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第1話 お嬢様、問題しかありませんが!?護衛の仕事はドレスを着ること!?

「嫌よっ! 絶対に行くわ! 友達はみんな行くのよ?! キャシーにアリア、リリーだって! 誰が何と言おうと構わないわっ、絶対に行くのっ!」 今日は月に一度スチュアート邸にて開催されている舞踏会の日で、年頃のルイーザもそういった社交の場が気になる年頃だ。 友人たちもこぞって集まるともなれば、これは行くしかないだろう。 「お嬢様、今夜は旦那様も奥様もいらっしゃりませんので、お一人では無理ですよ……。 本日は無茶を仰らないでくださいまし」 メイド長のマリアがオロオロした様子でルイーザをなだめていた。 「じゃあ、アイビーを護衛として連れて行くわ! それならば問題ないでしょ?」 「「お嬢様っ! 問題しかありませんがっ?」」 マリアとアイビーがハモった。 アイビーはルイーザと年齢が同じだ。しかも男ながらにハッキリ言ってルイーザよりも華奢な、もの凄い美少女タイプだ。 とてもじゃないが、ルイーザを守れる逞しい男ではない。 だがこうなってはルイーザは収まらない。 「はぁ……ルイーザ様がくれぐれも無茶をなさらないように。あの方は本当に何をやらかすか……ブツブツ」 結局アイビーには拒否権はなく、あっさりと同行することになってしまった。 「今日のパーティーはエリーゼ・スチュアート様の意向で、女性だけの舞踏会なのよ! 素敵じゃない?!」 「あら、早く仰ってくださいまし。女性だけだなんて、どれだけホッとすることか……。ねえ、アイビー」 「いや、あの、ほんと問題しかないんですけど。男の僕入れないじゃないですか。あ、でも女性だけなら僕いなくても心配もない……ブツブツ」 「ブツブツ言ってる場合じゃないのよ! 急いでメイクしてあげて! あなた小柄だからドレスは私の昨年着てた物で良いわ。 あ、これはあなたにあげる! ずっとアイビーに似合うと思っていたの! 深い夜の色をした宝石よ……中にキラキラと星が見えるでしょ? このドレスにもとても良く似合うわ!  そうだわ! この機会にアイビーにも何着かドレスを用意しておきましょう!  私も新しい物を新調する頃ですし。ホホホッ」 「(ホホホッ……じゃねーよ。何でドレスなんだ?? ほんと僕どうすんだよ! こんなドレス着せられて! ほんとに護衛なんてできんの? 邪魔者以外の何者でもなくない?) お嬢様、考えを改めて……僕がいてもただの足手纏いで、危険な目にあったらどうすれば良いのか……」 「あ〜うるさい! 行くわよ、ほらっっ!」 アイビーはルイーザに半ば引きずられるようにして馬車へ押し込まれた。 窓から見た空はルイーザからもらったペンダントと同じ色をしていた。 ────── 馬車から降り立ち二人は舞踏会の行われている広間へ案内された。 そこはアイビーの目にする世界とは別世界だ。優雅に美しいドレスを着て舞う女性たち。どこか幻想的だ。 「エリーゼ様素敵……私あの方の大ファンなのよ! 今夜絶対にお近づきになってみせるわ!」 「(えっ? どーりで同じ年頃の男子には目もくれないと思っていた。ってか女性が好きなのか?……いや、そこまで踏み込むのはよそう……)」 「アイビーは好きにしてて良いわよ。ほら。可愛い子いっぱいいるじゃない。ガールフレンドでも作れば?」 「えぇ? ルイーザ様! 無責任な! 僕今女なんですよ! ガールフレンドなんてできるわけないでしょう? 身分も偽っているのに、どうして友達なんて……あ! ルイーザ様! 待って!」 アイビーは途方に暮れて壁の花になっていた。 フロアでは10代の幼い少女から若い娘まで皆が思い思いに踊っていた。 ────── 「ねえ、一人で何しているの?」

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