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昨日はなんて失態をしてしまったのだろう。 頭を抱えた月岡ははぁー⋯と大きなため息を吐いた。 が、青葦の姿を思い出した時、ぼっと火がついたかのように熱くなった。 本当にどうしたのだろう。自分が描いた絵の影響でそんな気持ちになっているのか。 でも絵画を見た時でもこんな気持ちにはならなかった。 この気持ちは一体⋯⋯。 「あれ、(せい)。こんな時間に学校行くの? 早くない?」 「あ⋯⋯あ、うん。早く行って、部活の課題をやりたくて」 「そう、熱心ね。気をつけて行ってらっしゃい」 「うん、行ってきます」 やや慌てて家を出た。 母が起きてくる前に行こうとしていたのに気づかれてしまった。 とっさの嘘にもバレやしないかと早まる鼓動を押さえつつ、足早と学校に向かった。 運動部がいつから始めているか知らないが、きっとやっているはず。 グラウンドに向かうと準備体操をしている最中だった。 青葦はいないかと姿を捜す。すると、いた。 腕を伸ばしながら隣にいる友人らしき相手と喋っている。 昨日見た表情とは違う笑い方。 月岡はグラウンドへ続く階段に座り、スケッチブックを取り出すと、その様子を描きとめた。 体操をし終えた部員がラインカーで地面に直線を書き出していたところで、ハッとした。 いけない。ただ青葦を描いている場合ではない。 誰が青葦の物を盗むのかも注意深く見なくては。 一旦青葦から視線を外した月岡は全体に目を向けた。 こうして朝早くに来たのは、青葦の持ち物を盗む犯人を見つけ出すためだ。 彼の一日の動向を観察していれば、恐らく見つかるかもしれない、と。

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