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第49話 初めての人#7※
「そうだよね、我慢すべき、なんだろうけど……ごめんね」
昴はそう言うと、左右に広げた理月の膝を両手で持ち、入口にぴとりとペニスを宛がった。
「あっ、」
と理月が言ったと同時、中にグッとペニスが押し入ってくる。
「ひゃっ、あっ、んあっ、ンっ、あ……ッ!」
しっかりと解した理月のそこに、昴のペニスがぬぷぬぷと入り込んでいく。三本の指よりも太いそれがみちみちと理月の身体を拓き、ゆっくりと進んでいった。亀頭がぬぷっと入り、出っ張ったカリまで咥え込む。奥へ奥へとゆっくり挿れられる最中、内壁をごりごりとカリで擦られて、理月は悲鳴に似た嬌声を上げて身悶える。
「りっちゃん、大丈夫……っ? 痛く、ない……?」
「んっ、うんっ、きもちい……っ、あっ、ン、ひぁ……っ!」
昴のペニスは理月の良いところをカリで、竿で擦り上げながら奥へと進み、ずぷっと根本まで入り切る。根本まで入ったところで昴は動きを止めて、上体を前に倒し理月の肩口に顔を埋めた。
「……ずーっと、こうしたかった」
「うん……、僕も」
理月は昴の背に腕を回し、ぎゅっと昴を抱き締める。
ずっとこうしたかった。昴の気持ちに応えたかった。身も心も全部昴にあげたかった。昴の全部が欲しかった。
性欲と言えば性欲で、征服欲じゃなくて独占欲。昴はそう言っていた。理月の気持ちもそれと同じだ。一番大事なのはきっと心で、だけど身体も繋げたい。全部独占したいし、独占されたい。
プレアデスのように空へ飛び立って、遙か彼方の星になり、手が届かない存在になってほしかった。それを地上から眺め見て、満足して、燻ぶる恋心は諦めて――昴にとって一番仲の良い『友達』のままで居たい。そう思っていたけれど、結局無理だった。
叶えられたかもしれない、幼い夢を諦めた。今まで沢山の我慢を重ねた。自信を持って、努力を積んできたと言える。ひとつくらい、自分のために――欲しがったって、バチは当たらないだろう。万一、それを罰されたって構わない。信じるのは神じゃない。家族のことも、恐れなくて良い。迷いは捨てて、自分の選択を信じる。随分長くかかってしまったけれど――昴を愛することを怖がらないと、ようやく腹を決められた。
昴とぴったり身体をくっつけて、お互い裸になって抱き締め合って、普段より早く脈打つ心音を重ね合う。テンポはBPMで言うと一〇〇くらいだろうか。一分間に一〇〇回心臓が拍動しているということ。初めて身体を繋げて――性的な気持ち良さもあるけれど、ただ抱き締め合っている今は気持ちが安らぐ。
ちゅ、ちゅ、と軽く啄むキスを交わして、舌で突っつき合い、舌を絡めて、口唇をぴったり合わせ、深く口づける。混じった互いの唾液の味、舌がねっとり絡む動きに気持ち良くなって、絡めた下肢の入口が反応しては昴のそれをきゅうきゅうと締め付ける。締め付ける動きに応えて、昴はキスを続けながらゆっくりと腰を動かし始めた。
「んむっ……んッ……んぁっ……あっ、あっ、あんっ!」
手前にゆっくりと引かれた後、奥までずぷっと突き入れられる。ゆっくり引いて、グッと奥まで突き上げる動きを繰り返される度、その快楽に頭も身体も、蕩けていく。
「っはぁ……りっちゃん……っ好き、好きだよ……心の底から、愛してる……っ」
キスの間に間に、昴は熱っぽい目で理月を見詰めて愛を伝える。理月も快楽に浮かされながら昴と視線を絡め、昴の背を強く抱き締めた。
「僕も、昴のこと……世界で一番、愛してる……っ」
鼓膜を震わせる甘ったるい声に理月も甘ったるい声でそう返した。良いところをカリが擦れる度に絶頂感が身体を襲い、昴のペニスを食いちぎらんばかりに強く締め付ける。
「っ……りっちゃん、僕、もう、出そう……抜くね……っ」
「やだ……っ、僕の中に、全部出して……っ!」
理月は足を昴の腰に回し、ペニスを引き抜こうとした昴を止める。昴は腰とペニスを理月にぎゅうっと締め付けられるままぐっと息を飲み、最奥まで突き上げる。
「はぁっ……あーっ……昴……っ」
腹側の壁を押し上げて一番奥まで突き上げられ、理月は昴の名を呼びながらびゅくびゅくっと射精した。昴もそれと同時、理月の最奥へ精液をどぴゅっと注ぎ込む。奥に出された精液が壁を伝いどろっと垂れる感触に理月は喉を反らして身悶え、ぴゅっ、ぴゅっ、と残りの精液を吐き出した。奥で動きを止めた昴も最後の一滴まで理月の中に精液を注ぎ切り、理月の肩口に顔を埋めて肩で呼吸する。
「っく……はぁっ……中、出しちゃった……ごめん……」
「んっ……大丈夫、だから……っ僕が、お願いしたんだし……」
理月は昴の腰を挟んでいた両足から力を抜き、全身からも力を抜いた。肩口に埋まる昴の頭にすりっと顔を寄せ、ちゅっと軽く耳に口づける。昴はびくっと身体を震わせ、埋めた顔を擽ったそうに動かして、ちらりと理月に視線を向けた。
「……もうちょっと、このままくっついてても良い? あとで、ちゃんと掻き出すから」
「良いよ。僕も、もう暫くこうしていたい」
くすっと昴に向けて微笑み、昴の口唇に軽く口づける。射精を終えて柔らかくなろうとしていた昴のペニスが中でむくむくと質量を増していくことを感じて、ぴくりと腰を跳ねさせた。
「んっ……はぁっ……中で、また大きくなってきた……」
そう言いながら理月が自身の下腹を押し撫でると、その奥――腹の中に入っている昴のペニスまで圧がかかる。すぐさま熱を取り戻し、理月の中でガチガチに勃起した。
「……りっちゃん、煽ってる? そんなこと言われたら、僕……我慢出来ない」
耳元で囁かれ、昴の熱い吐息が理月の耳にかかる。口唇で耳朶を挟まれ、ちゅうっ、と吸われて、舌で耳を舐め上げられた。身体がぞくぞくして、腹の内側がきゅんとする。頭で考えるより早く身体が反応して、離れたくないとばかりに入口がぎゅうっと締まる。
「そうだよ、煽ってるんだ。ねえ、まだ離れたくない。だからもう一度……昴を、身体でも感じさせて」
理月は昴の手を取って、手の甲にちゅっと口づける。昴はその手を理月の手に持っていき、指を絡めて握り締めた。
「……りっちゃん、明日仕事なのに身体大丈夫?」
「問題無いよ。昴は僕のことを触れたら壊れるお姫様みたいに扱うけど、僕は健康で丈夫な成人男性だからね」
「でもほら、僕よりは背が低いでしょ。じゃあ、明日の朝は僕が先に起きて朝ごはん作るね。りっちゃんはゆっくり寝てて。今夜はもう少し、一緒に夜更かししよう」
我慢出来ない、と言いつつ理月を気遣う昴はやっぱり我慢強いやつだと思う。心配する昴を見て理月がくすっと笑うと、昴はふにゃっと顔を綻ばせた。
お互い初恋。初めての恋人で、初めての人で、初めての夜。今夜くらい、夜を更かして耽っても罰は当たらないだろう。
あともう少し、お互い疲れてうとうとと微睡むまで身体を重ね――ふたり寄り添って眠りに就いた。
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