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【4話.冷との出会い(3)】
風澄 side
目が覚めた時、隣で寝ていたはずのあの人は居なかった。
部屋の外からいい匂いがするから朝ごはんでも作ってるのかな。
昨日見た金髪の人は、冷さんだった。
店で初めて会った時、綺麗でかっこいい人だなって素直に思った。
きっと一目惚れだったんだと思う。
俺は偶然ではあったけど発情期を利用するみたいにして冷さんを巻き込んだ。
冷さんは本能に従うように、でも優しく俺を抱いてくれた。
あんなに優しくて暖かい行為は初めてだった。
ずっと痛くて気持ちの悪い事だと思っていた。それしか、知らなかったから……
「にしても何やってんだよ俺……」
「何が?」
「わっ!!!」
「驚きすぎでしょ笑」
頭でぐるぐる考えていた間に部屋に入ってきていたみたいだ。
心臓に悪い……
「あの、冷さん」
「何?」
「ごめんなさい、俺のせいで……」
「はぁ……」
ため息をつかれてついギュッと目を瞑ってしまう。やっぱり怒ってる……?
「俺別に嫌だったとか一言も言ってないよね?」
「……え?」
「言ってないでしょ?
それと、呼び捨てでいいよ」
「え、いや年上だし、そんなの」
「じゃあ俺からのお願い」
「っ……」
そんなこと言われて断る筋合いが俺にはないしそう呼ぶしかないんだろう。
「あのさ、朝ごはん食べる前に話しておきたかったんだけど」
「……?」
「君って今恋人とか好きな人っている?」
「……いない、けど」
「ぇ、じゃあヒートの時一人って事か…?」
「お前……デリカシー無いのな」
「いや気になったから……悪い」
「……はぁ、抑制剤飲んで耐えるだけ。それだけの事だから謝んな」
それを聞いた冷は小さく「……マジか」と零した。
「…………ねぇ、嫌だったら断ってくれていいんだけどさ」
「……?」
「セフレになんない?俺らめちゃくちゃ体の相性いいと思うんだよね」
「は?」
「別に君がヒートの期間入った時だけでもいいし、どう?悪くない話でしょ?」
好きな時に呼ばれて会わないといけないなら面倒くさいなと思ったけどその条件なら俺も抑制剤の副作用に苦しまされずに済むからお互いにとってメリットがあった。
「…………それ、なら別にいいけど」
「交渉成立だな、じゃあ連絡先交換しよ」
「ん」
少し流されたような気もするけど、デメリットは思ったよりなさそうだったからそういう関係になることにした。
「ふうと……?」
メッセージアプリのLIME(ライム)を交換したら俺のユーザーネームを見たみたいで冷はそう呟いた。
「あ……そう、それ俺の名前」
「なんて漢字書くの?」
「ふうが風(かぜ)で、とが澄んだ水とかの澄」
「いい名前だね、綺麗だ」
「なんか口説いてるみたい笑」
「確かに笑」
意外と笑う人なのかもしれない。
話していると何故か落ち着く。
「じゃあ朝食食べようか」
「え!俺の分もあるの?」
「あるに決まってんでしょ、そこまで冷たい男じゃないよ笑」
「嬉しい、ありがとう」
「いえいえ」
二人で食べた朝ごはんは今までで一番美味しかった。
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