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第10話 禁欲解禁、温泉でのマナーは守れ!

 ベッドと違って、布団に横たわったバルドの上に乗っても、ギシリと音はならない。  代わりにスッスッと衣擦れの音がする。  バルドを脱がせば、逞しい筋肉に舌なめずりする。  さっき勝手に達したせいで、バルドの下半身はベトベトだが、特に気にせず蓮は自分も裸になった。もう散々キスは繰り返し、互いの熱は高まっていた。 「バルド……今日は我慢なしでいいか?」 「あぁ……蓮の好きなように動いてくれ」  バルドの腕を庇うために、蓮が上で、バルドに跨っている。  久しぶりに体を合わせる、興奮がおさまらなくて、さっきから息が苦しい。  高まりきった興奮は、早く最深部に刺激を欲しがっていた。 「挿れる……」 「大丈夫か?無理するな……?」  さっきまで抱きついただけで達していた奴が、スパダリ風に気を遣ってくる。  早く黙らせたくて、蓮は腰を落とした。 「んんっ!」 「蓮……」    使える左手で、バルドは蓮の勃ち上がっている自身を刺激する。  身を捩りつつ、圧迫感を逃した蓮は、バルドを全て飲み込んですぐさま動き出した。  自分が一番感じる最深部に届くように腰を落とす。  何度も角度を変え、快感の芯を探る。 「あぅっ、蓮!あぁっ……」  バルドの声がさらに興奮を煽る。まるで自分がバルドの中を蹂躙しているみたいだった。  しかし、刺激が足りない。  腰は落としているのに届いていないのだ。 「んんっ……バルド……足りない……ぁ……もっと……欲しい……」  蓮の悲痛な叫びに、バルド自身が大きく震えた。  その大きさを中で感じた蓮はブルリと体を震わせて、来るだろう衝撃に期待する。  ーバチュンー  一度聞こえたら間髪入れずに何度も水音が聞こえた。下から強い衝撃が来て、ようやく蓮が求めていた快感が駆け巡る。 「あぁぁっ……気持ち、良い……あはぁっ……ぅんっ……」  蓮はバルドの上でぐわんぐわんと体を揺らしながら突き上げられる快感に酔い、何度も欲を吐き出した。  シーツは予想した通り乳白色に染まった。  チョロチョロと流れる温泉の音に、じんわりと暖かい湯の温度に、疲れきった体は溶かされていった。  理由は言わなくてもわかるだろ。  蓮は至極満足だった。  露天の湯船の石壁に体を預けて、軽く空を見上げているバルド。  蓮と同じく欲求不満が解消されている。  蓮は、能天気に口を開けているバルドに近づく。  湯船の底が見えないから、足でバルドの足の位置を確認すると、バルドの体を背もたれにするように座った。 「温泉、最高だな」 「だな。腕は?痛むか?」 「いや。温泉の効果かもしれない」 「だったら、もっと前からヤッとくんだったな」  バルドの腕が悪化しないようにと禁欲をしていた期間を思い出し、蓮は苦笑した。 「いや、あれがあったからあんなに気持ちよかったのかもしれない」 「だからってもう禁欲はしないぞ。毎回漏らされたら困る」 「も、漏らして無いだろ」  蓮は、さっき脱がしたバルドのパンツを思い出す。 「あれはお漏らしだろ」 「……ぅ……我慢できなかったんだ……」 「それがお漏らしだ」  もうすぐ三十にもなるという男にこんなセリフを言うとは思わなかったが、それも可愛いとすら思ってしまうのだからだいぶヤバいなと蓮はバルドに体重をかけた。 「蓮……体辛くなかったか?」 「何回聞くんだよ」  体に左手を回され、ぎゅっと後ろから抱きしめられる。  首筋にはバルドの顔が埋まり、スンスンと匂いを嗅がれている。  なんとなく尻に当たるものに形が出てきた気がして蓮は身を捩った。 「体は大丈夫だ。もうできないけどな」 「ふぅ~ん」 「変な声で鳴くな」  そっと蓮は体を離すと、バルドの右腕を掴んだ。 「痛いか?」 「いや」 「マッサージしてやるよ。温めてからの方がいいらしいからな」 「舐めるのか?」 「舐めるとマッサージになるって迷信だぞ」 「そんなことない。師匠は何度も俺の体を治してくれた」 「あーそう」  きっとそう思い込ませたんだろうな。 (いや、舐める方がどうなんだよ!)  ノーティスへのツッコミを心の中でしながら、蓮はバルドの腕を揉む。 「んっ……んんっ……」 「痛みが強いなら言ってくれ」 「だい、じょうぶ……だ……」  グッと肘を伸ばしてやれば、眉間に皺を寄せながらを耐えている。固まるのは良くないと医者は言っていたが、急には動かすなとも言っていた。 (痛みがあるなら、優しく揉んでやるか)  バルドの腕が治らない限り、蓮の仕事もない。  それ以上に、ベッドが不便だ。  蓮は優しく優しくバルドの腕を揉んでやる。  バルドは浅く呼吸をしながら、その刺激に耐えていた。 「バルド?痛いか?」 「い……たくは、ない……」 「じゃあ、どうした?」 「ふぅ……ふぅ……蓮……堪らない……」 「はぁ?」  バルドの表情は美味しい顔になっていく。 「おい、温泉の中に出すなよ?ていうか、こんな刺激でイくのか?」 「ま、まだイってない!イキそうなだけ……」 「出ろ!温泉を汚すな!」 「ふぅ~ん……」 「変な声で鳴くな!」 (普通のマッサージで感じるってどんな体だよ!)  温泉の香りがついたまま、蓮とバルドは二回戦目へと布団に向かって行った。  旅はまだまだ先が長いが、この温泉旅館からはなかなか出られないかもしれない。 外伝「新婚旅行?ワイナリーと温泉編」 完 ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ 次回からは、外伝「変態コンロ職人から伯爵家へご挨拶、蓮の心の傷編」に入ります。

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