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十二月③・同じ温かい色
発電機を切り、再び真っ暗になった森を、身体を寄せ合って帰路につく。
部屋に着くなり、敦貴にベッドに押し倒された。
私も早く敦貴が欲しいと思い、彼の首に手を回し自ら唇を重ねる。
キスをしながら互いの服を脱がし合った。
体勢的に無理が生じて、唇が離れるけれど、また直ぐに顔を近づけ唇をむさぼる。
余りにも必死な自分たちを可笑しく思い、何年振りかに声をあげて笑ってしまった。
「なに?」と、つられて敦貴も笑い出す。
裸になり、改めて「せんせ、しよ?」と言われた。
頷いて眼鏡を外し、手を取り合ってベッドに入る。
抱きしめられれば、互いの肌が触れ合い、それだけでもう、幸せなクリスマスだと感じられた。
平らな胸を撫でられ、小さな突起を口に含まれる。舌で転がされればプクリと充血し、ピンク色の豆粒のように膨らんで、より感度が高まる。
このままでは、胸だけで達してしまうと怯え、掛け布団の中に潜り込み、敦貴の下腹部をパクッと咥えた。
驚いた敦貴は「んっ」と声を洩らしたが、すぐに身体の力を抜き、身を任せるように彼自身に顔を埋める私の髪を撫でてきた。
拙い知識で彼に快楽を与えようと、工夫を凝らす。
敦貴が零す官能的な吐息に、何も触っていない私のものが、透明な雫をダラダラと垂らした。
「あぁ、すげぇ気持ちいい。でも先生、交代。早く先生の中、挿れたい……」
私が我慢できなくなったのを見透かしたように、敦貴は勝手知ったるベッドサイドの引き出しから潤滑ジェルを取り出す。
ジェルを纏った指がゆっくりと私の中に侵入してくる。
すぐにジェルが溶け、はしたない水音を立てた。
この教諭と職員の宿泊棟に、今夜は私と敦貴以外誰も居ないと思うと、より大胆に悶えてしまう。
指だけで既に気持ちがよくて、堪らなくよくて、腰が蠢く。
しかしすぐに物足りなくなって、もっと苛烈なものを欲してしまう。
「もう、もう、挿れて。早く、ねぇ、あつきっ、欲しい」
「そんな顔、ずるいよ、先生」
私は今、どんな顔をしているのだろう。
蕩けきって、だらしの無いイヤらしい顔だ。
だからそんなに見つめないで欲しい。
「せんせ、かわいい」
敦貴に膝裏を持ち上げられ、恥ずかしい体勢にされる。
照れている暇もなく彼の張り詰めたものが、体重を掛け一息に入り込んできた。
最奥まで敦貴でいっぱいになって苦しい。
それでも身体の奥底から、ジクジクと甘い痺れが湧き上がってくる。
「あっ、あっ、んぁ」
敦貴がゆっくりと腰を動かし始めれば、指先にまで快感が走り抜ける。
「いい、いい、あつき、あつきっ。あっ、んぁっ……。すごい、あっいい」
敦貴の背中に爪を立て、強すぎる快楽に耐えるかのようにしがみつく。
いい、とてもとても。
もっと、もっと。
もっと先の感覚を知りたくて、敦貴の名前を連呼し続け、貪欲にもっと激しく奥を突いて欲しいと求めていく。
「あっ、あっ、ダメ、もう、もう、イヤ、あっ」
「せんせ、せんせ、俺、もう、で、でそう」
腰使いが激しくなり、余裕のない敦貴の表情が恐ろしく艶っぽい。
「わ、わたしも、あっ、でっ、でるっ」
頭の中に閃光が走り、長い長い絶頂を感じた。
自分の中がうねって、敦貴の全て搾りとるかのように、キツく締めあげている。
「せんせっ」
敦貴がふーと大きく息をついて、チュッとキスをし抱きしめてくれた。
私の腹の中は、まだまだ気持ちよさが持続している。
「せんせ、もう一回。いい?」
コクリと頷き、私からも抱きしめ返した。
—
「先生、ねぇ先生」
敦貴に身体を揺らされ目を覚ます。
壁の掛け時計を見上げれば、もう真夜中だ。
二人とも裸のまま寝てしまったようで「クシュン」とクシャミが出た。
「メリークリスマス。腹が減ったよ、先生」
「メリークリスマス。私もお腹が空きました」
洋服を着て、わざわざ温室のガーデンテーブルに移動し、骨付きチキンやサンドイッチ、そしてケーキを並べる。
椅子は一脚しかなかったので、敦貴がどこからかパイプ椅子を調達してきた。
炭酸飲料で乾杯をし、敦貴の男子高校生らしい食べっぷりに感心しながら、私も負けずによく食べた。
翌朝早くから、二人で見頃直前のダリアを選んで摘んだ。
依頼人である団体の、幌をつけた軽トラックが九時に学園にやってきて、百本以上のダリアを無事に手渡した。
その車には三十代の男性と、敦貴と同じ年くらいの少年が乗っていた。
「ここ、何か来たことある気がする。いや、そんなわけないよなぁ」
少年はそう言って、キョロキョロと学園を見渡していた。
三十代の男性が「おっ、ようやく能力が開花しそうか?」と揶揄う。
彼らの団体も九回目の者たちが集まるコミュニティだ。
もしかしたら、彼が光夜の生まれ変わりなのかもしれない……。
そんな可能性に思い当たったが、互いにそれを確かめる術などないのだ。
ただ彼に触れてみたくて「肩にゴミが」などと適当なことを言って、そっと触った。
残念ながら、何か運命的なことを感じたりはしなかった。
納品書を私の部屋まで取りに行ってくれていた敦貴が戻る。
軽トラックの前で、敦貴とその少年が並ぶと、二人が同じ暖かい色に発光して見えた。
あぁ、これは。
久しぶりに縁が見えたのだろう。
二十年前のクリスマスに、迷子の男の子と光夜の縁が見えた以来だ。
敦貴と少年にはどんな縁があったのだろう。
しかし二人が会話をすることはなく、彼らは車に乗り込む。
私たちは手を振って軽トラックを見送った。
昼前に敦貴を最寄り駅まで送り届ける。
「ねぇ。先生が、圭吾が好きだよ。敦貴としてさ、好きなんだよ」
降りる直前にそう言われ、返事を返す前にバタンとドアが閉められた。
駅の階段を駆け上がる姿を車から眺め、私もいつの間にか敦貴のことを好きになっていたのかもしれない、と気がついた。
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