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ただなんてことないことを言っただけだ。 しっかりしろ、自分。 「えっと、青葦君も遅くまで?」 「そ、なんたって夏に大会があるからな。候補に上がっているから、より頑張らないとな」 「青葦君なら優勝取れそうだよね」 「月岡分かってんじゃん。俺なら余裕でいけるよな」 へへと得意気な顔を見せる。 鼓動が高鳴った。 夕日に照らされる彼の横顔はいつも違った景色を見せ、鼓動を早まらせる。 「月岡? なんか、顔赤く──⋯⋯」 「おーいっ! 青葦っ! なんで置いていくんだよ!」 青葦の友人が怒り気味でやってきた。 「あ、すっかり忘れてたわ」 「はぁっ!? ありえねっ! 最近授業で真面目ぶって、さらにモテモテになっているからって調子乗りやがって!」 「おいおい、何の言いがかりだよ。お前も寝てねーで、に授業を受けろよ」 わいのわいのと騒ぐ青葦らをよそに、月岡は青葦が言いかけた言葉に頬に手を添えていた。 心臓に留まらず、顔にも出ていたなんて。 おかしい。なんでそこまで意識しているのだろうか。 これじゃ、さっきの女子のようではないか。 「あ、悪い。話の途中だったよな」 「あ、ううんっ! でも、僕お邪魔みたいだから失礼するね!」 「あっ──」 一方的に早口気味にそう言うと、その場から逃げるように駆け出した。 大して走れずすぐに息が上がってしまった月岡は、ちらほらと歩く同じ高校の人達の中で一旦立ち止まった。 あの時の放課後と同じことをしてしまった。 何をやっているのだろう。別に逃げる必要なんてなかっただろうに。 けど、青葦が笑う顔を見ると自分が変になるんだ。落ち着かなくなる。 「どうしたらいいんだろう⋯⋯」

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