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第3話

「…ん…ッ…まっ…て…」 「…無理」 玄関からリビングへ続く廊下の至る所に服が脱ぎ捨てられ、奥に続く寝室のベットで、奏は飢えた獣のように和水を喰らい尽くすかの如く、和水を可愛がっていた。 すでに和水の張り上げたそれからは白濁した液が飛び出して、和水の腹に広がっている。 その全てを舐めとるように奏の舌は和水の肌を撫で、その刺激全てに反応して、和水はビクビクと跳ね、その度に甘い声をあげた。 何度も中を掻き混ぜるようにして、奏の指は和水の中を這い、クチャクチャといやらしい水音を立てる。 「…むり……も…それ……ん…いい…から…ッ…」 和水の中に触れている方の腕を掴み、和水はそう吐き出したが、奏の動きが止まることはない。 身を悶えて声を上げる和水を見下ろすようにして、奏は空いた手で自身のベルトを荒く外した。 そうして張り上げたそれを和水のそれに擦り付けながら、しかし手は止めずに和水の中、奥ばかりを撫で続ける。 「…も…ぉ……はや…ッ…く…」 「はやく、何?」 「……はやく…」 「だから何?はやく、何?」 そう意地悪く何度も尋ね返す奏は薄く微笑みを浮かべ、しかしその目は鋭く光り、和水だけを見つめている。 すると和水は痺れを切らしたように奏の硬くなったそれを乱暴に掴み、何度もいじめられて浮かべた涙で潤んだ瞳で奏を睨みつけ、再び言った。   「…挿れろって…いってんの…!」 すると奏はニヤリと笑みを浮かべ、和水の首筋に浮いた汗を舐めとるように舌を這わせたあと、耳元で言った。 「…かわいい」 「…は…?ッ…可愛くないか…あっ…ああ…まって…ッあ…んんッ…あッ…!」 それまで焦らした代わりか、絶え間なく奏の腰は和水に打ち付けられ、指よりも深いところ、中の奥の奥へ奏のそれは届いて、その度に逃げるように身を捩る和水を奏は逃すまいと両腕を掴んで何度も繰り返し奥を突いた。 和水はすでに理性を失っている様子で、抑えることもなく激しく声を上げている。 和水のそれからはとめどなく白い液が飛び出し、何度もビクビクと痙攣して奏のそれを締め付けた。 奏は与えられる快感に眉を顰め、しかしさらにはやく腰を打ちつけた。 すると和水がすがるように声を上げた。 「…なして……ッ…」 「…何…?」 「…手ぇ……っ…離して…っ…」 そうして和水の望み通りに押さえつけていた両腕の力を緩めると、和水はその手で奏の首を強く掴んで引いた。 和水に回された腕は奏を強く抱きしめ、奏は再びニヤリと口角を上げて和水の奥にグリグリとそれを押し当てた。 そうしてまたビクビクと腰を振るわせた和水の中で、奏も荒く息を吐いて果ててしまった。 そうして果てる間、奏は和水の鼻先を自分の鼻先で撫でるように擦り寄せた。 互いの漏らす息がかかるその距離で、視線が交差する。 和水が微かに顎を上げた。 その拍子に唇がほんの少し、触れる。 和水は奏をまだ濡れた目でじっと見つめている。 奏を求めるように向けられた視線に奏はまた、猛烈な欲に駆り立てられた。 そうして誘い込まれるように奏は和水に唇を重ね、どちらからともなく互いに伸ばした舌がひどく熱を持って絡み合った。 まだ和水の中にある奏のそれは、また存在を主張するかのように硬く張り上げ、そうして舌を絡ませながら奏は再び和水の奥を何度も突き上げる。 唇を塞がれて行き場を無くした声は和水の鼻腔を抜け、それはひどく甘く響いた。 奏に回した腕は再び強く力が込められ、奏の肌に爪を立てた。 そうして互いが力尽きるまで、互いを確かめ合うような行為は続いた。 ―― シャワーを浴びて寝室に戻ると、まだぐったりと和水がベッドに横たわっていた。 力尽きたように虚な目をして、ただ静かに息を繰り返している。 奏はそっとベッドに腰掛け、そんな和水をただ黙って眺めていた。 するとふっと和水が奏に視線を向け、先ほどまでが嘘のように、ぶっきらぼうに言葉を吐いた。 「…何?」 奏はそれに、思わず笑ってしまう。 するとさらに不機嫌そうに和水は顔を顰めた。 奏はそんな和水の髪をそっと優しく撫で、言った。 「シャワー浴びてきたら」 「…言われなくても行くから」 そうしてベットから立ち上がった和水だったが、ふらりとよろめくような仕草を見せた。 それに咄嗟に奏はベットから立ち上がり、和水を支えるようにして和水を引き寄せた。 「…大丈夫?」 そう甘く耳元で尋ねた奏に、和水は再びぶっきらぼうに言う。 「…うん」 「…一緒にシャワー行こ」 「…は?さっき浴びてただろ」 「うん、もう一回」 「…意味分かんない」 そういった言葉とは裏腹に、洗面所へ向かい腕を引いて歩く奏の手を振り解くことはせず、和水は奏と共にシャワーに向かった。 シャワーを浴びる間もついて離れない奏にいちいち小言を言うものの奏を強く引き剥がすことはせず、すっかり奏に髪まで乾かされた和水は、いつも寝る時に着るスウェットに身を包み、再びベッドに潜り込んだ。 奏はそんな和水のそばでベッドに腰掛け、無音で寝室のテレビをただ眺めていた。 和水がぼそっと口を開いた。 「……帰んの?」 その声に奏はふっと和水に視線を向け、言った。 「うん、和水が寝たら」 「……そ」 「寂しい?」 「………べつに」 「居ようか?朝まで」 「……いい」 「本当に?」 そう奏が優しく尋ねると、和水は寝返りを打ち、奏に背を向けて言った。 「……帰る予定だったんでしょ」 そう言った和水の髪を奏はそっと撫でた。 するとそれを避けるようにして和水は頭を揺らした。 奏はそっとベッドに潜り込み、和水を背中から優しく抱きしめた。そうしてスゥっと、和水の首筋の香りを吸い込んだ。 「……それ、キモいからやめて」 「ふふ、もう遅い、やった後だから」 和水はその口調に反して、大人しく奏の腕の中で、小さく息を繰り返している。 奏は言った。 「…明日、俺の迎え、早見さんじゃなくて伊勢さんだから」 「…」 「居れなくてごめんね」 「……べつに居てって頼んでないし 謝ってる意味が分かんない」 「うん」 そうしてしばらくの沈黙の後、まだ和水がぼそっと言った。 「…俺が寝なかったらどうするわけ」 その問いに、奏は小さく息を漏らして笑ってから、言った。 「…朝から夜まで仕事して……あんなに何回もイッてて寝ないわけないから大丈夫」 「……キモい」 和水はそう吐き捨てて割とすぐ、奏の腕の中で小さな寝息を立て始めた。 そうして奏はまた、和水の首筋の香りをスゥっと吸い込んでから、そっとそこにキスをして、静かに寝室を後にした。

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