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第30話
ルカと黒兎の契約書作成が始まっていた。シアンが中から情報収集。ルカは外から情報収集。もちろんお金はもらわずに相手の名前、組織の場所を聞き出すことが目標である。お金なんて貰えば、騎士としてわたしの評価に響きます。まぁ使い捨ての捨て駒でしょうから、そこまで知っているかは分かりませんが、地獄のエルンスト団長への報告がありますから、急がないといけません。傷付けるなの約束をまったく守れていません。
「おまたせしました。契約書です。判子はお持ちですか?」
「申し訳ありません。母が決まるまでは渡さないと言って持たせてくれませんでした。噂が一人歩きしている場合もありますから」
「なるほど。後日判子を持って、この場所に来て頂きたいのですが、可能ですか?」
渡された地図の場所は西の森入り口。なぜこんな場所で。そう言えばエルンスト団長が王太子殿下に呼ばれていると言っていました。もしや。
「何故、森なのですか?」
「サクリスを必要としているお客様のご要望ですから」
あっさり教えるなんて、罠と考えた方が良さそうですね。しかしここはあえて乗り、敵の本拠地を叩くのも面白そうです。ルカは、今朝のエルンスト団長の言葉を思い出した。
「楽しいことにはなりそうだ」
楽しいこととは、なんだろうと思っていましたが、まさかここまで計算のうちだったのでしょうか。末恐ろしい人ですね。
「名刺をいただけますか?母に証拠として見せたくて」
「お金を持っていけば信用されるでしょう。世の中お金です。お金があれば、お母様にも信用されますよ」
「普通ならそうですよね。実は母は、息子のわたしでさえ信用していない。どうせ、いくらか盗んで渡すだろう。証拠。たとえば名刺を持ってきな。それ以外を持ってきたら、大事な金のなる木を売らないって。最低だと思いませんか」
「そういった方の方が信頼できますよ。お金にまっすぐな良いお母さんじゃないですか。どうぞこちらが名刺です」
奴隷コンサルタント。バレンチーノ。
胸糞悪いコンサルタントはこの手で、始末したいですね。思いを心の中にしまいこみ、ルカはもらった名刺を思わず握りしめてしまった。まずは、エルンスト団長がいるであろう魔塔に向かいましょうか。
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