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第46話
しばらく二人とも無言のまま、亮太は、サトの隣に座った。
「絵描いてたの?」
その言葉に、びくりとしたが、すぐに首だけ振った。
グラウンドに吹く風が地面で小さな渦を巻いて、枯れ葉が散っていく。
「サト……俺……あの絵が好きじゃないって言ってごめん。選ばれるすごい絵をかいたのに、ひどいことを言った」
こちらを向いて頭を下げる。
「……僕も、あの絵は好きじゃない」
何か言おうとしている亮太の目を見る。
「絵が描けないんだ……。ここに来たら、描けるかもしれないと思って」
二人でグラウンドを見る。
誰かが置いて行った、ボールが風で転がっている。
「ここで、よく描いてもらった」
「帰りが暗くなって、よく母さんに怒られてたね」
「……なあ、昔、こんなに暗いのに、なんで描けたの? 俺が明るいって言ってたけど……金色だから?」
昔話していた事を覚えていてくれて、一瞬驚いたが、嬉しくなった。
そう、昔、薄暗くなったグラウンドを駆け回る亮太を描いていた。「よく描けるな?」と問われて、「りょうちゃんは明るいから」と言った。
首を傾げて、ふーんと言いながらボールを蹴る。
ただそれだけの会話をして、亮太はサトが描き上がるまで待っていてくれた。
「本当はね、金色じゃないんだよ……言葉では言い表せないんだ。眩い輝きっていうかな……眩しいんだ」
グラウンドから亮太に視線を移した。亮太がじっと僕を見ている。
見られていることへの羞恥で、またグランドに向きなおろうとした。
その時、亮太がふわりと近づき、サトを抱きしめた。
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