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回想の終わりに

「敬史? どうかした?」  声をかけられて、俺はハッと隣を振り返った。  俺の左隣には、いつものように朔弥がいた。 「いや、ちょっと子どもの頃の事を思い出してただけだ」 「えー? それっていつ頃の事? 僕の知らないくらい昔の事?」  そのちょっと鼻にかかったような声で、朔弥が俺に甘えたがっているのがわかる。  子どもの頃の、鈴のような高くて甘い声も可愛いかったが、今の朔弥の声も優しい落ち着いた響きで、時々掠れるところが色っぽくてたまらないと思う。 「朔弥と初めて会った頃の事だよ」  俺が答えれば、朔弥は大きな瞳を見開いて、それから嬉しそうに笑った。

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