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第10話
四つん這いになり、熱い吐息を漏らしながら奉仕するセージの姿。
それを満足げに眺める、支配者シダレ。―――だったが、
「……んっ、ぐんっ」
男根を舐めることにも口に含むことに抵抗感はあった。だが、それも自分の身勝手な逃亡のせいで人々の命がかかっていると思えば躊躇している場合ではない。
それに、―――シダレが風呂場でセージだけでなく、自身の体も清めてくれたのが救いだった……。
男のニオイも味もとくに感じない。時々…先端からわずかなしょっぱさを感じる程度だ。
もしそのどれか一つでも違っていれば、生理的な不快感でこの行為を拒んでいただろう。
「ふっ、……っ、んむ」
舌の感覚も、息苦しさも我慢できる。
ひたすら目の前の男を満足させることだけに集中して、喉を鳴らすようにして奉仕を続ける。
しかし、本当にこれでいいのだろうか……?
どれだけ尽くしたところでシダレが気に入らなければ、すべては無意味になってしまうのだ。
「……出すぞ」
「!? んぐっ――」
様子を確認しようとした瞬間、シダレの両手がぐっとセージの後頭部を強く押し付けた。
強引に逃げ場を塞がれ息苦しさを感じる喉の奥に、どろりとした熱い体液が一気に流れ込んでくる。
「……っ!」
「吐くな、飲め」
―――っ、。
あまりの苦しさに涙目になりながらも、ここで吐き出せば何を言われるか分からない。
セージはぐっと本能的な拒絶を押し殺し、命じられた通りに嚥下した。
(これで、いいのか…?)
達したということはある程度満足してくれたのではないか?
期待に顔を上げようとした、が。
「っ、セージ!」
「……あっ!?」
やっぱり、粗相があったらしい。
荒々しく寝台へ押し倒された。
「誰に、教わった?」
「………え」
「お前が『これ』をするのははじめてだろう。まさか、俺の目を盗んで他の男に――」
「だっ、誰って、シダレ様しかいませんが…?」
もうこの男に従順になると心に決めたからだろうか。理不尽に怒鳴られてもセージの心に苛立ちの感情は湧かなかった。
『なにが、ダメでしたか?』
純粋にシダレが怒っている理由が分からず、きょとんとした表情のまま男の顔を見ている。
「……不快、でしたか…?」
もし不快にさせてしまったのなら、謝るしかない。
でもどうか……村の人たちは助けてほしい。セージの瞳は、ただその一心で縋るように懇願していた。
すると、シダレは盛大なため息を吐く。
「……いいだろう、お前を飼ってやる。それで今回の件は不問だ」
「では、村人たちもっ…!?」
「ああ」
「! あ、ありがとうございます……っ!」
やっと今、恐怖と精神的負担から解放された。
途端、堰を切ったようにセージの目からボロボロと大粒の涙があふれ出てきた。
「安心するのはまだ早いぞ。お前の役割は、まだ終わっていない」
「っ、はい…、分かっています」
もういい。
抱かれて終わるのならば……。しかし、ここでセージは、ふと戸惑いを覚えた。
いつもなら四つん這いの格好になって、あの媚薬の入っている潤滑油で無理やり奥を解されるのだ。
だが、シダレは未だにセージを寝台に押し倒したままでいる。
「あの、シダレ様」
「今日はこのままで行う」
「……え」
「ほら、さっさと解しやすいように自ら足を広げろ」
「……は、はい」
恐る恐る、シダレの目の前で左右に足を割っていく。
しかし、男が近くの戸棚から取り出したのは見覚えのある小瓶ではなかった。シダレはそのドロッとした中身を自分の指先へと垂らし、そのままセージの無防備な素肌へと触れてきた。
「し、シダレ様、それは…?」
「ああ。今日の潤滑油はいつものとは違い、媚薬効果はない」
「……な、なんでっ!?」
「媚薬には強い依存性があるからな、使い過ぎはよくない。ちょうど変える機会を見ていたところだ」
それが男の優しさなのか、それともさらなる加虐の始まりなのかは分からない。
けれど、「安心しろ」と言う。セージの熱い頬をそっと撫でるシダレの手つきだけは、どこか優しいものに思えた。
「んっ、っ……、くっ……!」
ひんやりとした液と共に、容赦なく肉の最奥へとシダレの指が侵入してくる。
慣れない不快感にセージは恐怖に身を強張らせたが――
(俺の身体、っ、いったいどうなっちゃったんだよっ…!?)
これまでは媚薬の成分が感覚を麻痺させ、無理やり快楽へと騙してくれていたのだ。あれがなければ、きっと裂けるように痛いはず……なのに。
「あっ、あぅっ……、!」
「気持ちいいか? 体はしっかり覚えているようだな」
痛くないどころか、気持ちいい……。
シダレの熱い指が散々開発されたナカを、ゆっくりと丁寧に解きほぐしていく。
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