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第1話 プロローグ

 黒崎静雅(くろさきしずか)という男は、まめな男だった。  彼は常日頃、B5版の大ぶりな手帳を使い、そこには仕事の予定がびっしりと書き込まれ――のみならず、プライベートの予定や、日々感じたことやちょっとしたアイデアなど、全てそこへ書き込んでしまっていた。  その手帳は、いわばその大部分がダイアリーの様な要素も持ち合わせている。  最終ページにはいつも彼の願いが書き込まれているのだが、それはまた別の話で、彼の願いがが叶った今、彼はその手帳兼ダイアリーに、新しくできた恋人、一ノ瀬本(いちのせはじめ)との一年が綴られるようになったのだった。  これは、そんな黒崎の手帳を覗き見た物語だ。

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