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第43話
愛斗はコンテストに出場することになりました!さて、どうなるのか!?
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三ヶ月が経ち春がやってきた。
愛斗は応援に来てくれたスタッフたちと、コンテスト会場の控え室にいた。
「ほんと凄いなぁ、シェフ。この会場に来るだけでもビビっちゃいますよ」
そう言ったのは、快活な性格の近藤だ。
「俺もこういう場は久々だし、緊張してるよ」
「シェフも緊張するんですね」
「まぁな。普段は店で料理作ってるだけだしさ」
今の店で腕を振るうようになってから、コンテストやメディアとは無縁だったのだ。
「いつも通りにやれば大丈夫です。あなたはやれます」
柳田の言葉に自信を持ち、愛斗は力強く頷いた。
続いて鈴木が愛斗に声をかける。
「頑張ってください!シェフ!」
「ありがとう。それじゃ、そろそろ行ってくる」
皆の応援に背中を押されて、愛斗は戦場へと向かったのだった。
「あれ?桜木じゃないか」
ステージ裏で後ろから声をかけられた。
振り向くと、そこにいたのはかつての先輩である白井という料理人だった。
愛斗が料理の道に入って初めて勤めた店の先輩であり、今回挑むコンテストの前年の優勝者でもある。
「…こんにちは。お久しぶりです」
もしかして今回も出場するだろうかと思っていたが、案の定出くわしてしまった。
「お前も今回は出るのか。楽しみだな」
ニヤリと笑う白井に、愛斗は不快感を覚える。
同じ職場だった当時、愛斗は彼に対して良い感情を抱いていなかったからだ。
「俺も、負けませんから」
「ところでさぁ、アイツとはどうなってるの?」
「アイツって…?」
愛斗にも、それが誰を指すのかは分かっていた。
「亘とかっていうお前の彼氏だよ」
当時はちょうど、元カレである亘と付き合い始めたばかりだった。
しかしなぜか亘の存在を知られて、白井にからかわれたりしていたのである。
「アンタにはもう関係ないだろう…」
「あぁ、そうだな。まだあの彼氏と付き合ってるのかなと思っただけだよ」
亘のことは、正直言って思い出させないで欲しい。
「もう終わったことですし…今はコンテストに集中したいんです」
「悪い悪い、それもそうだわ。まぁ、せいぜい頑張ってくれ」
不敵な笑みを残して白井はその場を離れた。
愛斗の胸にモヤモヤとしたものが渦巻いたが、頭を切り替えることにする。
白井に変に翻弄されてはいけないから。
本番を迎えステージに上がると、どうしても緊張してしまう。
他の出場者たちも、名のある料理人であり強敵だ。
けれどスタッフたち…柳田の応援を力に変えて自分を励ます。
『俺はできる!』
そして自身の目の前に揃えられている食材に一通り目を通し、対決の時に備えた。
『さすが、良い食材を揃えてるな。一体、どんなテーマなんだろう…』
コンテストではテーマを聞いてからでなければ調理を開始できないから、テーマが気になって仕方なかったのだ。
しかし柳田から、テーマが何であれ臆することなく立ち向かえと言われているから、この時点ではやってやろうという気構えでいる。
時間となり、いよいよコンテストが始まった。
このコンテストは一回戦と二回戦が行われ、最終的に四名による決勝が行われる。
愛斗は順当に勝ち上がり、決勝に進むことができた。
四名の中には、愛斗の他に白井も含まれている。
チラリと彼の方を向くと、自信満々な表情をしていた。
決勝の場でMCの進行により出場者の紹介などが行われ、ついに今回のテーマが発表される。
「今回のテーマは、”愛する人に食べさせたいパスタ”です!シンプルなテーマではありますが、恋人や家族など愛する人に食べて欲しくなるパスタを作っていただきます!」
国内最大級の料理コンテストの決勝戦にしては、チープなテーマに感じられた。
けれど料理というのは、そういうものなのかもしれない。
『愛する人に、か…』
愛斗はしばし、どういった料理を作れば良いか思い悩んだ。
そして普段あまり作らないジャンルではなく、慣れたジャンルのものを作るのが良いだろうと考えた。
慣れないものに手を出して失敗するよりはいいから。
『よし!アレにするか…』
思い立った愛斗は作業に取り掛かった。
愛する人…それはあの人しかいない。
愛斗は柳田の顔を脳裏に思い浮かべた。
店のスタッフたちやお客様だって、大切な存在には違いない。
けれど、愛斗にとって世界でただ一人愛するのは、彼しかいないのだ。
愛斗は自分用にしか作ったことのない料理を作った。
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読んでいただきありがとうございましたm(__)m
かつての先輩に心を乱されそうになりながらも、決勝まで進んだ愛斗。
彼は優勝することができるのでしょうか!?
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