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第7話
レニーが帰ると、メルヴィンは起き上がりシャワーを浴びに行った。
「あの絶倫デブ三発も出しやがって」
シャワーを浴びながら、愚痴るのはメルヴィンのいつもの習慣である。
「いくら俺でも一日ヤりっぱなしで最後にあのデブの相手をするのは身が持たねぇよ。クソが」
(チップをくれるのはありがたいから文句は言わないけどさ)
チップとはこの館にて男娼が唯一貰えるお小遣いなのだ。
ここにいるほとんど借金が返せず借金のカタに売られてきた奴らだ。
彼らにお金の自由などあるわけもなく、稼いだ分は全部お店側に取られてしまう。
しかし客から直接もらえるチップは男娼個人の物になってお店側に取られる心配はない。
故にお小遣いをくれる客は男娼にとって他より大事なのだ。
男娼に来てからのメルヴィンはお金の自由がなくとも、それなりの生活を送っていた。
起きたい時間に起きてきちんとした朝食を食べて、午前は例外はあるが営業していないので自由に過ごし昼食を食べると、夜に備えての準備をする。
夜は毎晩誰かしらの相手をしていて終えると後処理をして寝る。
この生活をかれこれ1年は続けている。
その間メルヴィンはその艶美な風情と男を相手にして培った性技を駆使して、この男娼のナンバーワンのまで上り詰めた。
そのおかげで衣食住が前より良質になった。
高品質な服、三食バランスの取れた食事に館の二階にある王室には劣るが一般以上の良質な部屋で奴隷にしてはかなり優遇されている暮らしが出来る。
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