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 お酒と書かれた缶だらけの床  おもちゃなんて買ってもらった記憶はない  ただ発情期に寝込みがちだった母親のメイク道具でひとり鏡の前で遊ぶ ーー高層マンションの一室  染みひとつない真新しい天井を見つめながら、かすかに残る子供の頃の記憶を呼び起こしていた  薄明かりのなかで手元の感触を頼りにベッドの上で波をつくる  肌触りのよいシーツの波の一辺を握りしめ快感を甘受する 「んぁ……あっ……はぁ」  匠海の目が細まり口許が歪む  口角を上げながら低めの青黒い声で問う。 「あぁ、光……光ここ好きでしょ?」  いや、その言葉は熱を上げながらもどこか確信に満ちている  僕のことを全部知り尽くしているかのような余裕にもやもやする  あ……また……  お腹側の浅いところをしきりに責められる 「ぁ、あぁ……ぁあっあっあっんぁ……あぁ……」  イキそうになると動きがゆるくなる  これの繰り返し。快感を煽るだけ煽られ身体中の神経を研ぎ澄まされる  すると、匂いが強くなってこの男は興奮するのだ 「いいよ、光、もっと濃くして」 「ぁあっもぉ……イキたいったくみっイカせてっ」 「……もう?まだまだ、夜は長いよ」 「ぁあっああっはぁん、やぁ……」  知り合って数年、何度も体を重ね、食事もする。  この男の肌にしがみつきはしても、すがり付いたことは、ない……

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