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第97話

「  あ  んっ!」  「びゃ」じゃなくてほっとした。  明らかにトーマが僕の中に入ろうとしている瞬間におかしな声を上げずに済んでほっとした僕を、トーマは見透かすような目で見て微笑む。 「いっぱい慣らしたから、痛みは少ないと思うけど……」 「ん、……圧迫感はありますが……っ、それよりも、熱くて、びっくりしてます……」 「余裕だね」  そんなこと全然なかった。  入り口は想定してたよりもトーマのが立派だったからかギチギチだし、そんな熱くて太いものに体の中を擦られるなんて初めてのことだから、拾う痛みや快感がどこからきているのかもわかなかったし、それが本当に痛みなのか気持ちよさなのかの判断すらできなくて……  とにかく、僕は混乱していた。 「トーマのおっきくて熱い……」  ずくずくと血が集まってソコが脈打ってる。  トーマを受け入れて、限界まで広げられて……でも熱が体内を進んでいく快感はそれよりも上で、嵐の中に放り込まれたかのように僕を翻弄する。 「熱くて? ここが感じるとか、突かれて好きな場所とか、いくらでもコレで突き上げてあげる」  トーマは悪い大人の顔をしていて、僕のことをきっと皿の上に乗ったパンケーキとかそんな感じに思ってるんじゃないかな? 「いつも突かれて気持ちよくなるとこ、教えて? 奥が好き?」 「……んっ、僕、初めてだから……っ」  自分の体が他人に触れてもらえるような魅力のあるものだと思ってなかったし、こんな経験をするとは思っていなかった。  せいぜい、発情期にどうしようもなくなって指でイジるくらいで…… 「どこが気持ちいいのか……」 「…………え?」 「トーマに触ってもらっているところ、全部気持ちよくて……どこを触られても僕、イ……っ」  ぶる……と体が跳ねる。  体内で止まるトーマの熱い先端が、前立腺らしきものにずっと触れていて……なんとも言えない緩やかな射精感が腹の底に溜まっていく。  いっそ、自分でいいように動いてしまいたい。  でも、そんなことをしていいのかどうかもわからなくて、僕はトーマに縋って動いてくださいと懇願する。 「………………顔を見せて」 「やっ……すみません……僕、とんでもないことを……」 「そう? とんでもないことをしてるのは私の方なんだけど?」  少し揶揄うような言葉と共に、喉元から指先がつつ と踊るように下へと向かって……僕のちょっと薄めな下の毛をかき混ぜるようにしてから、さらに手は動こうとする。 「 ――――っ!」  大慌てで止めようとしたけれど遅かった。

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