飲み干す。
クァー!良いね!やっぱり可愛い子ちゃんに作ってもらう酒は格別だね~!
「うわぁ、良い飲みっぷり~」
「大我なんかあったの?」
「んー、まぁちょっとな~」
ワタルに聞かれて尚輝との事を思い出す。
はぁ、俺と尚輝もワタルやゆっきー達みてぇに出来たら楽しいんだろうなぁ。
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