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【前編】『ちょっと待って、そんなに愛されても困ります!

『ちょっと待って、そんなに愛されても困ります! 豊満・熟女専門のはずの王子が、なぜかペチャパイ・僕(♂)にロックオン!?』 ────── アイリーンは金髪、青い目をした少年だ。城下町に住み、家は貧しく、両親とパン屋を営んでいた。よく働き、器量良し、男女問わず皆アイリーンの虜になる。 今年はこの国の皇太子が隣の国の姫と結婚なさる。この一年はお祭りムードで賑やかになる。そんな折に、アイリーンの住むパン屋に城から遣いの者が訪ねてきた。どうやら美しい者がいるという噂の家を一軒一軒を訪ねて回っているようだ。 遣いの者はアイリーンを見るや否や大きく口を開け、大声で叫んだ。 「見つけたぞーーーーっっ!! 姫がこちらにいらっしゃったぞーーーーっっ!!」 ガヤガヤと城から訪れていた人々がアイリーンの元に集まった。 「姫!! アンジュ姫!! さぁ、城へ参りますよ。本日は初めてエース様とご対面の日、逃げ回っていてもどうしようもありませんよっ?!」 「あ、あのぉ? 僕アンジュって名前ではなく、アイリーンと言いまして……あの?」 「……本当にアンジュ様ではない?」 「本当ですよ。この子はうちの子です。しかも男の子ですよ? お姫様だなんて……ふふっ」 「……致し方ありません。アイリーン様、お母様、本物のアンジュ様が見つかるまでで構いません。どうかアンジュ様の代わりに王子と対面をして、結婚式までの時間稼ぎをお願いしたい。もちろん、仕来たり(しきたり)として、結婚までは男女間の交渉はございませんので、男とバレることも、そのような行為もございません。ご安心ください。謝礼はかなり弾みます。この通りです。どうかお願いいたします……」 大臣は謝礼額を提示した。 「……この額の謝礼がもらえるんですね? お母さん、お父さんの治療費が賄えるよ!! これで当分は安心できるよ!!」 「上手くいけばこの先ずっと援助して差し上げることも……」 「僕行きます!! お母さん、やるよ!」 「アイリーン!! でも貴方、お姫様をやるのよ?! 失敗したらどんなことになるのか……」 「お母様、ご安心ください。我がアンジュ姫も猿……もといかなり活発な方で、マナーも何もあったもんではなかったので……見てくれが綺麗なだけでほんっとに女らしくない方でした……きっと今見る限りではアイリーン様の方が姫らしくみえますよ……」 複雑だが、アイリーンは了承した。 ────── 早速王宮のアンジュの滞在中の部屋へ案内されて、専属のメイド二人に着替えをさせられた。彼女たちはマーガレットとメアリーと言った。 「まぁ、アイリーン様、あっ、いえ……アンジュ様。とてもお綺麗ですわ。そうですね……胸元の開かない、レースのあしらわれた服が良いですね。そのような服を何着かご用意いたしましょう。お色は何を選んでも良くお似合いになりますわね。見事なブロンドに澄んだ青い瞳、真っ赤な唇。綺麗な透き通るほどのお肌。ほとんどお化粧も必要ありませんね」 アイリーンは普段から美しいと言われ慣れてはいるものの、ここまで褒めちぎられるのは流石に恥ずかしい。しかも男だし……。 「マーガレットさん、メアリーさん……褒めすぎですよ……恥ずかしい……」 「呼び捨てにしてください! 怪しまれますよ! アンジュ様!」 「……マーガレット、メアリー……。ありがとう。これからよろしくね」 「まっ!! 何とお可愛らしい……お仕え出来て光栄ですわ!」 アイリーンはすぐにメイドたちを掌握してしまった。 ────── エースはウンザリしていた。 これまでに隣の国のアンジュ姫について散々聞かされ、やれ美しいだ、やれ利発で明るいだ……。 エースにはこの国に恋人が数名いる。どの女もそれぞれに美しく、肉体美を誇っている。エースは顔なんかより豊満な胸をした、抱き心地の良い女性を好む。 アンジュとの婚約、引いては結婚に至ってもこの女たちを切るつもりはない。 アンジュを寝所に呼ぶつもりもない。 愛人たちの相手で手一杯だ。 そして自分よりも年上の熟女を好む。 しかしアンジュはまだ15歳の子どもだ!! あり得ない! 色気も何もあったものじゃない。 今日の顔合わせが憂鬱で仕方ない。 ────── エースが自室を出て、所用で皇帝の私室へと向かう途中、曲がり角から走って来た少女とぶつかった。 「うわっ!」 「わぁっ!」 二人は尻餅をついた。 「おいっ! どこ見て……っ」 エースは息を呑んだ。見たこともないような美しい女が自分とぶつかって座り込んでいた。 「わっ!! 申し訳ございませんっ!! 少し急いでいたんです……お許しください!!」 女はドレスのせいで立ち上がれないようで、エースは手を差し出した。 「ありがとうございます」 女は礼を言い、手を取った。エースの胸は早鐘を打った。こんな感情、感じたことがない。女を引き上げると自分の方へ引き寄せた。 「あ、あの? ありがとうございます……私急いでいますので、失礼しても……??」 「あ、ああ……。すまない。あ……名前を……」 少女は足早に去って行き、エースは名前を聞きそびれた。エースは少女のことが頭から離れない。何だ? これは……何でまたあの女に会いたいのか? 何故抱きしめてみたいのか……キスしてみたいのか……初めての感情で戸惑っていた。その少女のことで頭がいっぱいで、益々アンジュとの晩餐会も億劫になった。 あの娘はこの晩餐会に出席するのだろうか? 貴族の娘だろうか? 探し出して必ず側室にして、誰にも渡さない!! 今夜中に必ず見つける!! ────── エースは気もそぞろに晩餐会の席についた。少し遅れてアイリーン(アンジュ)が案内され席へやってきた。エースはアイリーンを見て心臓が止まりそうだった。そして勢いよく立ち上がった。 『ガターーーーンっ!!』 椅子の倒れる音がし、みんな驚きエースの方を振り返った。アイリーンもエースを見た。すると、パァっと笑顔になりエースに微笑みかけた。 「あ! 先ほどのお方ですね!……ごきげんよう」 エースはアイリーンに慌てて駆け寄り跪き左手の甲にキスをした。エースは有頂天だ。この女は俺のものになる! いや、既に俺のものだ! 「貴女がアンジュ……想像を絶する美しさ……何てことだ……貴女の夫となれること、私は世界一の果報者だ!」 広間にいた人々はざわついた。 もちろんエースの恋人たちは驚き、その表情は怒りに変わった。 そして皇帝は嬉しそうに述べた。 「おぉ、皇子はあまり乗り気ではないと聞いていたが、姫を実際に目の当たりにしてその美しさの虜になったな。いや、実に良きことだ。アンジュ姫はいかがかな? 我が息子のエースは気に入ってもらえたかな?」 「えっ?! えぇ……とてもハンサムで素敵ですね。ゆっくり知り合っていけたら……と思います……けど……」 エースはアイリーンの手を離さない。 「あの……お席に着きませんと……? 晩餐を……」 「あぁ、そうだな。すまない。興奮してしまった」 アイリーンは早く座って晩餐を食べたかったのだ。 宮廷料理なんてこの任務が終わったら二度と食べることは叶わない。 噛み締めて食べよう!!  アイリーンは周囲との会話もそこそこに、小さな口で料理をぱくぱく食べていった。 エースはアイリーンから目が離せず一挙一動を見ていた。アイリーンは愛らしく良く食べる。エースは微笑ましく思った。 デザートも終わる頃、エースはアイリーンの側に行き、アイリーンの手を取った。 「アンジュ、外を散歩しないか?」 アイリーンはキョトンとしたが、微笑むと返事をした。 「はい! 喜んで! 」 その笑顔に眩暈がした。 いつものその辺の遊びの女ならば無感情に抱きしめてキスをする流れだ。女を喜ばせればそれで良い。 しかし、今のエースはその衝動を抑えるのに必死だ。抱きしめたい! キスがしたい! それほどまでに真剣になり始めている。 ────── 外に出て涼みながら歩いている。 「ねぇ、アンジュは15歳でしょう? こんな随分年上の、20歳の王子なんかと結婚させられるのは嫌じゃないの?」 「んーー?? でもお優しくて楽しい方ならお歳は関係ないと思いますけど……やはりこんな子供なんて押し付けられてお嫌ですよね? ごめんなさい」 「いやっ!! 何を言って……確かに君に会うまでは子どもだろうと思って馬鹿にしていた……すまない。だが実際に君に出会ってから気づいてしまった。年齢は関係ない。君を好きになったんだ」 「え……でも……ごめんなさい。聞いていた話と違うのでちょっと……」 「話とは?」 「……エース様は年上の女性が好きで、恋人も多数いらっしゃるから私はお飾りの王妃で良いと……。その中から側室も召されるから何もする必要がないと……。違うんですか?」 「……くそっ!! すまない。そう言ったことは事実だ。俺は不誠実な男だな……。そして卑怯だ。だがアンジュ、信じてくれ。俺は君を必ず幸せにする。すぐに他の女性たちは切る。アンジュ、君だけだ。最低な俺を許してくれ」 アイリーンは思った。まずい……話がやばい方向に向き始めている。あまり王子の相手をする必要がないと言われたから安心していたのだが、まさかの流れに……。 「あ、の……。皇子様には側室様は普通沢山いるものでしょう? あまり気にされなくても……。今まで通りに恋人様たちとお過ごしください」 「え? 君は妬いてはくれないの?」 「えっ? いえ……そういうわけじゃ……嫌ですけど……そんなの私の我儘ですから」 エースはアイリーンを抱きしめて言った。 「もっと沢山我儘を言って!! 君の我儘なんて全部聞いてやるから! ああ、愛しい人。もう俺は君以外には絶対に触れない。君を誰にも見せたくはない!!」 「(ああ、まずい……どうしよう……何でこんなことに……)」 ────── 次の日、皇宮はエース皇子とアンジュ姫の噂でもちきりだ。 「エース様がアンジュ様に一目惚れなさって、もう既に見事なご寵愛っぷりらしいのよ」 「何名もいらっしゃる愛人たちとは全てお別れになるらしいのよ〜。エース様は年上好きで有名だから愛人はみな年上なのに、アンジュ様はまだ15歳よ!! 子供じゃない!!」 「エース様は式も早めたいそうよ。早く正式にご夫婦になりたいそうで焦っていらっしゃる」 「何もかもがガラッと変わるわね〜!」 「この国のお祭り騒ぎにも拍車がかかるわね」 この2人の噂は宮殿の中だけではなく、街へも広まり、お祭りムードはさらに高まった。しかし、気が気ではないのはアイリーンの父と母だ。聞いていた話とは違い、息子のアイリーンが皇子の寵愛を受けているというのだ。 「アイリーンは大丈夫なんだろうか……もしもバレたりしたら……」 「お母さん、大丈夫だよ。婚前交渉もしないと言っていたし、王女が見つかるまでの辛抱さ。王女がこの国で逃げていて、アイリーンと同じ顔をしていたら目立つし、あんなに可愛いんだ。すぐに見つかる」 「そうだと良いんだけど……。アイリーン、がんばるんだよ……」 ────── 「アンジュ、アンジュの好きなデザートは何? ティータイムを是非ご一緒しよう。いつものスコーンじゃ味気ないでしょう? 何が食べたい?」 「ん〜? 甘いものなら何でも! エース様の好きなものを教えてください! 色々と食べてみたいです!」 「アンジュは本当に可愛いね。では今日は俺の部屋の庭園でお茶にしよう」 エースは毎日毎日、朝から晩までずっとアイリーンと一緒にいたがる。アイリーンの前でエースは紳士だ。年齢や、婚姻の仕来たりを守ってか、性交渉を強要したりは一切しなかった。 ────── 二人はお茶の時間を楽しんでいると、そこへ一人の女性が現れた。エースの恋人のうちの一人だ。 「あら、エース様、お久しぶりですわね。最近お出ましが無くてとても寂しくしておりましてよ?」 エースは苦々しい顔になり、眉間に手を当てた。 「ジュリア、今はよしてくれ。後で話そう」 女の肉体美はすごく、(もちろん男のアイリーンの胸はぺたんこなのだが)豊満な胸が見え隠れしそうに開いたドレスを着ていた。 「あら、そちらが婚約者様のアンジュ様? 始めまして。とてもお可愛らしいわね。まるでお人形さんのよう。最近のエース様はお人形遊びがご趣味なのかしら?」 周りからはヒソヒソと嘲笑が聞こえてくる。 「ジュリアっ! 失礼にも程があるぞ! この際ここではっきりと言っておこう。俺はアンジュを愛している。もう二度とお前に会いに行くことも、寝所に召し上げることもない。その権利はアンジュだけのものだ! わかったら二度と俺たちの前に現れるな! アンジュを侮辱することは許さない!!」 「そんな子供に入れ込んでっ……こっちから願い下げだわ!」 ジュリアは顔を真っ赤にして去っていった。 「エース様……私のことは良いんです。ジュリア様を追いかけてあげてください! 貴方のことを愛していらっしゃるだけなのですよ?!」 無神経なアイリーンの言葉にイラッとしたエースは強引にアイリーンを引き寄せた。 「いゃっ! いたっ……」 「アンジュ……生意気なことを言う唇はこうだ……」 「?! んん〜っ!! んーーっ……ぷはぁ……はぁ……な、何を……」 「大人のキスだよ……アンジュ、俺はお前だけが好きなんだ……」 「ふぁ……んん……ん……ふ……ぁはぁはぁ、エース様、やめて……苦しい……」 「キスの仕方も知らない、かわいい姫。……あんな肉体だけのバカな女たちとはまるで違う……私の天使だ」 それからエースはアイリーンにキスをするようになった。大勢の見ている前でもお構いなしで。非常に困る。 ────── アイリーンは自分をここに連れてきた遣いの者と大臣を呼んで話をした。 「話が違います! 王子はアンジュには興味を持たないと……なのに恋人たちとも別れてしまいました。ご側室候補もいらっしゃらなくなりましたし……。婚前交渉もしないと言う話はどうなったのですか? 毎日毎日僕は王子にキスされてるんですよ? もしこの先何かあったらと思うとゾッとします。と言うか、姫はどこです? まだですか? もう王子と結婚しちゃいますよ? あと1ヶ月ですよっ!!」 「いやはや……全力を尽くして探しているのですが、手がかりすら見つからず……。まさかエース様がアイリーン様にこれほどまでに執着なさるとは……。大誤算です。それに結婚を早められるとは……早くご自分のものになさりたいのでしょうな」 「でしょうな。じゃないですってば! どうすんですか? 僕男です! てか、女だったとしても嫌ですけど……」 「後少し、頑張ってください。何とかしますから……」 「……はぁ」 ────── 「アンジュ……今日の夜は俺の部屋のバルコニーから星を眺めないか? 良い酒も手に入ったんだ。君の好きなものを作らせて、二人だけで語らいたい……」 「(きた……ほぉら、言わんこっちやない……どうやって断れば……)キ、キス以上はいたしませんよ……? 婚前交渉はぜっったいにダメです……それをお分かりであれば……ご一緒いたします」 エースは少し不服そうな顔をしたが、すぐににっこりとして言った。 「君とはそんなことしなくても楽しいよ。……あの女たちとは体だけだったんだ。おしゃべりもろくにしたことがない。何をしても楽しいのは君だけだ。アンジュ」 そう言うとエースはアイリーンに口付けをした。 ────── 今夜はエースの部屋に、夜着で来るように言われた。王や王子の伽では着飾って誘惑するのが通例。と言うことは、まぁ、エロティックな雰囲気にはならないな……と胸を撫で下ろした。アイリーンを安心させたかったのだろう。が、甘かった。 ────── エースの部屋のバルコニーにはアイリーンの大好きなおつまみと甘いものが沢山用意してあり、最上級のワインが準備してあった。 「はぁ、夜着の君はセクシーなんだね。お化粧などしなくても美しいよ。髪を下ろしているところも初めて見た……抱きしめてもいいか?」 答えを待たない。了承を得ずにキスもする。エースは強引な所がある。そこが彼の魅力でもあるのだろう。まあ、いつものことだ。 「ワインは……飲んだことがありません」 「本当? 美味しいから少し飲んでみると良いよ」 恐る恐る口を付けると…… 「美味しいっ!! 何て美味しんですか?!」 あろうことかぐいぐい飲んでしまう。 美味しいワインにおいしいおつまみ。 星を見ながら楽しいおしゃべり……。 アイリーンは幸福を感じた。 そんなアイリーンを見つめるエースはどうしても抑えが効かなくなってしまった。 「アンジュ……キスを」 酔って気分が高揚しているアイリーンは、自分からエースの膝の上に乗っかっていき、大胆に頭を引き寄せてキスをした。エースはアイリーンを抱え上げるとベッドへ運んだ。アイリーンはハッとした。 何てバカなことをしたんだろう。 「あ……エース様……私まだワインを……」 エースはアイリーンの上に覆い被さりキスをした。 「(やばい、ほんとにやばい!! ばれる!!)」 アイリーンは覚悟を決めた。 「エ、エース様……申し訳ございません……。お話を聞いてください……。私はアンジュ姫ではございません……」 アイリーンはベッドの上でひれ伏した。 「な? 何? どう言うことだ? ちゃんと話して?」 アイリーンは観念し、全てを話した。 「本当に申し訳ございません……。アンジュ姫が見つかるまで、騒ぎにならないよう秘密にしていただけませんか? お願いします……」 「……話はわかった。名前は? お前の名前はなんと言う?」 「……アイリーンと申します」 「アイリーン……綺麗な響きだ。君によく似合う。アイリーン、騙したことは許すし、これからもこの茶番に付き合ってあげる。 ……さて、先程の続きをしようか。こっちにきて、君からキスして」 アイリーンは驚いて顔を上げた。 「は? あ、の……何を言ってるんですか? 僕は男です……。これ以上は……。あの……今晩は恋人のどなたかをお呼びください。僕は失礼……わぁっ??」 アイリーンはエースに強引に引き寄せられた。そして激しくキスをされて、ベッドに押し付けられた。 「男と白状すればそれで済むと思ったの? アイリーン? 俺は君を愛しているんだよ? どこまで甘いんだろうね、君は。だから俺にこんなことされちゃうんだよ……」 エースはあろうことか手を下へ滑らせると夜着の中へ手を入れアイリーンの男の象徴に手をかけた。アイリーンはあまりの驚きにびくんと体を揺らした。 「あっ?! エース様っ!! 何をなさるのですかっ!! やめて」 「何で? 君は俺の婚約者で、もうすぐ妃になるんだよ? こういうことを、毎晩俺としなくちゃいけない。どうせもうすぐ結婚するんだ。もう待たなくてもいい……もう待ちきれない。ずっと君に触れたかった。あぁ、アイリーン、美しい俺の妻……愛してる。早く繋がりたい……」 アイリーンはゾッとした。 これは冗談ではない。エースは本気だ。 「お、お願いです……。おやめください。もうすぐアンジュ姫が見つかります。 今晩は恋人を……どなたか女性をお呼びください……どうかお願いします」 「それ以上言うと怒るよ? 服を脱がせてほしい? それとも自分で服を脱ぐ?」 そう言うとエースは全て脱いでしまった。アイリーンは絶望した。一体何でこんなことに? 何がいけなかった? 「あ、あの、僕、出来ません……」 「そんな言葉は聞きたくないね」 エースはアイリーンの夜着を引き裂いた。 「やぁっ!! やめてぇ!! んん……んむっ……!」 暴れるアイリーンの上に乗り、キスをし、抑え込んだ。 息が上手く吸えずに肩で息をし、動けずにいると、エースはアイリーンの股に顔を埋めて男のそれを躊躇なく咥えた。 「やぁん!! やめてぇ!! はぁ……や……」 『じゅっ……じゅぷっ……』 いやらしく音を立てて吸い、根元を扱きながら絶頂を促した。 「あぁ!! エースさまぁ! でちゃう……もうでる……」 『びゅっびゅくっ……』 アイリーンは盛大に悦がり狂った。 エースは口の中のアイリーンの精を吐き出すと、アイリーンの可愛らしい小さな蕾に塗り付け、指を侵入させた。いくら力の抜けたアイリーンでも、何をされるかはすぐわかった。 力任せに抵抗した。 しかしすぐエースに押さえつけられて、尻の穴をぐじゅぐじゅに掻き回された。わざと意地悪に、指を思いっきり引き抜いてやると、アイリーンは体を震わせ、卑猥な声を出した。 「あぁん! ふぁ……」 エースは間髪入れずイキリだった大きいものをアイリーンに突き挿れた。そして耳元で囁いた。 「アイリーン、優しくはしないよ? これは生意気ばかり言う君へのお仕置きだ。俺のもので悦がるんだ。今日は死ぬほどイかせてあげるよ」 エースはアイリーンを後ろから抱きすくめて、ゆるゆると腰を使い始めた。 「あ、あぁ……エース様……許してください……抜いてください……あぁん! ……ひゃあっ……そこ……ダメです!! エース様、お願いです……ふっ……ふぁっ……ん……あぁん……ああ……」 「気持ちよさそうだな? アイリーン……ここはどうだっ?」 エースは奥をぐいっと抉った。 「ふっ??!!」 アイリーンは息が詰まり、目眩がした。 「あぁっ……あぁん……あぁ……!!」 アイリーンの反応に気を良くしたエースは集中的にそこを強く激しく攻め立てた。 「エース様……もう出ちゃう……お許しください……イっちゃうっ!! ふっん!!」 アイリーンの締め付けに耐えられず、エースも少し呻き声を漏らすとアイリーンの中に精を送り込んだ。 「あぁ、アイリーン、君は素敵だ。アイリーン、愛している」 アイリーンを上向きにひっくり返し、激しく深いキスをする。アイリーンが息苦しそうにして脱力していると、力の入らない両の太ももを抱え上げ、再び逞しく反り返ったものをあてがった。アイリーンはギョッとすると逃げようとした。 「まだ抵抗するの? もうお前は僕の妻だ。旦那様を大人しく、迎え入れるんだよ? ほら……俺のが君に入りたがっている」 アイリーンを引き戻すとキスで唇を塞ぎながら挿入し、何度も何度も腰を振った。涙を流すアイリーンをシーツに縫い止め、小さな胸を吸い、前を扱いてやり、快楽を与えながら何度も何度も犯した。 行為が終わった後もエースはアイリーンを抱きしめて離さない。 「……エース様、僕部屋へ帰ります。帰らないと……。噂になってしまいます」 「帰すものか!! むしろ堂々と宣言したい。アイリーンは既に俺の妻になったと! そうだ! 今日からアイリーンの部屋はここだ。日が登ったら、荷物を全て運ばせる」 アイリーンは血の気が引いた。大変なことになる。大臣たちにもエースと関係を持ったことがバレてしまう……。 「エース様っ!! それだけは……申し上げたではないですか?! 僕はアンジュ様の身代わりです!! 姫が見つかるまでお待ちください……お願いです」 「良いかい? アイリーン、しつこく言うが、君は俺の妻だ。俺のものだ。いくらお前に似たアンジュが現れようと関係ない、お前が好きだ。わかったら早く俺の腕の中に戻れ」 アイリーンがおずおずしているとエースがアイリーンを引き寄せてキスをし、抱きしめてベッドに入った。かなりの疲労に不覚にもアイリーンはそのまま眠ってしまった。

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