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第77話 話題
「あーあ、ドールの映画の話は消えちゃったね。」
高岡あきらの事件はしばらくマスコミの話題を攫った。テレビニュースもそればっかり。あのクラブにもたくさん取材が入った。常連客もその話題で持ちきりだった。
「大仁が助けに行ったんでしょ?
すごいね、第六感?」
「愛だよ、愛。」
「ドールを愛してたの?
じゃあ、何で高岡に譲ったの?」
「奴らはみんなと共有しても平気なんだよ。
理解あるスパダリって。」
「子供が自分のおもちゃを見せびらかしたい心理かな。大仁ってそんな人?」
「わからないな。でも、よかったね、ドールが五体満足で帰って来て。
大仁の恋人なの?」
「違うだろ。単なるセフレ。」
「高岡あきらは死刑になるかな?」
「精神病で無罪とか。」
「この国の司法はおかしいよ。
あんな奴、無罪放免になったら世も末だ。」
みんな真剣に話している。
「あたし、誘われた事あるんだ。」
カウンターで勝利と飲んでいたキレイが言った。
「うーん、確かにキレイは黙ってれば高岡の好みだね。」
「黙ってれば、って何よ。」
キレイは気が強すぎる。このごろいつも勝利と一緒にいる事が多い。
ゲイの勝利と気が合うのか。
「キミたち、付き合ってるの?」
「な訳ないじゃん。」
「あたしは手を出して来ない男が新鮮なの。」
妙に気が合っているようだ。
剛は有人とすっかりカップルになった。有人は浮気もしない、いい男だ。意外な事に剛だけを見つめている。
「有人が言うんだ。剛、あなたしか見えない、って。」
「ヒェーッ、ご馳走様。
あのペントハウスで一緒に暮らしてるの?」
「そうだよ。」
大仁は剛の妹、雛と結婚した。みんな披露宴のパーティーに呼ばれてしばらくお祝いムードで浮かれていた。
榊はミレイと付き合っている。お堅い真面目カップルだ。成湫は莉里と付き合っている。こちらはケンカップルだ。
そのほかのメンバー、実生、蓮司、航は、相変わらずマイペースのようだ。
航はサーファーの恋人が出来たとか、噂が聞こえてくる。
なんとなく日々は過ぎて行く。
勝利はピアノを仕事にした。クラブで弾き語りをしている。
了
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