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第6話
「悪いが…今日は何曜日だ?」
「水曜日だよ」
健太が来たのが土曜日だから…四日も寝てたのか申し訳ない…だが健太が寂しそうな顔はしていないし健康状態もなんともない
どういうことか不安にはなったが…笑顔が見られたから気にしないでおこう
私は健太が作ってくれたおにぎりを二つともぺろりと食べ終えた
きっと幼稚園で習ってきたのか…清司に教えてもらったのか…なかなかの出来だ
だがなんだろう…食べている私の姿を見る健太に違和感を感じる
食べてくれたことへの喜びではなく…まるで何かを待っているかのように
「大丈夫だったか?」
その違和感から解放されようと…私はとうとう聞いてしまった
何が返ってくるのか分かるよしもないが
「大丈夫だよ…パパが帰ってきたんだ、でも僕がお願いして今日だけはおじちゃんの家にいるよ」
帰ってきていたのか…確かにあいつも実家へ行くのを渋っていたからな
早めにはなるとは思っていたが
清司に頼んで私の家を選ぶとは…やっぱりかわいいな
あれ?私はふと回りを見渡す…いるはずのあいつを探している
しかしいるのは健太だけ
「健太…それで……パパは?」
「パパは家で待ってるって…明日でいいよって言ってくれたの」
「そ……お…か………ん?」
なんだか眠くなってきた…さんざん寝たと思うがなぜ眠くなるのだろう
健太は嬉しそうにしている
私は健太に申し訳ないがベッドに戻った…後ろからついてくる気がした
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