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第6話 恥ずかしくないわけがないだろ!

「シャルル」 「…………」 「顔を見せてくれないだろうか?」 「いやだ」  シャルルはベッドの枕に顔を埋めていた。無理だと思っていたというのに感じてあんあんと喘いでいたのだ、自分は。恥ずかしくて無理だった。  シャルルは嫌だと顔を振って枕から離れない。そうしていると背後から抱き着かれて首筋を噛まれた。かぷりなどいう優しいものではない、肉に刺さる牙の痛みに顔を上げる。 「いったい!」 「やっと顔を上げたか」 「何、してるの!」 「味見だ」  噛みついた首筋から垂れる血を吸ってからぺろりと唇を舐めるエドゥアールヴァレットに、シャルルはそういえばと思い出す。  彼は贄の血を啜っていたことを。ひぇっと枕を抱いて逃げるように腰を引かせてば、抱きしめられてしまった。 「血を吸いつくすことはしない。たしなむ程度に止めよう」 「そうしてくれないと困る」 「番を殺めるようなことを私はしない」  番となったのだからとちゅっと額に口付けを落とすエドゥアールヴァレットにシャルルは困惑する。なんだか、甘くないかこの雰囲気と。  いやいや、一回性行為をしただけだぞと思いながら彼を見遣れば、なんとも優しげな眼を向けられていた。  シャルルが何か隠し事をしているというのを知っていて、利用するといいと言いながらこの神龍は何がしたいのだと困惑する。  そんなシャルルに気づいているようで、エドゥアールヴァレットは「君は面白く、愛らしい」と耳元で囁いた。 「行為の時の鳴き声や表情というのは実に愛らしかった」 「や、やめろ。言うな」 「耳を塞ぐことではないと思うのだが?」 「うるさい。分かったから、俺が番になったのはわかったから」  だからもう言わないでと睨めば、エドゥアールヴァレットはなんとも楽しそうに口角を上げた。  謁見の間で話している時は表情が変わらなかったというのに、こういう時だけ分かりやすく変化するのはどうなんだと突っ込んでやりたいが言葉が出ない。もう恥ずかしさやらなんやらで感情がぐちゃぐちゃになっていた。  だから、シャルルは「もういい」とまた枕に顔を埋めてやり過ごそうとする。それを阻止するようにエドゥアールヴァレットが耳を食めば、変な声を上げてしまい駄目だった。  暫くそんな攻防をしてからシャルルは負けを認めた。自分は番になったのだと。  シャルルが起き上がれるようになった頃にはウーリンとヤーヘンが婚姻祝いという料理の準備が終わっていた。それにまたシャルルが顔を覆ってしまったのだが、二人は不思議そうに顔を見合わせるだけだった。

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