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エピローグ
東京の空を、季節外れの雪がちらちらと舞い始める。
「雪……?」
「わあ、綺麗……」
スマホを空に向ける女子たちとすれ違いながら、冬斗は隣を歩く一葉をちらりと見る。
一葉だけが、相変わらず雪に濡れていない。
冬斗はやわらかく目を細めた。
「え……芸能人……?」
すれ違う人々が、男女関係なく一葉を振り返る。
相変わらずすごいなと思っていると、冬斗のズボンのポケットが振動した。一葉もスマホを手に取っている。
見てみると、猫ちゃんたちのグループLINEに通知が一件。
【茜:やばいめっちゃバズってる】
添付されたリンクをタップする。動画投稿アプリに繋がった。見てみると、高校最後に舞った、一葉と冬斗の神楽舞の動画だった。見たこともない再生回数になっている。
冬斗は、一葉と顔を見合わせて笑った。
「伊織のお姉さん、赤ちゃん産まれたんだって」
「へえ、そうなんだ。あれ、茜も弟産まれるんじゃなかったっけ」
たわいもない話をしながら河川敷を通ると、ふと子どもたちの遊び声が聞こえて来た。
足を止める。
子どもたちは数人で集まって童歌で遊んでいた。
大きく元気な声で歌われるその歌に、思わず頬が緩む。
手を握られて見上げると、穏やかに笑う顔があった。
冬斗は紫の目を細めて微笑み返す。
歩きながら、戯れのように小さく口ずさむ。
一葉も歌声を乗せた。
繋いだ手があたたかい。
『かごめ かごめ
かごのなかの とりは
いつ いつ でやる
うしろの正面 だあれ』
手を繋いだまま、並んで歩く。
その背中を、舞い落ちる雪が静かに見守っていた。
『白き蛇神は千年の恋を知る』
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