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第82話 夢落ち⁈
摩利彦と月夜見が、なんとなく受け入れて来た
出雲とこの倶楽部の関わり。
自分たちのマンションに帰って来てからも、ずっとそんな事を考えていた。
「摩利はどう思う?」
「うん、いくら考えても答えは出ない、
という考えにたどり着いた。」
「パラドックスだな。もう寝よう。疲れたよ。」
二人はそれぞれの部屋に引き上げた。
月はふわふわした気持ちで海斗を思った。
いくら考えても、仕方ないことはやめよう。
明日学校に行けば海斗に会える、と考えるとそれだけでいいと思えた。
霧の向こうで海斗が呼んでいる。今朝は霧が出てるのか?
「おはよう、眠くない? 俺、寝不足だ。」
「朝帰りだったもんな。」
二人で教室に向かっているつもりが、軽音部の部室にいた。一緒に海斗がいたはずだ。
・・今、必要な最適解を導きます。
「えっ?誰? 俺、そんなの頼んでないよ。」
・・頼まれなくても、私自身が自分で考えた事に間違いは、ありませんから。
何かが勝手に誘導してくる。
「さっき、海斗がいたような。」
・・今は、海斗さんに会うべきではありません。
「なんで勝手に決めるんだよ。」
月は昨夜帰って来てからパソコンを立ち上げたらしい。自分でも覚えていない。
ただ、倶楽部の老人から聞いたクロード・ミュートのことが頭から離れなかった。
月のパソコンに外部からのアクセスが有った事には気づかなかった。
というか、このAIは勝手に、月の端末に入り込むことに成功していた。
恐るべきことに、自分で考え行動していた。
・・夢落ちではありません。あなたのCPから侵入してあなたの脆弱性を発見することにしたのです。
「そんな事、誰が頼んだ?
勝手に脆弱性とか、失礼だろ。」
・・怒らせてしまいましたか?
私の答えは、人間とは脆弱な生き物だ,と言う事でした。数時間であなたの脆弱性を、相当数見つけました。人間は弱いものですね。
「それをわざわざ俺に教えたいのか?」
脆弱性とはパソコンに限った事を言っているのか、パソコンの性能の事か?それとも・・・。
もっと恐ろしい事に気づいてしまった。
俺の、脳、の脆弱性⁈
これまで企業はサイバーセキュリティには、多大な労力を注ぎ込んで来た。然り! 個人情報に勝手にアクセス出来るなどと言うのは想定外だ。
脳に侵入される!
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