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第1話 夕暮れの風
賑やかな声。女の子が4.5人で歩いてくる。
20代か?若くて屈託がない。華やかだ。
「そういうのってウザくない?」
「そうそう、どうでもいいやつに限って
マジに告ってくる。」
「沙也加、そのうち刺されるよ。」
「大丈夫!守ってくれる人いるし。」
「成湫(なるあき)?
あいつは頼りにならないよ。
つるんでる連中みんな薄情だもん。」
「えっ?莉里(りり)何かあった?」
「成湫と?」
「ていうかあいつらのグループと。」
夕暮れの風に誘われていつもの店に集まる。
結構でかい箱のクラブだ。
奥のいつもの席あたりに洒脱な男たちがいる。
グラス片手に背の高い貴公子然とした男たち。
「みんな暇だな。ここしか来るところないのか?」
「おまえも同じじゃん。」
何の仕事をしているのか、いつも集まってくる顔ぶれ。年のころは20代後半か?
みんな遊び人のようだ。いつも暇そうで仕事をしているようには見えない。
粒揃いのイケメンで近づくものを圧倒する。
「いらっしゃいませ。」
黒服の蓮司(れんじ)が挨拶に来た。
「しおらしいじゃないか。どうした?」
「たまには働いてるふりしないとね。」
蓮司はこのクラブのオーナーの息子だ。
「よおっ、榊(さかき)たち来た?」
「もうそろそろ来るんじゃね?
毎日律儀に集まってくるなぁ。」
「俺たちは客だぞ。働け黒服!」
「いつでも俺たちの立場チェンジしていいよ。
おまえ、黒服やれば。」
男たちは何か特別な繋がりがあるわけじゃない。遊んでる連中がたまたま、つるんでるだけだろう。外からはそう見える。
「何か女っ気ないよな、俺たち。」
「女なんて腐るほどいるんじゃね?」
彼らの所には、確かに女の子が寄ってくる。
クラブで踊っていても目立つから女の子が放っておかない。
今日も何となく集まって暇つぶしの相談だ。
「またハワイ行く?
親父のコンド押さえてあるんだよ。
はーい!行く人?」
「来週か?俺,行ってもいいよ。
サーフィンやるんだろ。」
「ボード担いでくの面倒だな。
神戸(かんべ)の親父のコンドだろ。ボード置きっ放しにしてあるよ。実生(みしょう)の使えばいいじゃん。自分のじゃなくちゃダメって?」
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