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第44話
料理コンテストに出場した愛斗ですが、さて、その結果は?そして…
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「おめでとうございます!」
コンテストが終わった後、十名ほどで入った飲食店で乾杯をする。
愛斗は、コンテストで三人いる審査員全員が高評価を下し、優勝を勝ち取った。
最終結果が発表された時の愕然とした白井の顔を、愛斗は今でも覚えている。
彼は今回も優勝し連覇を果たすつもりでいただろうから。
けれど審査員は、愛斗の料理の方に愛を感じたと評価してくれたのである。
「皆ありがとう。まさかこうなるとは思ってなかったよ。でも今は、終わってホッとしてる」
愛斗がそう挨拶をすると、また皆から歓声が上がった。
「いやぁ、本当に優勝しちゃうなんてシェフ凄いっすね!」
そう言ったのは近藤だ。
「俺は、きっとシェフが優勝すると思ってたよ。普段から見てるしな」
近藤の言葉に対して、磯崎がきっぱりと述べた。
「そうっすよね!俺、シェフの元で働けて本当に光栄です!」
近藤にそう言われて、愛斗は照れ臭かったがとても嬉しかった。
「ありがとう。俺も、いつも助かってるよ。君は頭の回転が早いしな」
「これから、ますますお客さんが増えそうですね」
鈴木の発言に皆も頷く。
「我々ならやれるはずです。明日の営業からも、しっかりと気を引き締めましょう」
眼鏡を光らせて言った柳田に、皆が「はい」と声を揃えた。
飲み会の途中から、愛斗は店の外にあるテラス席で酒を飲んでいた。
夜になっても過ごしやすい気温だったからだ。
店内ではまだ他のスタッフたちはワイワイと飲んでいるが、愛斗の傍らには柳田がいる。
「今日はお疲れ様」
柳田の言葉の後に、どちらからともなく改めて乾杯をした。
「ありがとう。お前がいてくれたからだよ」
「俺は、君ならやれると思ってた。それだけの力がある人だからな」
愛斗はそう言われてとても照れ臭くなった。
「嬉しいよ、そう言ってくれて。しかし、今回はテーマが意外だったよ」
「だな。あの料理、これまで見たことなかったよ」
コンテストで作ったのはパスタで、店のメニューにはもちろんないものだ。
「あぁ。人には出したことがないよ」
「へぇ?もしかして、俺のことを思い浮かべて作った?」
「そうだよ。お前のために作った一品だ」
「嬉しいな。すぐ分かったよ。審査員も、君に愛する人がいるのかって聞いてたくらいだし」
ありったけの愛を込めて作ったのだから、愛斗の思いが伝わったのだろう。
手強いライバルたちに勝てたのは、愛斗の独創性が評価されたのかもしれない。
「ハハハ。あぁ言われて焦ったよ。」
「俺も、あの料理食べてみたいな。ぜひ、俺だけに作ってくれよ」
柳田にそう言ってもらえて愛斗も感無量だ。
「もちろん、いいよ。自分でしか食べたことなかったけど、人に作るとしたらお前だけだ」
「楽しみにしてる。あ、そうだ…」
「何?」
「俺たち、まだ旅行に行ったことなかったな」
柳田と旅行にも行きたいとは思っているが、なかなか実現できずにいた。
「そうだなぁ。このところ忙しかったしな」
「前に言ってた、美味いものを食べに行かないか?」
そう言えば、前にそんな約束をしていた気がする。
あれは、まだ二人が恋人同士になる前だった。
柳田が社交辞令で言ってくれていただけだと思っていたが、彼は覚えていてくれたのだ。
「うん。言ったことちゃんと覚えてたんだな。お前となら、どこへだって行きたいよ」
どちらからともなく視線を交わした。
fin
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これまで読んでいただきたいて、本当にありがとうございました!
愛斗は料理コンテストで優勝をすることができ、さぞ誇らしい気持ちでしょう。
柳田ともこれから先も仲睦まじく暮らしていってくれることを願っています!
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