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第4話 俺と結婚してよ、ハロルド
ぱん、ぱん、ぱん、
勢いよく肉が弾ける音が響いた。
「あっ、あっ、ああっ、や、やめっ、」
「はぁ、ハル。かわいい。かわいいね、とけちゃった顔して」
「あんっ、あっ、だっ、だめ、だめですっ」
力強い雄が熱い。
ハロルドは頭が沸騰しそうだった。
押し込まれ、揺さぶられる度に気持ちいいところに当たる。口からは唾液が零れて、声を抑える余裕なんかなかった。
「ハルが俺と結婚してくれたらさ、全部解決するじゃん」
「あっ、あっ、だ、だめっ、だめ、」
「だめ? なんで? 俺、こんなにハルのこと好きなのに」
すき、という言葉が、ハロルドの中でこだました。
下半身から込み上げてくる甘い刺激に犯されながら、必死でシーツをつかむ。
すき、すきって。
小さい頃から面倒を見てきたルシアン王子の姿がよぎる。ころころと笑う笑顔、拗ねたようにふくれる顔。可愛らしかった、けれど。
見上げると、激しい独占欲を露わにし、ハロルドの全てを我が物にしようと全身から求めてくる、ルシアン王子の姿が目に入る。
ーーーもう、立派な男だった。
がつん、と腰を強く穿ち、しっかりした両腕で押さえ込んで、喰らい尽くすようにハロルドを欲している。
(すき、ルシアン王子が、わたしを………)
言葉より何より、いまハロルドが全身で感じている甘い刺激が、その証拠だった。
「ねえ、俺と結婚してよ、ハロルド」
「………っ!」
「他の誰を連れてきたって、俺はイエスって言わないよ。ねえ、わかってるでしょ」
ーーー何人、何十人と紹介したって。俺はハロルドとしか結婚しないよ。
耳元で囁かれる声が、ハロルドに届く。
ぎゅうっと胸が締め付けられた。
ルシアンが結婚するのは自分だけ。ほかに誰をつれてきたって。
その言葉の重みは知っている。ルシアンは本気だ。本気で、
本気で、自分と結婚したいと願っている。
「………っ、あっ、ぁんっ、殿下っ」
「ルシ」
「…………っ!」
「昔みたいにルシって呼んでよ。殿下って呼ばれるのさみしい」
ルシアンは色っぽい声でハロルドの耳元で囁いた。そのまま耳をかぷりと甘噛みをして、ふちをじゅるじゅると吸った。
すぐ近くで響くいやらしい音に、ハロルドの腰が跳ねた。背骨から、全身から、びくびくと跳ねる。
「る、ルシさま……っ」
「なあに? ハル?」
「あっ、ああっ、あっ、あっ、まって、まって」
「しゃべれない? もー、かわいいなぁ」
最奥を、太いペニスでぐりぐりと押される。乳首をカリカリと引っかかれ、全身の性感帯を刺激されて、わけがわかんなくなっていた。
ハロルドの顔はどろどろだった。涙と、唾液と、汗とで、ぐちゃぐちゃだった。
「かわいい、ハル。大好き。ずっと大好きだよ。初めて会ったときからずっと」
「あっ、あ、ああっ、だめ、だめっ」
「ハルは俺のこと好き? 嫌い?」
ぐりっ、と強く穿たれ、「ああっ」と嬌声を上げる。
「すきっ、すきです、ルシさまっ、」
「…………ハル」
「わたしもっ、すきですっ、でもっ、ルシさまは、王子だからっ、わ、わたし、なんかっ」
弱々しい手つきでハロルドはルシアンを突っぱねる。もう力も入っていなく、ギリギリの理性が働いているだけだった。
流されちゃいけない、自分はただの執事だからと、必死で言い聞かせる。
「………そっか」
ルシアンの低い声が耳に届いた。
一瞬腰の動きがとまり、ハロルドは乱れた呼吸を整えた。
「じゃあ、国を変える」
がつん、と勢いよく突き上げられた。
「えっ、あっ、ああっ、ま、まって、まって、ルシさまっ」
「ハルと結婚できる法律を作る。文句言うヤツは全員クビ。それならいい?」
「あっ、ああっ、まって、や、やああっ」
「俺はハル以外要らないんだよ」
切羽詰まったように、腰の動きが速くなる。
ハロルドはぐらぐら揺れる視界で、ルシアンを見上げる。
ルシアンは綺麗な顔を切なく歪ませていた。
「ほかには何が不安? 何がいや? どうしてハルはイエスって言わないの」
「ああっ、あっ、あっ、」
「俺、なんでもするよ。ねえ、なんでハルは俺と結婚したくないの」
ーーーおれは、こんなにハルのこと好きなのに
ルシアンの必死な声がする。
快楽で溶けた頭に、じわりと染みてくる。
いつものルシアン王子からは想像もつかないくらい、真に迫った、切ない声だった。
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