1 / 2

第1話

四本王1話 妖怪の国【妖全華】 第一話キャラクター紹介 https://fujossy.jp/fanarts/8135 https://fujossy.jp/fanarts/8136 これは、ち●こを四本 持つ王様が童貞を卒業するまでの物語…! 空に浮かぶ黄金の雲。 輝く黄金の噴水。 国中に撒かれた黄金の金貨。 この国は豊かだ。 あちこちに緑が繁り、果物が実る。 気候は暖かく、道を行く人の衣服は薄いものや透けているものが目立つ。 付けている布の清潔さは、この国の暮らしの質の良さを物語っている。 光る金や銀のようなアクセサリーをつけているのは、魔法の国や東洋の国を彷彿とさせる。 そして国の中心にあるのは、存在感を放つ紅白の薔薇宮殿。 とはいえこの国の「人」とは人間ではない。 彼らを形容するならば、おそらく「妖怪」と言う言葉が最も近しいだろう。 彼らは姿は人に似ているが、各々が妖怪のような身体的特徴や力を持ち、その技能を活かして生活している。 ある人には角や鱗がある。飛行能力があり、荷物や人を運搬をしている。その姿は龍を彷彿とさせる。 ある人には頭に皿がついていて、水を操る。 掌から水を出すことが出来、国に水を供給している。その姿は河童を彷彿とさせる。 ある人は氷を操る。掌から冷気を出し、氷を売ることを生業としている。その姿は雪女を彷彿とさせる。 人間の世界から、遠く、遠く離れたある場所にある国。妖怪たちが暮らす、全てがある華やかなこの国は「妖全華(よすは)」と呼ばれていた。 建国は千年ほど前。この国は、紅白の薔薇宮殿に住む酒呑童子の一族が王族として治めている。王族は緋色の髪を持ち、頭の角の数がその強さを示す。建国した初代王は、頭に四本の角を持ち莫大な力を持っていたと伝えられている。 それから千年余り、三十代以上の王がこの地を納めたが、四本角は現れなかった。しかし今より二十年前、四本の角を持った者がこの世に産まれた。現国王、第三十三代目国王の薔鬼(しょうき)王である。 彼は四本角であることから幼少より才能があり若くして国王に即位した。明るい人格者でカリスマ性があり、一目見たら忘れられぬ程に整った顔立ちをしていた。その笑顔は太陽のようであり、よく笑う彼は国民に愛されていた。 そんな王は、薔薇宮殿の王座で側近である近衛妖兵総大将の百又(ゆまた)と何やら話をしているようだ。 彼女は猫又の妖怪で、建国期から生きていると噂されている。女性でありながら数え切れぬ実績を持つ歴戦の戦士だ。翡翠の装束と銀色の鎧、そして緋色の外套を身につけている。 彼女が羽織っている緋色の外套は王家の信頼を表す色であり、羽織ることを許されるのは総大将ただ一人だけである。 国の二大権威者とも言える彼らは何を話しているのだろうか。 「百又(ゆまた)、例のものは持って来たか?」 「はい、こちらですにゃ。」 百又(ゆまた)が取り出したのは、ある一つの巻物。 「じゃーん!今日発売のイケメン特集念写巻物にゃー!」 「でかした百又(ゆまた)ーーー!早速見せてくれ!ウハーーーー!イケメンを見ると元気が出るな!スンスンスン!良い匂いがする気がするぞ!」 「にゃははー!王はイケメンに目がないにゃー!」 先程の紹介で、王のことをカリスマ性のある人格者と伝えた。確かに王に目立った欠点は無い。しかし、唯一目に余る点があった。 王はイケメンが大好きだったのである! このことを知っているのは王に近い宮殿仕えの臣下たちのみである。そして特にこの趣味へ理解を示しているのが、王に最も近い存在である百又(ゆまた)だ。 「ウハー!イケメンを見ると生き返るな!ありがとう百又(ゆまた)!」 「王、イケメンといえば朗報ですにゃ!今日から宮殿仕えに昇格した新人小隊が挨拶に来るんですが、四人とも王が好きそうなイケメンばっかなんですにゃ!」 「何だと!新たなるイケメンとの出会いとは!神に感謝だ!」 そんな話をしていると、扉を叩く音が聞こえた。 コンコンッ 「失礼します、第百部隊四名です。本日より宮殿仕えに配属され、薔鬼王様へご挨拶に参りました。」 「あ、どうぞー!入ってにゃー!」 百又(ゆまた)の合図で、規律ある足並みで四人が部屋に入ってきた。玉座の王と側の百又に見えるよう横並びになり敬礼の姿勢を取る。 横並びに並んだ四人はそれぞれ、鴉天狗の桜天(さてん)、八岐大蛇の向蛇(むろち)、妖狐の狐紅(こもみ)、雪男の雪椿(せつば)。 四人ともタイプは異なるものの、百又の言う通り顔立ちがとても整っていた。 新人四人に聞こえないように、百又(ゆまた)は王に耳打ちした。 「ね、王!四人とも別系統のイケメンですにゃ!気が強そうな吊り目美形!おっとりムチムチお兄さん!もふもふ脱力系美男子!儚い系の色白美人!」 いつもなら「ウハーーー!大変好みだー!!!」と興奮して答えるであろう王が、真顔で止まっている。 「王?!どうなされましたにゃ?!お腹でも痛いんですかにゃ?!」 「嫁にする」 「にゃ?」 「全員ドンピシャ好みすぎる!!!我の嫁にする!!!」 「にゃ?!ご乱心ですかにゃ?!」 「百又(ゆまた)、我のち●こは四本ある!!!」 「急にどうされましたにゃ?!」 「我が一族の男は、角とち●こが同じ数だけ生えている!」 「その情報、今要りますかにゃ!?」 「まあ聞いてくれ!つまりち●こが多いほど力が強いことになるんだ!我は四本あるから歴代でも相当強い方だろう!」 「はあ、王の実力は存じ上げておりますにゃ...」 「だから我は成るだけ多くの子孫を残すつもりだ、そのために嫁は四人欲しかった!我もこの前成人したし、そろそろ嫁を探さねばと思っていたがピンとくるイケメンが四人も見つからなくてな!」 「王、嫁にするならイケメンが良いって言ってましたもんにゃー!酒呑童子の王族が男でも女でも孕ませられて良かったですね!」 「ところがどうだ!今目の前に好みのイケメンが四人も現れた!これは嫁にするしか無い!」 「あちゃー!ワタシ仕事出来すぎて王の好みにハマりすぎた人事しちゃったってことですかにゃ!」 「その通りだ!有能な部下を持って私は嬉しい!」 「お褒めに預かり光栄ですにゃ!では、四人とも王の花嫁に人事変更しておきますにゃ!」 王と総大将の間で勝手に盛り上がって決まる四人の人事!当たり前だが唐突な展開についていけず固まる新人たち! 少しの間停止し、手を挙げてやっと言葉を発したのは第百部隊隊長である鴉天狗の桜天(さてん)百又(ゆまた)曰く、気が強そうな吊り目美形。 「もしかしてこれは新人への試験ですか?」 「残念!試験とかでは無くて本当だにゃ〜!ワタシは今から各一族へ嫁にくださいご挨拶の書簡作んなきゃいけないから抜けるにゃー!」 「えぇえ?待ってくださいい!ここで総大将抜けちゃうんですかあ?!」 驚きと焦りの声をあげたのは八岐大蛇の向蛇(むろち)百又(ゆまた)曰く、おっとりムチムチお兄さん。相当焦っているようで、頭と尻尾の蛇の頭たちもあたふたしている。 「大丈夫だにゃ!王、君たちの顔大好きみたいだし!」 「うわあ〜大丈夫な気がしないですね〜」 飄々と喋るのは妖狐の狐紅(こもみ)百又(ゆまた)曰く、もふもふ脱力系美男子。ふわあーと欠伸をしながら話す様は、余裕が伺えて自分の人事を話しているようには見えない。それとも、興味があまり無いのかもしれない。 「四人ともほらこっちに来い!我と話そう!」 「ほら!王がお茶の準備してるにゃ!王のところに行った行った!」 百又に指示をされるがまま、新人たちは王の元に向かう。 「あの...薔鬼王様...雑務は我々がやります...」 王に恐る恐る声をかけたのは、雪男の雪椿(せつば)百又(ゆまた)曰く、儚い系の色白美人。雪男と言うだけあって、動くたびに髪から雪の結晶がキラキラと落ちていく。 「そうはいかぬ!妻にばかり家事をさせる夫は駄目だ!夫も家事をやってこそ現代の夫婦だ!」 「私どもは薔鬼(しょうき)王様の奥方様ではありません、貴方様の配下です。」 「うむ、確かにまだ各家に了承を得ていないからな!では我が配下と親睦を深めるために話がしたい!それすら気が乗らないのであれば無理にとは言わぬ!良ければ座ってくれ!」 四人は困った顔で互いの顔を見るが、王の誘いを断ることなど出来ず仕方無く長椅子になっている玉座の王の横に座った。 「ウハーーーー!近くで見ると誠に全員顔が良い!!!眼福だ!!!四人とも急に嫁になれと言われて戸惑っているのはわかる!だから我に一ヶ月の時間をくれ!一ヶ月くれれば我に惚れさせてみせる!万が一惚れなかったら嫁にするのは取り消してそのまま妖兵に戻ってもらって構わない!」 「本当ですか?」 「ああ!我に二言はない!」 「王ー!そろそろ次の公務の時間です!」 桜天(さてん)が王に質問した後、百又(ゆまた)が王を呼びに戻ってきた。 「うむ、仕方ない!この続きは後日話そう!今日はもう妖兵の仕事も無いだろう?このまま薔薇宮殿に泊まって行くと良い!この部屋も自由に使って構わない!今日過ごすためのそれぞれの個室も用意させよう!駆け足ですまないが我はこれで失礼する!」 と口早に言って王は行ってしまった! 王が去った瞬間、向蛇(むろち)は座っていた緋張の長椅子ではしゃぎだす。 「わぁ!見てくださぁい!王族の長椅子!ふっかふかですよぉ!一回座ってみたかったんだあ!」 「こら向蛇(むろち)!はしたないぞ!」 桜天(さてん)は、はしゃぐ向蛇(むろち)を叱りつけた。 「僕たち...どうしたら...いいんでしょう...?王様...本気なんでしょうか?」 「一時の気の迷いとかなんじゃな〜い?多分明日になったら帰れって言われるだろ〜」 状況に心底困る雪椿(せつば)に対して、狐紅(こもみ)は余裕なのかわからないが適当な回答をする。 「そ...そうですよね...」 「ま〜あまりに俺たちの顔が良すぎて王サマもびっくりしたんじゃな〜い?イケメンは罪だね〜!」 「まあ、明日には通常業務に戻るだろう。今日は薔鬼(しょうき)王様の仰る通りにしよう。」 ▼▽▼▽▼▽▼▽ 王の一時の気の迷いと思って本気にしていない四人!しかしこれはBLのお話! 漏れなく四人ともバッチリ王に惚れてお嫁さんになります!!! ▼▽▼▽▼▽▼▽ 結局、四人は案内された客室で一夜を明かした。 次の日、百又(ゆまた)は王が四人と朝食を食べたいと言ったので四人を迎えに来ていた。 四人は百又(ゆまた)が迎えに来るより前に支度を済ませ、部屋の前で待機していた。そのまま一列に並び、百又(ゆまた)に敬礼をする。 「総大将、おはようございます。」 「あらら!もう起きてたにゃ!」 「今日には出ていくよう言われると思いましたので」 「出て行く?何でにゃ?」 「えぇとぼくたち、昨日のは王さまの一時の気の迷いかと思いましてえ」 向蛇(むろち)の一言を聞いて百又(ゆまた)はにゃははは!と笑い出した。 「いやーそりゃそう思うにゃ!でも王は、ああいったタチの悪い嘘は言わないし、あれは本気だから君たちから出て行くことあっても王が出ていけって言うことは無いと思うにゃー!」 「俺たちは勿論王サマのこと知ってたけどさ〜?王サマは昨日初めて知った俺たちにそんなこと言うなんてあるんですか〜?」 「王は毎日毎日何百もの人を見てるにゃ!だから少し見ただけで、もう色々とわかっちゃうみたいなんだにゃー。とはいえあれは歴代の王でも相当人を見る目があるにゃ!で、それは正しくて、結局みんな王のこと好きになっちゃうんだにゃー。多分一ヶ月後はみーんなお嫁さんになってると思うにゃ!」 新人四人からすれば、王も妖兵団総大将である百又(ゆまた)も昨日まで直接口を聞くのも躊躇うくらい雲の上の存在だった。今まで一国民として王の偉大さや誠実さは感じており、一兵士として百又(ゆまた)の強さは身に染みて感じていた。そんな二人に急に自分達を過大評価と言うか予想外の扱いを受けていることは未だ処理しきれない感情として残っており、どう反応するのが正しいのかわからなかった。 「そ、そうですか...」 「さあさあご飯食べに行くにゃー!」 連れてこられたのは、豪華な天吊灯が照らす数百人は入るであろう朝餐の間。既に王は席に座っていた。忙しい身だろうに隙間時間を作って来たのか、巻物に王印をしている様子だったが、こちらに気付くとパアアッ!とした笑顔になり手を招いた。これが太陽のような笑顔...!四人は余りの眩しさに思わず手で顔を覆った。 「おお!よく来てくれた!我の側に座ってくれ!昨日は結局自己紹介すら聞けなかったからな!」 王と百又(ゆまた)に促され、四人は大人しく座った。目の前には何かの祝賀会か?と思ってしまうくらい豪華な朝食が並んでいる。 「美味しそおぉ!これ全部ぼくの分?!全部食べて良いのお?!」 向蛇(むろち)は料理を見た瞬間キラキラと目を輝かせる。頭と尻尾の蛇は本人の感情と連動しているのか、動き回って喜びを表現している。 「そうだ!全部食べて良いぞ!おかわりもどんどんするといい!」 「うわぁい!いただきまぁす!」 もぐもぐもぐ! 「この状況であんなにキラキラとご飯食べられるなんてやっぱりむろちゃんは凄い...!」 雪椿(せつば)雪椿(せつば)で、楽しそうな向蛇(むろち)が見られて嬉しそうだ。 「昨日結局晩御飯食べ損なっちゃったじゃん?お腹空いちゃって空いちゃってぇ!」 「ウハーーーー!可愛いイケメンが美味しそうに食べてる姿は最高だな!ほら!君たちも彼のようにどんどん食べろ!」 「じゃあ失礼して〜いただきます〜」 「いただきます」 「いただきます...」 「食べながらで良いから聞いてくれ!昨日し損なった自己紹介をしたい!我からさせてもらおう!我はこの国の第三十三代目国王、薔鬼(しょうき)だ!歳は今年成人して二十歳!大抵のことは得意だ!苦手なことは特に無い!好きな人は君たち四人だ!では次は君たちの番だ、いっぱい食べて素敵な君から!」 「もぐもぐもぐ!ぼくからですかあ?八岐大蛇一族八男、向蛇(むろち)です!歳は二十三で、食べるのが好きです!すみませえん、おかわりくださあい!」 「いっぱい食べてとてもよろしい!次は隣の雪男の君!」 「ぼ、僕は雪女一族の雪椿(せつば)と申します...。歳は二十二です。」 雪椿(せつば)は内向的な性格なのか、喋り終わると逃げるように隣の向蛇の影に隠れてしまった。向蛇(むろち)は空気が読めて無いようで、「ねえねえせっちゃん!これも美味しいよお!」と呑気に雪椿(せつば)に話しかけている。この二人は互いにあだ名で呼び合うほど仲が良いようだ。 「小さな口で食べている姿が誠に可憐だ!次は鴉天狗の君!」 「私は鴉天狗一族長男、桜天(さてん)と申します。歳は二十四です。」 「桜天(さてん)か!美しい名前だ!食べ方が上品でとても良い!最後は妖狐の君だ!」 「妖狐一族長男、狐紅(こもみ)と申しま〜す。でも姉がいるので末っ子で〜す、歳は二十四で〜す。」 王相手に間延びした緊張感の喋りをしたことを諌めるためか、桜天(さてん)狐紅(こもみ)に注意するような目付きを向ける。狐紅(こもみ)は確実に気付いてはいるが余裕そうに笑みを浮かべて返しただけだった。この二人も何か特別な関係がありそうである。 「狐紅(こもみ)か!聡明な顔をしている!所作が洗練されているな!ウハーーーー四人ともやはり可愛いな!顔を見ると元気が出る!」 「さて、これから一ヶ月を仮の嫁期間としていくつか誓約を決めたい!まずこの一ヶ月は妖兵としての仕事はしないこと。その間は宮殿の王族区内で過ごしてくれ。と言っても王族区内には訓練場、図書館、娯楽場、大浴場、空中庭園もある!どこを使っても構わない!自由にしてくれ!」 「「「「御意」」」」 四人は王の命令への了承を示し、敬礼した。 「うーむ、我は今妖兵に命令したい訳ではないのだが...」 「私どもはまだ貴方様の配下である妖兵です。」 「うむ、わかった!君たちの意思を尊重しよう!一ヶ月後、全員に最終どうするか聞く。勿論その前に嫁になると決めてくれても構わない!決めてくれた者から嫁入りについて宮仕兵から説明する!以上だ、何か質問は?」 雪椿(せつば)桜天(さてん)狐紅(こもみ)の三人は特に無いというそぶりを見せる。しかし、向蛇(むろち)だけ、それまで怒涛の勢いで進めていた食が停止し、焦りの色が見え明らかに目が泳いでいる。 その後はテンション高く話しかける王に対して各々が答えていく、と言う流れで朝食は終了した。食後は自由行動と言うことになったが、 「向蛇(むろち)!」 「はひ!」 急に王に呼び止められ、向蛇は裏返った声で返事をした。 「君は残ってくれ!」 (あーーーーやばあああいい!露骨すぎたあああよねえええ!絶対聞かれるぅ!) 焦る向蛇(むろち)を置いて、他の三人は朝餐の間を後にした。 「やった〜、仕事しなくて良いって〜!何して遊ぶ〜?」 「妖兵の仕事は駄目だが訓練場は使っても良いと言われるんだ。私は訓練をする。」 「僕もそうします...」 「え〜!桜天(さてん)雪椿(せつば)も真面目〜!俺は庭園でだらだら日向ぼっこでもしよ〜っと!」 ▼▽▼▽▼▽▼▽ 次回!まずはむちむちお兄さんから攻略せよ!空のデートで急接近! ▼▽▼▽▼▽▼▽

ともだちにシェアしよう!