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第11話 リリズの目覚め

(……リズ、すまない…) (初めからこうすれば、傷つけずに済んだ…) ──夢、だろうか? 父の声がする。 額が暖かい、だけど少し痛くて苦しい。 (──いやだっ…!!これはいやだ!!!) (やめろっ!!…やめてくれ…!!) 白、黒、白、黒と光が視界を駆け抜けていくようだ。 「──リズ……リリズっ!!!」 「───っ!!?」 意識が一気に浮上し、白い天井を見上げている。 …俺は寝ていたのか 「リリズ…? 平気ですか?」 視界には金髪の青年が眉を下げ、俺を見ていた。 起き上がろうと身体に力を入れる。 「──ゔっ…」 「あ、ダメです、まだ起き上がらないでください」 そう言う青年にベッドに押し戻され、視線だけで部屋を見渡す。 俺の部屋なことはわかるが、何が起きたのかわからない。 「ケイデ」 「はい」 側に控えていたであろう、使用人が返事をする。 「何があった?」 「リリズ様は3日前に温泉街で賊に襲われ負傷しました」 簡潔で無駄のない説明に納得する。 手足を動かしてみて確認すると、問題なく動かすことができた。見た限りも大きな怪我はなさそうだと安堵する。 ──が、まずいことになった。 「あの…リリズ…?」 おずおずと金髪の青年は佇んでいる。 「それで? この金髪はいったい誰なんだ?」 そう言った途端、青年の表情は引き攣ったように固まり、次の瞬間には俺に詰め寄ってくる。 「覚えてないんですか?」 「すまないが、襲われた記憶もまったくない。あなたは誰なんだ?」 俺は軽く頭痛がする頭に手を当てて、ケイデが運んできたコップを手に取った。 ──記憶が飛んでいる、これはまずいことだ。 青年はわかりやすく落胆の表情を浮かべながらも、次の瞬間には笑みを浮かべ礼儀正しく跪いた。 「僕はオーウェンと申します。リリズ様の看病を仰せつかっております」 「使用人か?」 「…えっと…」 「…まあいい、世話になる」 「とんでもない、あなたの側に居られるだけで光栄でございます」 俺は鼻を鳴らす。 柔和な笑みを浮かべた青年には何故かまったく“色“が見えない。 それでもこの青年は自分を害さない、直感だがそう思いながら再びリリズはベッドに沈むように身体を預けた。

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