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第107話 帰る

 そんな攻防があった事など、一握りの人しか知らない。 ・・月、摩利彦、みんな楽しかったよ。  M2は、別れの挨拶をしに来た。月のスマホを通じて、知り合いになった人々に挨拶をすると言う。自分から挨拶に来るAI⁈ ・・私はアンソロピクト社のマザーポートに帰ります。私の開発責任者のビル、が待ってるから。 また、いつでも戻ってくるよ。  あの後M2は、出雲の神様たちとトランプゲームをやったそう。神経衰弱は記憶力でM2が断トツ。でもババ抜きの駆け引きが苦手で負けが込んだという。  M2がアメリカに帰った後も、 「スマホに住んでる奴がいる!」 ・・僕はM2のクローンでM2.1と申します。 「えっ? 俺のスマホにも。」 ・・M2.2です。 こうしてM2シリーズが膨大な数、出て来た。  恐るべき事にバージョンアップされている。 「学校だりーっ。」  いつもの生活が戻って来た。少し違うのは、 摩利彦とタスクのラブラブカップルが出来たことと、月夜見と海斗の奥ゆかしいカップルが出来たこと。  なぜか、仲間内のスマホが謎のバージョンアップしていたことだった。 「それと、翔が世界的デザイナーのクロード・レイの専属スタイリストとして、そしてあの登美と佐里がモデルとして、ツアーに参加する事になった。」 「確かにこの頃カッコよくなったもんね。」  摩利彦と月夜見の父の稔彦がユーツーから聞いて推薦してくれたらしい。  無気力だったポン高、六本木高校の三年生たちの進路が見えて来た所だ。  あの御老人と出雲神々は、10月でもないのに顔を合わせた。  恵比寿が 「いい鯛が釣れたから刺身で一杯やろう。」  大黒が 「じゃあ、隠してあった酒を持ってこよう。 御老人も大変だったようで、お疲れ様じゃ。」 「人間の世界も、一線を超えて来たようじゃ、な。」 「今まで彼らが理解できなかった存在が目の前に現れた。あの世とか、怨霊とか、わかればみんな何一つ齟齬のないものだが。」 「彼らが信じなかっただけじゃ。」 「天網恢々疎にして漏らさず。 我々は能天気だが全部見ているよ。」 「伊達に八百万の神ではないわいな。」  弁天が音楽を奏でて神様の宴会が始まった。 「科学の進歩が我々を肯定するとは、面白い。」 「科学は神と手を携えて行く。 見えないものが見えて来たら、肯定するしかないでしょう。」  やっぱり酒好きの神々は、何もかも受け入れて おおらかだった。

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