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第14話 愛で溶かして(R18)

 びーさんの部屋に越してきて1ヶ月が経過した頃。モデルの仕事をしているえーさんは不規則な休みを取りながら働いている。  一方、僕とびーさんは基本的には平日と土日に働いている生活を送っている。  だから3人で顔をそろえる休日はあまりないのだが、今日は珍しく3人とも1日休みだった。 「インテリアショップデート?」 「ああ。ちょうど家具も欲しかったところだ」  びーさんは僕が作った朝ごはんのオムライスとほうれん草と鮭のクリームシチューを食べてから言った。  えーさんはなになに? とキッチンから顔をのぞかせている。料理担当と洗い物担当は僕とえーさんがやっているのだ。掃除担当はびーさん。かなりこだわりが強くて、僕らに掃除は任せられないと判断したらしい。 「確かに、もともと独身だから家具は足りてないよね」  えーさんの嘘偽りのない言葉に、びーさんがぎろりと睨みを効かせた。僕はそんな二人にヒヤヒヤしながら食べ終わった食器を下げる。 「近くに北欧インテリアの店がある。30分後に出るぞ」 「うん」 「りょーかい!」  僕、えーさんの順で返事をする。楽しいデートのはじまりの予感に胸が踊った。 「おー! これとかいいじゃん。3人がけのソファ」 「ゆったりひろびろしててくつろげそう!」  えーさんと僕がわちゃわちゃしながら展示されている家具を見て回っているのをびーさんは見つめているだけ。なんだか、買い物にはしゃぐ子どもの引率をするお父さんみたい。 「これとかどう?」  次にえーさんが示してきたのは、丸テーブルだった。大理石柄で足は黒いアイアン。元のびーさんの部屋のインテリアにもぴったりだ。 「そのテーブルだと3人で座れそう。びーさんはどう思う?」  僕が話を振るとびーさんは 「お前たちの好きなものを選べばいい。センスは信頼している」  ちょっとつんつんしてる猫みたいなびーさんの言葉にくすっと笑ってしまった。えーさんは爆笑している。  そんな穏やかなインテリアショップデートが終わると、購入した商品は後日自宅に配送してもらう予定になった。  帰宅後、びーさんの家のリビングにある二人がけの小さなソファに背をもたれる。  すると、えーさんが近寄ってきて隣に腰掛けてきた。よしよしと頭を撫でられる。ほっと身体の力が抜けていく。今度はびーさんがやってきて隣に腰掛ける。 「わっ」  びーさんが僕を抱き上げてから、自分の膝の上に乗せた。 「ちょっとびーさん? 俺としぃくんのいちゃいちゃタイムに割り込むなんて覚悟あるね?」  すっかり怒りゲージの溜まったえーさんが、ずいずいとびーさんに迫る。無表情のまま、びーさんが僕の頬を手のひらですりすりと撫でた。 「なら、二人占めすればいいだけのことだろう」 「え?」  ぽす、と置かれたのはえーさんとびーさんの膝の上。脚を開かされて座る。なんだか恥ずかしいポーズだ。僕は慌てて脚を閉じようとする。けれど──。 「ほら、暴れないで。大丈夫。怖いことはしないから」  えーさんの目、ちょっと熱がこもってる。言葉と行動が釣り合ってない。 「ほんと可愛すぎて困る」 「んんっ?」  えーさんに唇を塞がれた、何度も重ねられる口付けに足の力が抜けてしまい開脚した状態で息を乱した。そんな僕をびーさんが放っておくはずはない。 「こっちもだ。しぃ」 「んっ?」  今度はびーさんが僕の後頭部を押さえて振り向かせる。えーさんが口を離してぶうぶう文句を垂れている。そんなのお構いなく、とでもいうようにびーさんに舌を絡められた。初めてする熱い口付けに頭が真っ白になる。 「じゃあこっちもーらい」 「っ!」  びーさんの執拗なキスに乱されている間に、えーさんが僕のシャツを捲って胸の飾りに舌を這わせてくる。むずむずとした微弱な快感に思わず腰がかくかくと前後に振れた。 「もうぷっくりしてる。舐めて欲しい?」  数分たらずで胸の突起が主張し始めた。えーさんは意地悪く笑って僕を見つめる。その瞳は獣のように熱にうなされていた。  キスをやめてくれたびーさんに感謝しつつ、僕は潤んだ瞳のまま、静かに頷いた。すると、えーさんが僕の胸にかじりつくように愛撫してくれる。 「んっ……あっ」  えーさんに上半身を好き勝手にされる。びーさんは僕の髪を優しく撫でてから静かに抱き起こした。 「ベッドに行くぞ」 「……うん」  びーさんにお姫様抱っこされて寝室へ向かう。えーさんもその後をくっついてくる。二人にベッドに沈められた。 「しぃくん。いい?」  この二人の甘く蜜のようにとろける愛に溺れていたい。 「俺もお前が欲しい。いいか?」  だから僕は二人の手を恋人繋ぎにして頷いた。 「うん。抱いて、えーさん。びーさん」  それからは朝まで何度も愛を確かめた。  生まれてきて初めてだった。こんなふうに愛し尽くされるのは。キスだけでとろとろに溶かされるのに。  名前を知らない二人のセフレは、いつしか僕の最愛の人になった。  僕の名前はしぃ。  この名前で呼ばれると身体が喜びに震える。愛おしい人達の名前を呼びながら、夜の裂け目に包まれていく。  僕の愛した人は、僕よりも確かな愛をくれる人達でした。 Fin

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