20 / 48
第20話 気になる
タスクの一目惚れ? なんだか気になる。
「あーあ、遊ぶ金欲しいな。」
「居酒屋のバイトは?」
鈴木良太に斉藤光一が聞いている。
「やめた。やってらんないよ。
六本木変な外人ばっかりだ。」
「ホストやるか? おまえら18才になったんだろ?」
タスクが言う。
「面接受かるかな?」
「叔父貴が言ってた条件は、身長175cm以上。肥満はダメ。同じビルのGジムに通うこと。
筋肉をつけろって。中々厳しいらしいよ。」
「タスクやればいいじゃん。」
「身内じゃやりにくいだろ。
あ、タトゥー入ってるとダメかもな。」
男子高校生がダラダラとしゃべっている。みんなこの界隈の育ちだ。
小山馨は西麻布の大工の息子。斉藤光一は広尾の水道屋。二人とも腕と足に刺青だ。髪はアッシュグレーのマッシュ。
駒沢海斗は,青山一丁目のガス会社の社宅に親と住んでいる。親に内緒なのでタトゥーは目立たない足首に蛇だ。
鈴木良太は霞町の団地の子。今はない地名だ。
だがみんなは霞町と呼ぶ。首から胸にかけて綺麗なレース模様のタトゥー。
大沢翔は、老舗輸入品店のオーナーの息子。肩から腕に和風の妖怪やろくろ首のタトゥーを入れている。
鼻を折られたのはここにいない柴田文也と松本一志だった。柴田は髪を真っ赤に染めた坊主頭で、両腕に鯉の刺青が入っている。和彫りだ。
松本はツーブロックのヘアスタイルで片方の肩にタトゥー。トライバル柄だ。
みんな親からもらった身体に、それだけでは物足りないのか一生消えないお絵描きをしている。
掃き溜めのような高校だった。
「マジ、消えたよな。ずっと見てたんだ。
どこの店にも入ってねえ。消えたんだ!」
須佐兄弟を見失った事が不思議でしょうがない。
「あ,あの辺に稲荷神社があるよ。
小さいけど水商売の人がいつも綺麗にしている。
前に外人が壊して地回りの兄さんに袋叩きになった所だ。あそこに隠れたんじゃね?」
「どうやって隠れんだよ、あんな狭い所に。」
しかし須佐兄弟はお狐さんの裏からショートカットして家に帰ったのだった。
なぜかそういう時には誰にも見えなくなるのだ。あの洞窟と同じ原理か?
「おい、何かついて来てるぞ。」
「憑いてって?」
月夜見は慌てた。
ともだちにシェアしよう!

