43 / 52
第43話
メールで原稿を送るとすぐに確認しますと返ってきた。
もう少し待つと確認出来たことの報告が届く。
真面目な佐伯くんは、細かいことでも報連相を欠かさない。
それが安心や信頼に繋がるから、上司は佐伯くんに無茶振りをするのだろう。
得な性格なのか、損な性格なのか分かったもんじゃない。
『本当に助かりました。
これで穴を開けずに済みます…』
「構わないよ」
キャスターチェアの上で伸びをすると、反動で椅子が少しだけ回った。
その際、バラけた資料が目に入ってしまった。
これを片付けるのか。
……めんどくさい。
紙コップも、ペットボトルもどうせ空だ。
今すぐ腐るものではない。
後からでいいだろう。
『確認してオッケーもらったのでこのままいきます。
校正だけ……ごめん、電話中。
折り返すって伝えて。
すみません。
失礼しました』
「仕事だろう。
謝ることはない。
それより、よろしく頼むよ。
俺は寝るから」
『校正終わりましたら一応連絡しますけど無視してください。
本当に助かりました。
恩に切ります。
まだ後日、先生のタイミングのいい時に伺います』
こんな時間に電話だなんて一般社会では非常識だと言われるだろうが、生憎この仕事をしているとそんな非常識は常識になる。
けれど、この仕事はそういうものだ。
書きたい人間は勝手に書く。
止めても書く。
新聞配達も深夜のコンビニも必要だからあるんだ。
普段なら夏目くんがいたら綺麗に纏めてくれるであろう資料が陣取りキャスターで動けない。
しかたなしに歩いてベッドまで行くとそのまま他折れ込んだ。
そういえば、この1日半、固形物を食べていない。
甘い物が食べたい…
夏目くんのカレーが食べたい…
夏野菜の沢山入った…
トマトが沢山はいったカレーが……
ベッドの魔力は偉大なものですぐに眠気がやってくる。
ともだちにシェアしよう!

