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序章『輪廻転生という数奇な運命』

 輪廻転生という言葉がある。  意味としては死んだ魂が何度も別の生命体に生まれ変わるという物だが、自分の場合はそれに加えて、【とある男】が付属品として必ず付けられているという奇妙な運命(さだめ)になっている。  ある時はとある宇宙軍の捕虜と少佐。  ある時は小さな教会の神父と大聖堂所属の上級聖騎士。  ある時は魔法が飛び交う世界の魔法使いの傭兵と王弟殿下。  ある時は汚い街に住むチンピラとマフィア。  ある時は何かの実験体と謎の実験をする博士。  ある時は場末の酒場の歌い手とピアノ演奏する酒場のマスター。  ある時は……  自分が何度【彼】と人生を繰り返した事か。数を数えるのも疲れるくらいに繰り返した記憶しかない。  ただ分かるのは、毎回必ず自分が年上で彼が年下であるという事と、彼が自分より上の立場になっているという事が必ず【設定】されている事ぐらいだ。  そして、毎回、互いに前世の記憶を思い出した途端、謎の事故や事件に巻き込まれて死ぬという事。  因みに前回の酒場の時は互いに恋人から夫婦になってようやく幸せな生活が始まろうとしたときに、自分に惚れたどこぞのヤクザに【彼】を刺されそうになって、自分が庇って死んだ。因みに【彼】も自分を刺したヤクザの部下に銃で脳天を撃たれて射殺されていたが、奇妙な事に今までの輪廻転生では大戦中や抗争地帯に互いに協力して敵と戦って、肉ミンチになったり、上半身半分だったり何かの生物に食われたり壮絶な死に方で死ぬのがデフォルトだったのに、前回のは今までに比べて非常に呆気なかった。大体、五体満足で死ぬのは初めてだ。  ただ気になるのが、死ぬ間際、銃で撃たれた【彼】が声を出さずに口だけ動かしてこう言っていた事だ。 『ようやく、じゅんびがおわった』  自分の倒れている場所に後ろから倒れてきた【彼】がまるで自分に見える様にそう口を動かしていたのが記憶にある。  【彼】は何の準備をしていただろうか?  ただ、もう死んだ自分がその内容を聞くことは叶わない。  ……願わくば、もし次があるなら今度は【彼】と平穏に余生を過ごしたいという願いたい。  だって。    僕は始まりの時から【彼】を愛していたから。共にずっと生きたいのだ。 

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