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第4話

「じゃあ今俺を売らなくてもいいんじゃないかな?」 観客全員に向かって満面の笑を顔に浮かべながら提案したら、会場中からもうバッシングを受けた。あちこちからふざけるなという声が聞こえる。 落ちぶれた王族の悪あがきだと思われたのだろう。 誰かの奴隷に成りたくないがためにオークションを引き延ばそうとしているのだろうと。 当の本人にはその気がないというのに。 「別に引き延ばそうって魂胆じゃないよ。俺はただ支配人にもここにいる皆さんにも喜んでほしいだけなんだよ。俺という商品を最大限活かしてほしいだけ」 無邪気な笑顔を向けながら言った言葉は皆をどよめかせた。 会場にいた全員が思った、こいつは何を考えているのかと。 「今俺を売れば安値で買いたたかれ支配人さんが損するだけだし、売らなければここにいる皆さんが納得しないでしょう。ということで支配人さん」 支配人のほうを向き、下から見上げながら申し出る。 「俺を男娼で引き取ってくれませんか?」 その一言は殺気立っている会場を更に騒ぎ立てた。 「俺が男娼にいけば、俺の頑張り次第によっちゃ1億を軽く超えるよ?長期的に高収入が得られえる。そうなれば支配人は大儲けだし、ここにいるみんなだって独り占めは出来ないけど俺を抱ける。いい話だと思うけど?」 アルヴィンの提案にゴクリと喉が鳴る。 貴族たちがそれぞれ見合って頷いたかとおもうと、支配人を呼び真剣な眼差しで話し合いが始まった。 話しあいというより賛成か反対かの多数決を取るだけのシンプルなもので数分もしないうちに終わり、支配人が提案を飲むとアルヴィンに告げた。 「それはよかった」 (すんなり計画通りに進んで本当に良かったよ) アルヴィンはにっこり微笑むとステージ裏へと歩を進める。 そして最後に一言。 「皆さんの期待に応えられるよう頑張るよ」 振り返って妖艶に笑いながら言った。

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