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【R18】番外編 会えない時間が育てるのは
現代社会に混じって生きる人間なら、誰だって忙殺される時期はある。比較的残業の少ない惇嗣だって、月末月初やら年度末、年度始めは忙しくなる。喜勇の方も何だかんだで残業が多い。
それでもこれまでは、週末に駆り出されることはなかったし、平日に飲みに行く余裕ぐらいはあった。
「え、来週は俺が出張……」
「再来週の週末は俺の方が勉強会」
「その次は俺は空いてるけど、お前は会合の本番だろ?」
研修やら勉強会、出張、極め付きは喜勇が同業の大きな集まりに出るなんてことが続いた。重ねて珍しく惇嗣の出張が入ったと思ったら、喜勇の方の色々も重なって、予定を突き合わせてみれば会えるのは来月の半ば。3週間と少し、ほぼ1ヶ月の期間が空いていた。
「はー……そしたらもう来月まで会えねえじゃん」
「うーわ……」
基本出張がないはずの惇嗣が珍しく出張するのは、支社の同部署と行う研修のためだ。主導は上司だが、それをサポートするために二人で行くことになっていた。これまでは他の社員が担当していたのに、今回はその社員が育休後の時短勤務中のため惇嗣にお鉢が回ってきた。
「だったらさぁ……平日はぁ?」
「お前準備で忙しいんだろ。しっかり休めよ」
「んー……むむぅ」
テーブルの上に顎を乗せて不服そうな顔をしている喜勇は、スマホを見ながらどうにか隙間がないか探している。瞳が右に左にうろうろして、大きく息を吐き出した。
「だぁってさぁ……」
「まー……、これまで毎週のように会ってたからなぁ」
長らく友人だったから、遊びに誘ったり誘われたりは気兼ねなくできていた。ミラクルな出来事から紆余曲折を経てセフレになり、さらに色々あって晴れて恋人になってからはさらに頻度が増えた。平日にも早く帰れそうな日なんかは食事に行ったりもあったため、毎週会うのが当たり前になっていた。
本日、土曜日の昼。金曜の夜に惇嗣の家にやってきてそのまま泊った喜勇とデリバリーのピザを摘まみながら来週の予定を口にしたところ、二人のスケジュールがかみ合わないことが発覚した。
「あ、そうだ。アレ持って帰れよ」
「アレ?」
ニヤけた惇嗣がベッドの下から引きずり出したボックスを見て、喜勇ははぁ~あとまた大げさにため息をついた。中に何が入っているか喜勇は知っているし、楽しんだこともある。
二人がくっつくきっかけになった”魔法のアダルドグッズシリーズ”。不思議な力で消えるとかそう言うこともなく、今も惇嗣宅のベッド下にあった。最初こそ物珍しく楽しんだが、今では使っていない。
「髪の毛も一緒に持って帰っていいからさ」
「そうだけどさぁ、そうじゃないんだよなぁ」
喜勇が渋る理由は惇嗣だって分かる。だから喜勇が言いながら身を寄せてくるのも腰に腕を回してくるのも拒否しない。引き寄せられて、背中から覆いかぶさるように引っ付かれる。
「でも、3週間だぞ?自分でシコって満足できるなら俺は良いけど……?」
「……、嘘つき。惇嗣だって我慢できないくせに」
「ッ♡」
下腹を大きな手に撫でられて、喜勇が耳元に顔を近づけて声を吹き込んでくる。ぞわ♡と背中を走った痺れに、惇嗣は思わず息を詰めた。
金曜の夜だからと昨日の夜に羽目を外してハメまくった身体は、奥底に余韻を残している。まだ燻ぶっているその火種を熾すように、喜勇はゆっくり、ゆっくりと下腹を撫でた。
「だから持って帰れって言うんだろ?」
「ん……♡ふっ、ぅ……♡」
「俺の好きなタイミングで……いきなりチンポ突っ込まれてさ」
ぐり♡と太腿に喜勇のチンポを押し付けられる。まだ軟らかかったはずのそれが、惇嗣の腰に擦り付けられてすぐに硬くなっていくのを感じながら、惇嗣の興奮も増して息が上がっていく。
「ガンガンに掘られるの、期待してんだろ?」
「ッん♡ぁ゛♡」
胸元に這い上がってきた指先に薄い部屋着の上から乳首を引っ掻かれ、突き抜けた甘い痺れが腰の奥へ蟠る。すぐに勃起する乳首をくに♡くに♡と指先で弄られて思わず腰をくねらせた。
「は、ぁ゛♡期待してるっ♡」
ヘコヘコと腰を揺すって、硬度を増していく喜勇のチンポを尻の谷間に擦り付ける。亀頭が肉に食い込む感覚に、頭の奥が蕩けそうだった。そんな惇嗣の耳元に、喜勇の低い声が響く。
「あれはまあ持って帰るけどさ、とりあえず……」
「ん゛、ぅっ♡」
ぎゅ♡とあっさり勃起した乳首を強くつままれ、痛みと快感が突き抜けた。反対の手でハーフパンツの上から尻を揉まれると、下腹が疼くように重くなる。
「ヤリ貯めだけしとこ」
「する、ぅ♡」
昨日の夜に散々絡み合って発散したことなど忘れたように、覆いかぶさってくる喜勇の体に腕を回して受け入れた。
体の相性が良過ぎるんだと、そう思っているのはお互い様だった。会えばいつもバカ話で笑って、気安い触れ合いを繰り返して、それが次第に熱を帯びて濃厚なセックスに至る。どっちが誘っても、断ることは今のところほぼない。繁忙期に数回寝落ちしたぐらいだ。どっちもエロいことが好きで、性欲も強くて、おまけに相性がいい。それでセックスしないほうがおかしい。
そんな二人が、こんなにも長く会えないなんてことは初めてだった。
とはいえ、二人にはスマホという文明の利器があって、おまけに魔法のアダルドグッズもある。過去にはそれで遠隔プレイを楽しんだりもしたんだから、1か月程度ならどうってことないだろう。そんな風に楽観していたのもお互い様だった。
「…………」
けれど約1か月後、惇嗣はそわそわと胡坐をかいた膝を揺すりながらスマホを睨みつけている。正確には、スマホに表示したメッセージアプリの画面だ。相手はもちろん喜勇で、4時間ほど前には今から新幹線に乗る旨が送られてきていた。惇嗣はそれに対し、了解と短く返している。2時間ほど前には、今から会社に行って報告してから帰ると送ってきている。やはり了解、と敦は返事をした。その後に、準備しておく、と追加のメッセージを送信している。
それ以降の返事はない。既読だけがついている。一人で帰ってきているわけでもないだろうし、今はおそらく会社だ。そう頻繁に送ることもできないだろう。惇嗣だって連絡がないことにそわそわしているわけではないのだから、そこは重要視していない。
「あ゛ー……」
準備しておく、その宣言通りに惇嗣は準備をした。定時で会社を出て、簡単な夕食を買って家に帰った。そして風呂に入り、全身を洗ったのち腹の中もさっぱり綺麗にして座り込んでいる。
会えなくなってから、最初の1週間は問題なかった。週末のヤリ貯めが幸いしてか、もともと1週間ぐらいなら期間が空くこともあったせいか、連絡はメッセージと通話のみでエロい雰囲気にもならなかった。
問題は2週間を超えてから。喜勇は魔法のアダルトグッズを持って行ったし、使いもした。ビデオ通話をしながら楽しんだ。ドMの惇嗣にとって、それは刺激的なプレイだった。
お互いどちらからともなく誘い、プレイに興じ、一応の満足を得る。けれど、何となくあと一歩が足りなかった。
『触りたいなぁ……』
何度目かの時に、喜勇がぽつりと呟いた。惇嗣も同じ気持ちだった。
魔法のオナホやフープで、喜勇のチンポを咥え込むことはできる。熟れた体は悦んでメスイキするし、性欲はある程度発散される。けれど、のしかかって押し潰さんばかりに圧をかけてくる大きな体も、動きを拘束する長い腕も手もない。喜勇の体温も息遣いも匂いもない。
心理的な満足感がないのだと気づいて、一気に物足りなくなった。
「早く帰ってこーい……」
気が付いた途端、お互い魔法のアダルトグッズを使って解消する気にもならなくなって、残りの1週間ほどは二人とも悶々としながら通話とメッセージで耐えていたのだ。
そして今日、喜勇は帰ってくる。多分、会社から惇嗣の家に直帰してくる。準備してる、なんて聞いたら飛んで帰ってくるだろう。
ピコン、と軽快な音とともに、喜勇のメッセージが表示された。
『いまついた』
鍵を開ける音がして、喜勇が部屋に入ってくる。音を立てて放り出されたカバンや紙袋に視線をやることもなく、部屋の真ん中に座り込んでいる惇嗣にまっすぐ向かってきた。
「お、おか……ッぅ゛んん゛……!♡」
おかえり、と声をかけるより先に、立ち上がりかけた惇嗣の唇に噛みつかれた。いきなりで乱暴なキスに酸素が奪われていくのに、その苦しささえ悦びに変わる。唇を舐められ、誘われるまま開けば舌を吸われて甘噛みされた。歯列を舐めて、舌裏を擽り、硬口蓋を擦られる。柔らかく、熱を持った舌に舐られる感覚に鼻から抜けるような声が漏れても止まることがない。唾液を交換し合いながら何度もキスをして舌を吸い返す。
キスの最中、喜勇の大きな手のひらが全身を撫で摩り始めた。肩を撫で腰を抱き服をたくし上げて脇腹や腹を撫でる。熱い掌の熱が体を滑るだけで、頭の奥が蕩けていく。息が上がって、視界が霞んだ。
「ッ、風呂入ってくる!」
「うっそだろお前……!」
音を立てて唇を離した喜勇が、縋る惇嗣を振り払って風呂場へ逃げていく。このままなだれ込むと思っていた惇嗣は不満を叫ぶがバスルームの扉は無情にも閉じられた。
『今入らないと途中で入る余裕絶対ないから!すぐ出るから!』
「お前さぁ……!」
『汚いままなの嫌なんだって!明日まで入れないだろ!』
別に潔癖というわけでもないし、過去にはシャワーを浴びずに勢いで縺れ込んだこともある。けれど明日まで、という言葉に、惇嗣の下腹がジュク♡と疼く。ふー……、と長く息を吐いて惇嗣はベッドに倒れ込んだ。ベッドには、惇嗣が風呂に入る前に防水シーツとパッドが敷かれ、準備は整えてある。
ほどなくして飛び出してきた喜勇がベッドに近づいてくる。潔いほどに全裸だし、潔いほどに勃起している。腹につきそうなほどの角度に、惇嗣の口内が渇いていく。
「あ……♡」
勃起しているのは惇嗣も同じだ。風呂場の扉が開いた瞬間から、期待に体が疼いて仕方なかった。
「はっや……」
軽口を叩いても、視線は喜勇のチンポにくぎ付けだ。水気を拭ってもまだしっとりしている喜勇の腕が伸びてきて、全身で抱き締められると興奮が一気に襲ってくる。肌同士が密着して熱が移り合う。熱くて気持ちいい。
「はー……惇嗣ィ」
全身を大きな体に包み込まれて圧し掛かられる。そのままベッドに倒れ込むと、喜勇は惇嗣の首筋に顔を埋めて匂いを嗅いでいる。喜勇のまだ濡れている後頭部を撫でながら、惇嗣はその耳元に顔を寄せて声を吹き込む。
「準備してあるから……即ハメして♡」
「……ッ」
ゴク、と生つばを飲み込む音が聞こえてきて、つい笑ってしまう。露骨な誘い文句に萎えるどころか煽られる喜勇は、体を起こすと足を開いて見せる惇嗣のハーフパンツと下着を掴んで引きずりおろす。手つきは慌ただしく乱暴で、否応なしに惇嗣の興奮を高めた。
桃を剥くように下着を剥かれ下半身だけ丸出しになった惇嗣は、恥じることもなく膝を抱えて自分の胸に引き寄せる。大きな喜勇の手が尻に添えられ割り開かれると、準備の整ったアナルが喜勇を誘う。
「っぁ゛♡きゆう♡」
ずり♡と喜勇のチンポがケツマンコに擦り付けられる。散々酷使されたアナルは縦に割れてすっかりケツマンコになっており、擦り付けられた雄をどうにか咥え込もうと惇嗣の仕込んだローションを滲ませながらヒクついた。
「はー……♡惇嗣♡」
「きゆ♡ぅ゛♡ッお゛……♡」
亀頭が肉輪を押し開き、中へと入ってくる。柔い肉を擦りながら、ゆっくりゆっくりと奥へ挿入される。自然の摂理とは逆に開かれる感覚に、全身に鳥肌が立った。
「お゛ッぅ゛……ッ♡」
途中で上体を倒して再び覆いかぶさってきた喜勇が、両腕で惇嗣の体を抱きしめる。体が密着するのと同時に、半ばほどまで咥え込んでいたチンポがさらに奥を開いていく。
「惇嗣ぃ……」
ちゅ♡ちゅ♡と戯れるように額や頬に唇が落とされる。シャンプーやボディソープの匂いに混じって、喜勇の匂いがする。逃がさないと言わんばかりに抱え込まれ、密着する肌の熱さを擦り付けられる。視界は興奮をどうにか抑え込もうとする雄の表情を浮かべた喜勇の顔でいっぱいで、目が合うと反射的に体内のチンポを締め付けた。
「きゆぅ♡」
喜勇の体に腕を回すのと同時に、ちゅぅ♡と唇を吸われて口を緩めればすぐさま侵入してきた舌を迎え入れた。舌が絡み合って呼吸が混ざり合っていく。心地いいのに頭の奥が溶ける。思考が鈍るのに下半身への感覚は鋭敏になっていった。
「ん゛ぅッ……♡ぅ、ふ、ぅ゛う゛……♡♡」
とちゅん♡と結腸口に喜勇の亀頭が押し付けられる。喜勇の長い腕が惇嗣を囲い込んで、掌で後頭部を包み込んだ。発情した男の体で抑え込まれる体勢に、全身が歓喜に戦慄く。しっとりとした肌同士がくっついて、密着する。何とも言えない心地よさと、ザワつくような興奮が惇嗣を翻弄した。
「ぁふ……ッ♡♡きゆぅ……♡♡♡」
唇を離した喜勇がさっきしたように惇嗣の首筋に顔を埋めて強く抱きしめてくる。もっと奥、と言わんばかりに腰を押し付けながら揺すられ、開いた足のつま先が視界の端っこで揺れる。その光景が、惇嗣に自分が自ら足を開いて雄を受け入れていると自覚させた。
「あ゛♡あ゛ッ♡」
「惇嗣♡入らせて♡おく、おくまで……ッ」
「んぅう゛……ッ!!!!♡♡♡♡」
さらに切羽詰まった、甘えるような声を耳に吹き込まれ、じゅわぁ♡と腰の奥から熱が広がる。次の瞬間、まるで喜勇の声に応えたかのように、結腸の弁が亀頭を受け入れて包み込んだ。異物を押し戻そうとする動きは、亀頭に粘膜がしゃぶりつく愛撫でしかない。腹の奥から込み上げる法悦に、ただでさえ媚びていたメス声が上擦ってさらに糖度を増す。全身が性感帯になってしまったかのように感じて何も考えられない。頭も体も全部蕩けていってしまう。
「いぐ……っぅ゛♡♡いっぐ♡♡♡きゆ♡♡」
「ん゛ッ……♡」
大きな背中にしがみつきながら、惇嗣は堪えきれずにメスイキした。目の前が白んでチカチカするのに、快感だけは変わらず高まり続ける。ぎゅっと瞑った眦から涙が伝い落ちる。それを啜るように、喜勇の舌が目元を這って涙を舐めていく。
「っは♡っは♡……~~~ッ!!!♡♡♡♡」
茹だるような熱に浸され、メスイキに震える惇嗣の体をベッドに押し付けるように喜勇が体重をかけてきた。腰が反り返りそうになるのを阻まれ、声も出せずに身に余る快楽を受け止めるしかない。
「ぅう゛……ッ!!♡」
耽溺する意識の向こう側で、不意に喜勇の唸る声がした。さらに強く腰を押し付けられた瞬間、びゅるるるぅっ♡と腹の奥にザーメンが叩きつけられる。突然の無許可中出し射精に、揺すられるままだった足を喜勇の腰に絡みつかせ、両腕を背中に回してしがみつく。ねっとりと濃いザーメンを吐き出すチンポを逃さないように搾り上げ、興奮に茹る意識で腹の中を満たす感覚に浸った。
「ッ……♡♡っ、♡♡♡」
入れられただけで、入れただけで達した気恥ずかしさもあって、お互いに縋り付くように抱きしめあったまま絶頂の余韻を堪能する。少しでも身じろげば離れてしまうとでも言わんばかりに組み合い、腰を押し付けあった。体内でピク♡ピク♡と震える喜勇のチンポが最後の残滓を吐き出した後も、しばらくそのままでいた。
「っはー……、はぁ……やば、めっちゃ出た♡」
「きゆ♡まだ、抜くなよ♡」
「当たり前♡」
ゆさ♡と喜勇の腰が緩やかに揺すられる。結腸弁を亀頭でこじ開けたまま、ぐちゅり♡じゅぶり♡と捏ね回される。襞をカリ首で弾かれ、激しいピストンもなく、大きなストロークでもないのに、腹の深い部分から溢れ出すメスの快感が再び惇嗣の体を押し上げていく。
「ぉ゛お゛~~……ッ♡♡♡」
「ナカすご……♡うねって吸い付いてくる……♡」
押し殺したため息をつきながら言った喜勇の言葉通り、チンポを咥え込んだ腸壁はみっちりと竿を包みこんでいる。惇嗣の全身が引き攣るたび、狭まって蠕動する。ザーメンとローションで滑りを帯びた内壁は、チンポを扱くだけの肉筒となっていた。
「ぉ゛ッ♡♡やば♡きもちぃ……ッ♡」
「俺も♡」
「んぅ゛♡ん゛、っん゛ぅう゛…ッ♡♡♡」
食らいつくようにキスされ、舌を絡め合う。粘膜同士が絡む甘い感覚に、腹の奥が絞られるように疼いた。そこをチンポで擦られる快感に低く唸る惇嗣は、雄に全身を征服される陶酔感を浴びながらメスイキを繰り返した。自分より強く大きな雄に体抱き竦められ、ろくに身動きもできないまま絶頂に押し上げられる。それを享受するしかない惇嗣のチンポは、二人の腹の間に挟まれてだらしなく精液を漏らした。
「惇嗣、動いていい?♡」
熱っぽく囁かれて、頷く以外に選択肢はない。喜勇は少し体を起こして、腰に巻きつく惇嗣の足を解く。折りたたむように胸の方へ押し付け、上向いた尻の上に伸し掛かって惇嗣の頭の横に手をつく。胸に押し付けられた膝裏に手を入れて引き寄せた惇嗣は、喜勇だけが動きやすい尻を差し出すような体位に興奮して媚びた声を上げた。
「喜勇の好きにして♡喜勇のチンポでメスにして♡」
自分と同じく興奮に満ちた顔で見下ろしてくる喜勇に強請ると、分かりやすく生唾を飲み込む。ぐぐ♡と体内のチンポが大きく硬くなったのを感じて、こんなことをするのは一度や二度ではないのに、毎回如実に反応してくれるのが嬉しくなる。
「惇嗣……」
「あ♡」
低い声で名前を呼んだ喜勇の熱い手が惇嗣の手を掴んで指を絡め、頭の上へ押し付ける。もうこれで、伸し掛かってくる喜勇に抵抗する術は奪われた。身を捩っても体重差で抑え込まれ、押し退けようとしても手は封じられている。ただ喜勇の激情を受け止めるしかない。そう思っただけで、惇嗣の全身が陶酔感で満たされる。自分を求める強い雄に拘束されただけで、メスイキしそうだった。
「俺さっき出したから、時間かかる」
「あ゛……♡」
「わかってると思うけど、俺、遅いし……我慢するからもっとかかる」
「う゛……♡」
「俺が出すまでやめないから……」
これまでの経験で、惇嗣がどんな風に興奮を得ているのか熟知している喜勇が言葉だけで煽る。言葉が脳に沁み込むにつれて、惇嗣は期待に身を竦め甘えた目で喜勇を見上げて頷いた。期待を表すように腹の奥まで咥え込んだチンポを、媚肉が締め付けて扱く。
「ッお゛……♡♡んあぁあ゛あぁ……♡♡」
喜勇がゆっくりと腰を引く。じゅぷ♡と身体の奥で結腸の弁から亀頭が抜ける音がするような気さえした。腰が抜けるような快感が全身を痺れさせ、惇嗣の喉から甘ったれた鳴き声がこぼれ落ちる。
「ぁお゛ッッ……♡♡っ♡あ゛ッ、あぁ……♡♡あ゛っ♡♡お♡お゛♡お゛♡♡ッぉお゛お゛♡♡♡」
亀頭が抜ける直前で止まったチンポは、また内壁を押し広げて奥へと突き入れられる。緩やかなピストンから次第に容赦なく腰を使い始めた喜勇に突かれると腹奥から声が漏れる。
「ぁ゛ッ♡お゛ッ♡♡お゛ッ♡♡お゛♡」
体が喜勇に馴染んでいるのがわかる。どんなふうに動かれても気持ちよくておかしくなる。完全に快楽を享受するだけの存在になり果てているのが自分でわかってしまう。
「ぃい゛♡いい゛♡ッちんぽ♡♡いぃ゛♡♡♡」
「あ゛ー……きもちぃ……ッ♡」
射精するためだけの玩具にされて、被虐心がゾクゾクと惇嗣の全身を駆け抜けた。メスイキを繰り返して敏感になった内壁は、ゴツゴツした竿に引っ掛かれて抉られるのも嬉しくて堪らない。ぐちゅ♡ごちゅ♡と湿った淫靡な音が寝室に響く。互いの荒い息遣いも入り混じり、室内は熱を孕んで濃密になっている。
「あ゛ッ♡♡きゆ♡いぐ♡♡またいく♡いくぅ゛う゛ッッ♡♡♡♡」
尻に喜勇の重たい玉袋を感じるほど深くまで押し付けられ、惇嗣のチンポが押し出されるように透明の液体を漏らす。ガクガクと全身が痙攣し、そのたびに結合部から泡立ったローションがこぼれて尻を伝い落ちていく。
「ぁ゛♡あ♡ぉ゛おッ♡♡おぐッおぐ♡♡♡きゆう♡きゆぅのちんぽッ♡♡おぐッきてぅ……♡♡♡」
「っは……惇嗣♡♡♡好き♡……っ♡♡♡」
ごぷっ♡ごぽっ♡と激しいピストンに結腸が緩んで亀頭を受け入れた。喜勇が腰を引くと、カリ首で弁を弾かれる。快感が強すぎて死にそうだと思うのに、メスイキした体はどこを擦られてもさらなる気持ちよさを拾う。
「はッ♡♡ぁ゛あ゛ッ♡あ゛ッ♡♡♡きゆ♡♡きゆぅ♡♡♡♡」
上から打ち下ろされ杭打ちのような抽挿が続く。身動きの取れないまま奥を何度も叩かれ、内臓を掻き回される。ただ突かれているだけなのに、脳が痺れて壊れていく。全身で支配される心地よさに、メスイキが止まらない。
「ぉ゛ッ!?ぉ゛お゛ッ♡♡っぐぅ゛う゛……♡」
不意に喜勇の腰の動きが僅かに変わった。一層深く押し付けられ、腹の奥まで抉られる。先端が捩じ込むように嵌った先で、さらにぐり♡ぐり♡と結腸弁を穿られた。苦しさと快感に喜勇の手を握り締めると、同じ強さで握り返される。
「ッぁ゛♡♡ぁ゛ひ♡ひ、♡ぉ゛~~……ッ♡♡♡♡」
喜勇に捕らえられたまま、ひたすらに嬲られる。腰の奥が溶けてなくなってしまいそうだと思うのに、躾けられた肉壁はチンポに阿って愛撫する。痙攣が止まらない。チカチカと目の前が明滅する。体の一番奥をチンポで突かれる大きな快感は身に余る程なのに、喜勇にとってはただの一休みであったらしい。深く長く息を吐き出した後、乱暴に腰が引かれ叩きつけられたかと思ったらベッドが軋むほどの激しいピストンが始まった。
「ッあ゛!ッぉ゛!♡ッぅ゛うう゛♡♡あ゛ッあ゛!♡ぉお゛お゛ッ!!♡♡」
「惇嗣……ッ♡惇嗣……♡♡♡」
泣きじゃくりながら喘ぐ惇嗣を貪るように攻め立てる喜勇は、譫言のように惇嗣の名前を呼び続ける。自分の上で息を荒げ全身を波打たせながら快感を貪る姿をに、惇嗣の興奮は留まるところを知らない。大きな体に組み敷かれて支配され、雄の好き勝手に全身を犯されている。
「お゛ッ♡お゛ぉ゛ッ♡ぉ゛ん゛っ♡ぅ゛う゛……っ!!!♡♡」
体の奥から込みあがる雌の快楽が惇嗣の体をめぐって、爪の先まで痺れさせる。自分の体で必死になって腰を振る喜勇に、愛しさと優越感が胸を満たしていく。
「お゛ッ♡♡い、ッ♡♡っぐ♡イ゛グ……♡♡い゛っ♡♡ッぐ……ん゛ッ、ぅ゛う゛ぅう゛……!!!♡♡♡」
「ぅ゛あ゛……♡すっごぃ締まる……♡」
雄の激情に揉まれながらメスイキした惇嗣は、束の間絶頂感と多幸感に呆けたが止まらない律動に全身を引き攣らせる。メスイキして締め付けてくる内壁を押し退けて擦り上げてくるチンポから齎される新たな快感は、絶頂の只中にいる惇嗣には強すぎた。
「まっ、ぁ゛あ゛ッ♡ぅ、きゆ♡きゆぅ、待って、ぇ♡ぉ゛ぐッ♡やっ、め♡」
「はぁ……!♡」
「イ゛っでる゛がら゛ぁ゛♡止まって♡ぉ゛う゛ッ♡う゛ッ♡ぅう゛っ♡」
「やめないっつったじゃん……♡」
抑え込まれた足で喜勇から身を離そうとしても、体重をかけて封じられより深くを突かれる。どちゅ♡どちゅ♡と結腸口で亀頭を扱きながら、興奮が極まったように浮ついた声で言われキスで唇を塞がれた。
「んぐっ♡ぅ゛、ふっぅ゛♡♡ぅ゛♡う゛♡ッ♡」
口内を嘗め回され舌を絡めている間は活塞は弱まったものの、腰を押し付けて腹の奥を捏ねるように抉ってくる。その度に惇嗣のチンポから潮が吹きあがり、お互いの腹を濡らしていく。
「んは、潮吹いてる♡かわい♡」
「ん゛ぁッ!♡あ゛♡あ゛♡ま゛だぐる゛♡ぅ゛、ぐ♡ぃ゛、ぐッ♡ぃ♡ぁ゛あ゛ぁあ゛あ゛……ッ!!♡♡♡♡」
つま先をぎゅうと丸めて全身を引き攣らせて連続でメスイキを極める惇嗣を、自分だけの雌を、喜勇が食い入るように見下ろしていた。ドロドロに蕩けた思考の中で目が合って、己の性欲と支配欲とに満ちた視線に絡め取られて惇嗣の中の雌が歓喜に戦慄く。
「ッんぅ゛♡あ゛っあ゛♡ぉお゛ッ♡♡あぁあ゛あ゛ッ♡♡♡」
メスイキしているのに止められないピストンに、太腿や尻がじんじんと痺れるように痛むのに、それさえ快感に上書きされた。いつの間にか解かれた手で喜勇の腕を掴んでも、力が入らず引き剥がすことができない。無意識に掻くように爪を立てると、喜勇が目を細めて笑うのが見えた。
「かわい♡」
愛しさの滲んだ声と共に、全身に熱く湿った体が覆いかぶさってくる。逃げようとしていたはずなのに、喜勇をその身に迎え入れるように抱き着いてしまった。肌同士がぴったりとくっついて、汗でべたつくのに厭うどころか安心感で体の奥が潤っていく気がする。
「っは、ぁぐ……ぅ♡」
背中に腕を回した喜勇に引かれるまま身を起こして、繋がったまま体位が変わる。喜勇の太腿の上に乗せられ、ただでさえ奥まで押し込まれていたチンポの角度が変わって媚肉を甘く深く苛む。
「っお゛……♡♡」
「全部入ってるな……♡」
尻を大きな掌で揉みながら呟かれ、惇嗣の体の奥がきゅう♡と反応する。
根元までずっぷり呑み込んだチンポの大きさが規格外であることはお互い承知していた。持ち主である喜勇は特にそうで、精神的にも物理的にも相手に受け入れてもらえず拒否されるという経験をしている。大きければいいってもんじゃないを誰よりも実感していた。
「ぅん♡きゆのデカチンポここまで入ってる……♡」
だから惇嗣が彼のチンポを嬉々として全部呑み込むことに、喜勇なりの悦びがあるようだった。惇嗣が指し示す臍のすぐ下のあたりを見下ろして、熱っぽいため息をついている。ぐ、と心なしか体内のチンポがより硬くなった気さえした。
「っはぁ♡♡惇嗣♡惇嗣、好き♡」
「あ゛♡お゛ッ♡♡ん゛ぅ~~……ッ!♡♡♡」
尻を揉んでいた手が後頭部を包み込み、引き寄せられたと思ったら唇が重なる。キスをしたままの喜勇が体を揺すって、肉壁が抉られる。先程までの突き上げとはまた違う緩やかな刺激だが、メスイキを繰り返した惇嗣には堪らない快感だった。
「んぅ゛ッ♡ぁ゛、ぅ゛う゛♡う゛♡」
逃げられる自分が優位な体位であるはずなのに、惇嗣はキスに応えて舌を差し出しながら腰をくねらせる。トロトロに溶けた腸壁で喜勇のチンポを扱き、堪え切れずに締め上げる肉を押し退けられて尻を震わせた。
「きゆ♡ぁ゛ッ♡ぅ゛う♡あぁ゛あ゛……ッ♡♡」
「惇嗣♡……ッ♡」
首筋に顔を埋める喜勇の頭を掻き抱きながら、揺すられるリズムに合わせて腰を振る。ぱちゅッ♡ばちゅん♡と肌の打ち合う音が響き、泡立ったローションや腸液が立てる音が続く。腹の中をみちみちとチンポで満たされ、腰の奥からとめどなく湧き上がる快感が体中を満たしていく。
「ぉ゛ッ♡きゅっ♡ぅ゛う゛ッ♡♡ッう゛う゛……~~ッ♡♡♡」
「きもちぃ……ッ♡」
抱き着いて密着しているからか、喜勇の声を体から直接受けて耳で拾う。自分の動きで喜勇が快楽を得るのは、自分の中にある雄の部分が刺激される感覚があった。けれども己が求めるのは雌として彼を悦ばせることで。倒錯的な高揚感が惇嗣の動きをエスカレートさせていく。ただ自分だけが気持ちよくなるだけではなく、喜勇も気持ちよくなって欲しかった。
「ッ、んん゛……ッ♡♡っ♡は、ぅ゛♡」
「あ゛~……キツくてぬるぬるして……ッ♡」
肉厚の亀頭を奥の弁で扱くように腰を回し、ぐぽ♡ぐぽ♡と結腸に嵌めながら体を上下させる。括れで襞を弾き、雁首を埋めて竿全体に肉が絡みつく。自分の尻の肉が喜勇の太腿に打ち付けられて、尻穴から立つ水音も相まって音だけで興奮を煽った。
「ん゛ぉ゛ッ♡♡お゛♡ぐ♡けっちょ♡ぉ゛……お゛ぐッ!!!♡♡♡」
「ナカとろとろでめっちゃきもちい……♡」
「ッん゛♡ぅう゛ッ!♡ッあ♡っあ♡あッぁ……!♡」
「ぅ゛♡惇嗣♡♡」
ドMな惇嗣にとって、雄に蹂躙されるセックスが最も興奮する。けれど、こうやって自分の動きで好きな男が快楽に呻くのはまた違った高揚感を与えてくれる。雄として、雌として、欲しがってくれるのが嬉しい。
「ッここ♡ぉお゛ッ♡っぐ♡ぅ゛♡♡」
「っは、ぁ♡……いいとこ当たってる……?♡」
「ッん゛♡ここッ♡当たって、る♡ぅあっあ゛♡あ゛♡あ♡」
夢中になって腰を振る惇嗣を下から眺める喜勇の眼差しは雄そのものなのに、そこに愛情が滲んでいる。彼に欲しがられて抱かれているのだという確信が、惇嗣の体を芯から溶かしていく。とん♡とん♡と結腸を亀頭で撫でて、ぐりゅっ♡と押し付けながら体重を乗せて沈み込む。いつも喜勇に可愛がられているその弁にチンポを擦り付けるための動きを夢中になって繰り返す。
「ぁ゛ッ!♡ぃぐッ♡っぐぅ♡……ぉお゛ぉお゛……ッ!!♡♡♡♡」
奥の奥までチンポで満たされ、惇嗣は喜勇に縋りながら絶頂する。強張らせた全身をブルブルと震わせ、腹の底から本気のイキ声を迸らせながらもどん欲に快楽を貪ろうと腰を押し付けながら揺らした。
「ぁは……♡は、ぁ゛♡あ゛ぅ……♡きゆ♡すき♡」
「俺も、すき♡全然腰止まんないじゃん……♡」
メスイキしたのに、惇嗣は喜勇の大柄な体にしがみついたまま、へこへこ♡へこへこ♡と腰を振っては腸壁でチンポを扱く。絶頂を長引かせるような動きに煽られてか、突然喜勇が腰を思い切り突き上げてきた。急激な動きに、惇嗣の視界が白飛びする。反射的に引こうとした腰は、力任せに引き寄せられてバチュン♡とさっきまで惇嗣にされるがままだったのが嘘みたいな強さで一番奥を亀頭で殴りつけられた。
「ぉ、ッほぉ……ッ!!!♡♡お゛♡♡おッ♡♡ぉ゛~~~……ッ!!♡♡♡」
「俺もッ……出そうッ♡惇嗣イきそ……ッ♡」
「ん゛あぁ゛あ゛……!!」
突然の衝撃と快感に翻弄されて、全身の力を振り絞って喜勇の首に縋りつき、必死でしがみつく。それでも止まらない律動が、絶頂をより強烈なものに変えていく。目の前で火花が散って、全身が跳ねて痙攣した。肉壁が戦慄いてチンポを締め上げると、内壁を削りながら奥を抉る。その動きは、喜勇自身の射精欲求を煽るものだった。
「ぉお゛ッ♡♡お゛ッ♡♡ぅ゛う゛ッ!!♡♡♡」
「っ……ッ!!♡」
喜勇のチンポを搾り上げる動きに促されるように、喜勇のチンポからザーメンがぶちまけられる。体内に射精されたことに気が付いて、惇嗣の全身にゾワゾワとした愉悦が駆け巡った。ぎゅううぅ♡と抱き締められて身動きもできずに、注ぎ込まれるザーメンを受け止める。
「あ゛ー……お゛♡ぉ゛♡出てぅ♡」
射精しながらも腰を揺すって最後の一滴まで出し切ろうとする喜勇に、惇嗣の肉壁はメスイキによる痙攣と収縮を繰り返しながら悦んだ。ドクドクと脈打つチンポを締め付けながら、喜勇のザーメンを塗り付けられる快感に震える。
「ぁは♡ぁ゛♡あ……♡」
絶頂の余韻に浸りながら、惇嗣は喜勇の耳元で喘いだ。余韻の中にあるのは、充足感と満足感。久しぶりに会えた好きな男と、繋がって抱き合って、一緒に絶頂できた。その幸福に、自然と顔が綻んでいく。
だが、腹の奥にはまだ硬いままのものが鎮座していた。腰を掴む手も、尻を撫でる手も、体に回されている腕も。未だに欲望を滾らせたまま惇嗣にまとわりついている。
「ん、ッ♡ぅう゛……♡」
ゆっくりと体を倒して惇嗣を寝かせた喜勇が、チンポを引き抜いていく。ずるぅ♡と未だ硬度と質量を保ったままのチンポが腸壁を擦って抜けていく感覚に半開きのまま呆けている惇嗣の唇から媚びた声がこぼれた。
「惇嗣……♡まだ足りない♡」
顔を寄せてくる喜勇の言葉に、惇嗣は小さく頷く。伸ばした手は未だ熱く火照っていた。
「おれも♡」
***
「っ完全にやりすぎた……」
「なー……、俺腰痛い……」
枯れた声、あちこち痛む体。
最後の気力を振り絞って風呂に入り、防水パッドやシーツをベッドから剥がしたところで体力が切れ、二人ともベッドに倒れ込んだ。会話もできずに昏々と眠って、気が付いたら次の日の夕方近くだった。
「飯……」
「何か残ってる?」
「昨日の残り」
「いい、いい。それ食おう」
腰を摩りながら起き上がった喜勇が、冷蔵庫へ向かう。それを惇嗣はベッドに転がったまま眺めるだけだ。惇嗣の方は腰だけじゃない、関節も喉も痛い。
触れ合う肌がないだけであんなに性欲が減退し、触れ合う肌があるだけであんなに盛り上がるとは思わなかった。さすがに盛り上がり過ぎでは、とは思うが、気持ち良かったのも満足したのもお互い様だ。文句を言うつもりはない。
「惇嗣、米炊く?」
「残ってる」
「おー、優秀」
「なあ喜勇、一緒に住む?」
てきぱきと食事の準備をしている喜勇の後姿をベッドの上から眺めていた惇嗣は、ふと口からこぼれ落ちた言葉に自分で驚いた。それほど広くないワンルームの部屋で、しっかり聞き取った喜勇も目を丸くして惇嗣を見ている。
「あ……いや、その、もうちょっと金溜まってから、溜まってからだけど……」
「うん……」
「ほら、今回みたいに忙しくなってもさ、一緒に住んでりゃちょっとはほら、マシだし」
もにょもにょと言い訳のようなことを言ってる自覚はある。だって、こっちを見ている喜勇の顔がだんだんと喜色に染まっているのが如実にわかるからだ。そんなにあからさまに喜ばれると、こちらも嬉しい反面妙に恥ずかしい。
「引っ越し先、探そ」
「……うん」
全身で嬉しいと出ているのに、喜勇ははにかんでそう言うだけだった。だから惇嗣も、頷くしかできなかった。
チン、と温まった昨日の総菜が良い匂いを漂わせている。
END
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