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プロローグ

 ――なんでこうなったんだっけ……?  たしか、俺は尊敬する領主であるオルム様にお仕えすることになったはずなのだが……。  夏の夜だった。じっとりと背中に汗をかいていた。  俺は仰向きでベッドに寝ている。場所は俺に宛がわれた使用人用の小さな部屋だ。  いつのまにか、着ていた服はすべて脱がされた。俺はあそこが熱くて、怖くて、しがみつくようにシーツを握りしめている。  ――あれ……? 俺、なんで……。  俺は回らない頭で必死に考えるのだが、考える傍からそれはかき消されていく。 「なんだ、考え事か? 余裕だな」  俺が天井を見上げていると、オルム様が顔をあげて、ふっ、と俺の乳首に息を吹きかける。  途端に俺の体が跳ねた。 「ひ、あ、ああっ……ん……っ!」 「ちゃんと集中しろ……」  オルム様の舌がゆっくりと乳首に触れ、へそをなぞり、そしてもっと下――俺の股に顔をうずめる。彼は俺の屹立したそれに舌を這わせた。俺は犬のようにはっはっはと短い呼吸を繰り返しながら、首だけ持ち上げてその光景を見た。  俺のそれは、オルム様の舌の動きに合わせてびくびくと震える。オルム様と目が合う。彼はにやっと笑い、俺のそれを口に――。  思わずのけぞる。足先にまでびりびりとした何かが走り、足の指一本一本にぎゅっと力が入る。 「やあっ……だめっ……ああ……あ……」  ――オルム様。オルム様。彼が俺の……ああ……。  ああ。背徳的だ。舌がぬるぬるとそれを這う。気持ちよくて、混乱していて、オルム様を汚してしまいそうで申し訳なくて、でも気持ちいい。  俺はめちゃくちゃに首を振った。そうしていないと頭が破裂してしまうそうだった。 「おるむ、さまぁ……」 「大丈夫だ。怖くない」  彼はそう言って、俺の頭をなでてくれる。  その鈍色の髪、整った鼻筋、瞬きのたびに音がでそうなほど長いまつげ。  ――ああっ! 今日もオルム様が眩しすぎるっ!  俺はくらくらした。  彼と同じ国に生まれただけでも神に感謝しているというのに、彼に存在を認知され、彼に仕えることを許された。それだけで僥倖だというのに。

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