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第一話『輪廻転生の終わり、新たな騒動の日々の始まり』1

「その願い、叶いますよ?」  上から聞いた事が無いようで聞いた事がある低い声に、自分の脳内で言ったことを返答されたので、驚いて目を開いてしまった。  目を開くと、いの一番に見えたのは襟足が長めの青みがかった銀色の髪に、同じ色の瞳の三白眼の目を持つ何か懐かしい雰囲気を持った強面系の男前の顔だった。 「いやあ、ようやく意識がある生体反応をモニターで感知したんで、急いで来たら、最初の一言めがあんな熱烈な愛の告白だなんて、俺、頑張った甲斐がありましたよ。ただ、脳内の会話がダダ漏れになるくらい脳内通信出来るインプラント感度が高いから、後で調整入れないと…。」  真上からニコニコ心底嬉しそうに笑いながら、自分から離れると銀髪の男は自分が寝ているベッドの横にあるサイドテーブルの上に置かれていた白いリモコンを手に取り、リモコンのボタンを押した。  銀髪の男がボタンを押した途端、自分が寝ているベッドの上部か上にゆっくりと上がってリクライニング状態になった。  上半身部分が強制的にベッドの上部によって持ち上げられたため、辺りを見回すと、周りは窓が無い、真っ白な床と壁しかない部屋で、自分はその中央付近のダブルサイズのベッドに寝ていた事が分かった。 「あ、意識覚醒したみたいなんで、コレ外しますね。」 「……っぅ……!」  銀髪の男が自分の額辺りに付いていたセンサー感知器らしき白いシールのようなものを優しく剥がすと、急に強烈な前頭部からの痛みと共に頭の中で色々な情報が一瞬にして混ざりあった。  頭の中で混ざり合う今の自身の状況、【過去】の事、今まで体験した【前世】の経験と思い出と情報……。  そして、目の前に居る男の事―。 「……思い出しましたか?【ジュン】さん?」  顔に笑みを浮かべたまま、銀色の髪の男がそう聞いてきたので、酷い頭痛で右手で頭を支えている彼―ジュンは銀色の髪の男にこう言った。 「ああ……、ようやく記憶が一つになったよ。【ユージン・ハル・ヒビヤ】少佐殿。」  ジュンがそう銀色の髪の男―ユージン・ハル・ヒビヤにそう言うと、ユージンは心底嬉しそうな笑みを浮かべた。 「さっきのセンサーから出た脳内会話から記憶が蘇ってるのは気づいてましたが、名前を言われると実感できて嬉しいですねえ。」 「僕の記憶回復を嬉しがるのはいいけど、此処、何処だい?何か最初の前世に来たアトラス軍の宇宙戦艦の仮眠室に見えるけど。」  ニコニコ笑いながらジュンの記憶回復を喜んでいるユージンに、ジュンは自分がいる場所について聞くと、ユージンはこう言った。 「ジュンさんの言う通りですよ。此処はアトラス軍宇宙特殊戦艦【ホライズン】の一室です。」 「【ホライズン】……、確か最初の【前世】の時にまだ建造中の奴の名前だった気がするけど、その名前を継承した別の新型機かい?」  ジュンの最初の【前世】のときに、ジュンが当時所属していた宇宙軍の上層部の命令で、ジュン単独でアトラス軍が作っていた最新宇宙戦艦の設計図を強奪する任務に付いていた時があった。  その宇宙戦艦の名前こそ【ホライズン】という名前で、それを思い出したジュンは首を傾げながら、ユージンにこの宇宙戦艦について聞くと、ユージンはジュンにこう答えた。 「いいえ?これは紛れもなくジュンさんが当時カムロ公国軍に居た時に設計図強奪任務で目標(ターゲット)になっていた設計図の戦艦ですよ。うちの叔父がデータを長期保存してくれてたんで、直ぐに作れたんですよね。やっぱジュンさんお迎えするのはこの思い出のある戦艦じゃなくっちゃと思って。」 「あの【前世】から500も時が超えてる気がするけど…、そうだった。ユージンの叔父上は【超越者】だったね…。」  【前世】から何度か年月を確認していたから記憶にあるが、確か最初から今までで500年の月日が経っているはずだが、その500年前の宇宙戦艦の設計図を保存出来るモノなど、今は無き地球で言う所の【神】と呼ばれる超常生物、【超越者】以外は出来ない事だ。彼等は時に時空を操る能力があるため、たかが500年の設計図を保存するなんて造作も無い事だ。  そしてその【超越者】を叔父に持つ目の前の彼もまた【超越者】であることもジュンは思い出した。 「……で?ユージン。僕が今まで君とセットで輪廻転生とやらをしてたのは、もしかして、君のせい?」  思えば毎回、輪廻転生する度にユージンがセットになっている時点でおかしかったのだ。  ユージンは当時のカムロ軍とアトラス軍の情報によると、【超越者】の中でトップクラスの叔父より若干下の能力を持つ者の為、叔父の様に時空を弄る事なんて造作が無い事の筈。ならば今までの事と前の【前世】で言ったことを考えれば……。  そう思いながらジュンはユージンを見ると、ユージンはニヤリと笑いながら、こう言った。 「ご名答。今までの事は俺と叔父がやったことです。」  とあっさりとユージンはこの事件をやらかしたのは自分であると認めた。

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