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第21話 憑いてる⁈

 月夜見は憑かれやすい。出雲にいる時からよく動物の生き霊に憑かれていた。 「あーあ、俺は猫がいいんだけどな。」  首を狐に絞められた。 「ぐふっ、やめてよ。君は誰?」  何か聞こえるらしくて耳元に手をやる。 こっちには何も聞こえない。 「ふんふん、狐さんか。」  狐はお茶を淹れてくれた。 「へぇ、あそこの稲荷さんか。 俺たちについてきたって?」 「なんだよ,連れて来ちゃったのかよ。」  お茶を飲みながら聞こえてきた声に、摩利彦が話している。 「あのお稲荷さんには、恋愛相談に来る人が多くて,いつも話を聞いてるんだって。」 「へえ、いいね。色っぽい話か?  高校生とか相談に来るの?」  狐は艶めかしくしなだれ掛かってきた。 「これは、調子こいてこの狐に手を出すと  祟られるパターンだな。  お山でもお地蔵さんに手ぇ出すと  ひどい目にあったっけ。」 「地蔵に手ぇ出したって、  おまえそんなに飢えてんの?」 「ちょっと弄っただけだよ。」  山の地蔵は可愛い娘に化けて若者をからかう。 目の前の狐の佳人は何とも色っぽい。  狐が言う。 「私はあそこで水子供養もやってるの。 夜職の女性が多いから、いつもお参りしてくれる。」 「六本木、すげぇ。 山じゃ地蔵菩薩も退屈してたからな。」 「あんた達、ウチの社を通り道にしたでしょ。 弥勒様が怒ってたわ。」 「弥勒菩薩ってお稲荷さんのボスか?」 「うん、まあボスってほど威張ってないけど。 狐を守ってるんだよ。」 「狐の佳人さん。名前教えてくれよ。」 「私は玉藻。」  恋愛相談って誰が来るんだろう。 「お宅の高校からも来るよ。」 ちょっと興味を惹かれる話だ。 「俺たちのクラス、悪いのばっかりで、俺ハズレだった。」 「人を外見だけで判断してはいけないよ。」 「狐のくせにいい事言うなぁ。」 「くせにって失礼な。」 「そうだ、妖術とか使えるのか?」 「まぁね。少しだけど。」  時間だから、と玉藻は帰って行った。 「残念。いい女だったなあ。」 これからもあの稲荷神社をショートカットに使っていい、と狐からお許しが出た。  稲荷の裏口から摩利彦達のマンションに出られる。空間がつながっているのか? 「学校行くのに便利だな。」  玉藻が帰った後には、葉っぱが一枚落ちていた。

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