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第13話

「………陽助。 お前、今度こそ“守れなかったら”どうする?」 「…………」 純平の問いに陽助はすぐには答えなかった。一度視線を落とし、何かを噛み締めるように沈黙する。 「俺はもちろんお前の味方をしたいさ。だからこそ、もう大切な人は作らないと決意していたあのお前が、今度こそ壊れてしまうことが怖い」 純平の言葉に重ねるように神榊も静かに口を開く。 「私も純平と同感だ。お前と綾人くんの想いが偽物だとは言わないが、これ以上情が深まる前に離れるべきだ」 「……わかっとる」 低く、しかしはっきりと陽助は答えた。 「俺がこんなに誰かに執着するなんて…正直、自分でも驚いてるわ」 「厳しいことを重ねるようだけど、綾人くんは厄養だよ。一緒になることを選んだその先は……茨の道だ」 心配そうにこちらを見つめる純平に陽助は静かな笑みを向けた。 「心配かけて、すまんな。せやけど、厄養がどんな扱いされてきたかはアンタらだって知っとるやろ」 「………」 「人間に疎まれ、管理される。そんな辛い思い、綾人にさせるもんか」 そう言い残し、陽助は立ち上がる。 迷いのない足取りで出口へ向かった。 「…綾人が待っとる。帰るわ」 有無を言わせぬまま、襖は静かに閉じられた。 残された2人は顔を見合わせて小さく息を吐いた。 ・ 「帰ったで〜」 「おう、おかえり」 陽助が綾人の元に帰ると、綾人は白虎の背中に頭を乗せて寝転がり、スマホをいじっている。 「ちょ、お前……白虎を頭置きに使うなよ」 「え〜?白虎は嫌がってないぞ。もうすっかり仲良しなんだからな」 ほら、と綾人が白虎の喉を撫でると白虎は猫のようにグルグルと喉を鳴らした。 「…打ち解けるの早ない?」 「なんだよ、飼い主サマは嫉妬か?」 振り返り、ニヤリと陽助の顔を覗き込む綾人。 「別にそういうんやないけど」 「ふーん?……まあどうでもいいから、ほら来いよ」 体を起こして両手を広げる綾人にフラフラと近寄る陽助。 「…男前やなあ〜」 綾人に体重をかけて手を後ろに回す陽助を、綾人は何とか受け止める。 「ぐぇ〜〜、お前、重すぎ」 「綾人の筋力が足りないんちゃう?」 「うおっ!?」 「はぁ……まったく。簡単に押し倒されもうて」 あっという間に視界が切り替わり、綾人の背中は床にぴったりと付いている。 「…………」 お互いの目線が熱を帯びて、絡み合う。 次第に陽助の顔が近づき___ 「はぁ…っ、んぅ、んっ」 2つの唇が重なった。 「ん…ちょ、まだ昼…っ!」 「んー?ええやん、そんなの」 綾人は外の明るさから抵抗を見せるが、それは建前なだけで。 それを見通す陽助はお構い無しにキスを続ける。 「あ…っ、んっ、はぁ…」 「ん………はっ、気持ちええ?」 「………はぁ………べつにっ?」 「ふーん」 陽助は口付けたまま、右手で綾人の胸の飾りを弄る。 「ひぁ!?…あんっ!それ、やだぁ…っ!」 「あーやと。やだ、やないやろ?」 「も、ちょ、やめ……」 「やめへんよ」 長いキスと胸を弄られる快楽の昂りによって、呼吸が苦しくなる綾人の目が潤む。 「かわええよ、綾人」 「んっ、あっ……ふぁ」 「ふ、ピクってなった」 「言うなぁ…っ!」 陽助の言葉に綾人のモノが反応する。 綾人は恥ずかしさから近くのクッションを手繰り寄せて抱え、顔を隠す。 「あーやーとー、これじゃあちゅーできないやん」 「……………」 「…綾人が構ってくれないなら、こっちで遊んでもらうわ」 陽助は右手を綾人のズボンに滑り込ませ、中指を綾人の後孔に突き立てる。 「む!?んーー、んー!」 「何て言ってるかわからんなぁ」 「んんん、はあっ!そこ、マジでだめ…っ!」 「あ、出てきた」 「んんん!あんっ!んん…!」 綾人は後孔への刺激に、堪らずクッションを離して抗議しようとしたところで再度唇を奪われてしまう。 「もうトロトロやん」 「…っ!んん…っ!」 「声我慢すんな」 「あっ!…だ、だって…」 「はぁ…。もう我慢できひんわ」 しばらくの間、後孔を弄り尽くした陽助は一度綾人から離れ、自分の着物を脱ぐ。 「……!」 未だに見慣れない陽助の引き締まった身体を綾人は直視できず、顔を背ける。 「照れるくらい見惚れてくれたんか」 「ちが…っ、別に」 「嬉しいわぁ」 「だから、ちが…」 受け答えはしつつもこちらを見ない綾人に痺れを切らし、陽助は綾人の頬を掴んで自分の方へ目を向けさせる。 「早く慣れるためによーく見ときや」 「やめろって…っ」 「でもなぁ…… ……今からこの身体に抱かれるんやで?」

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