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最終話 煌めく君とふたり

 牟礼は「千真」と橋本、前の会社であった出来事――辛い過去をほとんど感情を入れないように淡々と語った。それが逆に牟礼が何でもないことにしようとしているように感じて、胸を締め付けるような痛みを覚えた。 「……岸さんを初めて見た時、どことなく千真に似ていて、気付くと自然と惹かれていました」  太腿の上で両手の指を絡ませたり解いたりして、落ち着かない様子で言う。 「でも、岸さんを知れば知るほど、千真とは全然似ていませんでしたけど」 「それって褒めてるのか?」  牟礼の中ではどうか分からないが、「初恋の人」というのはその人の中で神聖化と言ってもいいほど特別な存在になるものらしい。  牟礼の話の感じから向こうは相当モテていたようだし、恐らく顔もいいんだろう。俺はどう考えてもその「神」には勝てないと思うのだが……。 「はい。岸さんは思いやりがあって……すごく、優しいので」 「優しい、ね……」  今まで別れた恋人にも付き合い初めの頃はよく言われたが、最終的には「薄情者」と言われるに至っていたことを思うと、「優しい」というのはその程度のものかもしれないと不安になった。 「でも、牟礼はそんなトラウマがあっても、俺と一緒に居ることを選んでくれたんだよな?」  そう、牟礼の初恋相手がイケメンだろうとなんだろうと今は関係ない。俺はソファの背に腕を置き、牟礼に向き直る。前髪から覗く目を丸くして俺を見詰めた。引き結んだ唇が少し緩む。 「と、とりあえず食事にするか? 気が削がれたかもしれないが、今日はクリスマスイブだし、チキンとケーキを食べないことにはな」  危なかった! 一瞬理性が明後日の方へ飛んでいった!  さっと牟礼から離れてキッチンに逃げ込む。危うく勢いでキスしようとしてしまったが、すんでのところで理性で身体を縛り付けて抑え込んだ。 「な、何か手伝うことは……」 「ああ、大丈夫。全部出来合いだし、温めるだけだから」  サラダと取り皿をダイニングテーブルの上に置き、オードブルを先に温める。椅子を引いて座るように促すと、牟礼はリビングに置いていたコップを持ってきてダイニングテーブルに座った。 「悪い、シャンパンとか酒買うの忘れてた。ビールならあるんだが……」  普段酒を飲まないのですっかり頭から抜けていた。というか、そういうものを用意すると「そんな雰囲気」になりかねないと本能的に避けていたのかもしれない。 「お酒はあまり強くないので、大丈夫です。飲みたい気分でもないですし」 「そうか、じゃあ烏龍茶でいいか」  飲みたい気分の時があるのか? と聞くのは野暮な気がして聞かなかったが、牟礼としては約束通り食事をしに来ただけで、箍が外れるようなことはしないということなのだろう。俺がひとりで浮ついて空回っているだけだと冷静になる。 「乾杯!」  温めたオードブルとチキンをテーブルに並べ、烏龍茶で乾杯する。サラダは二人分に取り分け、オードブルは各々好きに取ることにした。 「クリスマスはやっぱりローストチキンだな」 「そうなんですね。僕はずっと唐揚げとかフライドチキンでした」  骨を持って齧り付いていると、牟礼が同じようにチキンを手に取る。 「あ、そっち派だったか? 聞けばよかったな」 「そうじゃなくて……! 小さい頃はそんな美味しいもの食べられなかったし、施設だとローストチキンどころかケーキも出ませんし、高専の寮では大量に作れるフライドチキンだったんです」  もしかして、牟礼は今日初めてクリスマスをまともに祝っているのかもしれない。骨付きチキンに戸惑うように齧りつく姿に、心の底から大事にしないと、と思う。  食事を片付けて――やはり買い過ぎてオードブルが半分くらい余った――、ケーキを冷蔵庫から取り出す。ブッシュドノエルをテーブルの真ん中に置くと、牟礼が目を輝かせて少し身を乗り出してケーキを見詰めた。  丸太の形をしたチョコレートケーキで、上にサンタクロースのメレンゲ菓子と「MERRY CHRISTMAS」のホワイトチョコのプレート、飾りの柊が乗っている。 「ブッシュドノエルも初めてか?」 「はい。ホールケーキは前に一人で食べてみたんですけど、ブッシュドノエルはまだ未体験だったので食べてみたくて」  二、三人分と書かれていたケーキを購入したが、食事の後なので量は少なめがいいだろう。サンタ達を退避させて半分に切って、さらにその半分を皿に載せる。そして飾りのサンタやプレートを牟礼の皿の上に盛り付けた。 「あっ僕が全部もらっていいんですか?」 「ああ、もらってくれ」  そもそも甘い物がそんなに得意じゃないというのもあるが、牟礼がサンタやプレートで喜んでくれるなら、最早俺はそれ以上望むものはない。 小さくなった一人分のクリスマスケーキを「頂きます」と小さくいってフォークを手に取り、端の方を一口サイズに切って口に運ぶ。口に入れて緩む口元を見て、俺の顔も綻んだ。 「岸さんは食べないんですか?」 「俺はいいかな。一人分食べきる自信ないから」  俺が甘い物が苦手なことを思い出したようで、再びケーキをフォークで一口サイズにすると、その先を俺に差し出した。 「……ひと口、食べます?」  顔を真っ赤にして俺にケーキを差し出す牟礼に、思わず羞恥心が伝染して顔を熱くしながらケーキを頬張る。口の中に広がるチョコレートの甘い味とこの少女漫画で何百回と見たシチュエーションの効果で、今まで食べたケーキの中で恐らく一番甘いケーキになっただろう。  意識をしないように、理性を保つように、必死になっていることを当の本人は知らないのだろうけれど。高鳴る鼓動を鎮めようとしても、目の前でケーキを口いっぱいに頬張る幸せそうな恋人を前にしたら、抑え込むのは容易じゃなかった。 「ケーキの残りどうする? 味気ないけど、タッパーに入れて持って帰るか?」  ケーキを食べ終えた後、何となく帰る雰囲気だろうと片付けを始める。オードブルはいいとしても、ケーキは余っても自分では食べ切れない。 「明日……食べたら、ダメですか?」 「明日? 多分明日までなら消費期限ギリ……」  ――いや、このトーンは違う意味じゃないか?  振り返ると牟礼が顔から耳、首まで真っ赤になって俺を見詰めていた。理性を働かせ過ぎていて見逃すところだった。 「あー……一つ確認してもいいか?」 「はい」 「今更ではあるんだが……牟礼は俺を好きってことでいいのか?」  俺の告白に頷いてくれたから、同意はしてくれているけど、明確に言われたわけではない。性格的にはっきりさせないと気が済まないので、改めて聞いてしまった。 「……はい。好き、です……岸さんのことが、好きです」  顔を紅潮させて、俯き加減に上目遣いで俺を見詰める牟礼を見て、衝動的に抱き締めていた。自分でも意味が分からないくらい、心臓が高鳴って抱き寄せた腕も緊張で硬直している。 「恋人ってことでいいんだよな?」 「……寧ろ岸さんは僕が恋人で――」 「いいに決まってるだろ! 俺が心の底から初めて好きになった人なんだよ、牟礼は!」  身体を離し、顔を見ると眉根を寄せて苦しそうな表情で俺を見詰めていた。  ――『美しい世界』は、非現実にしか存在しない『都合のいい物語』――  牟礼が言いたいことは、きっと橋本のような言葉を浴びせる人間がこれから先にもいるだろうこと、ただ好きな人を好きでいるだけで後ろ指を差されるかもしれないこと、俺は同性愛者じゃないのだから牟礼でなくてもいいはずだということ、その覚悟があるのか、だ。  しかし、そんな他人とかいうどうでもいい存在のために覚悟を必要とされるのも腹立たしい。俺は牟礼を好きだ。牟礼も俺を好きだと言ってくれてる。二人が想い合っているだけで十分だろう。その他の雑音なんかどうだって。 「僕、男ですよ。本当に、僕で……」  何か我慢していた糸がぷつんと切れるような感覚があった。俺は牟礼の手を引いて寝室のドアを開け放ち、中に入る。ベッドを前にして顔を強張らせる牟礼を見て納得した。そうか、覚悟をするのは俺じゃなくて、牟礼の方だったのか、と。  ベッドに牟礼を押し倒して、唇を押し付ける。固く閉じた唇に舌を捩じ込み、無理矢理抉じ開けた。下で上顎の裏を舐めると牟礼の身体がびくっと震え、吐息を漏らす。  牟礼の官能を刺激する反応に、興奮が高まってきて、舌を絡ませて貪るようにキスをした。ケーキの味で甘ったるく、頭の奥が痺れるような感覚を覚える。  唇を離し身体を起こして、間接照明を点けた。俺の下で身を硬くしている牟礼を見下ろし、シャツを脱ぎ捨てる。 「当ててやろうか? この先の人生でやめとけばよかったなって思うのは、俺じゃなくて牟礼の方だからな」  上半身裸になった俺を見上げる牟礼が小さく息を吐くのを見て、ふっと笑みを浮かべて、牟礼の長い前髪を掻き上げた。 「だから、やめとくなら今のうちだぞ」  このまま抱いてしまったら、きっともう誰にも渡したくなくなる。だから、最後のなけなしの理性がギリ働いてる今なら、手を離してやれる。  牟礼が前髪を掻き上げていた手を取り、指を絡ませてぎゅっと握った。 「岸さんが……岸さんじゃないと、嫌です」  普段前髪で目元を隠しているし、感情を表情に表さないから分かりにくいだけで、牟礼は俺が思うよりもずっと愛情深くて、ずっと情熱的なのだ。 「……一生側に、居てください」  これは「都合のいい物語」じゃない。「一生」なんて本当にあるのかどうか分からない。だから、俺は牟礼に、牟礼は俺に証明していくのだ。これから二度と瞼を開くことがなくなる日まで、一生を懸けて。  再び顔を寄せ口付けると、今度は牟礼の方から口を開けて舌を招き入れた。俺は牟礼のニットのセーターを捲り上げ、牟礼の腹から胸へと掌で撫でる。 「っ……ん」  乳首に指先が触れると甘い声が漏れ出した。両手で突起を刺激し始めると、甘い吐息と一緒に身悶え始める。特に腰がもっと刺激を欲するように動いた。  唇を離しセーターを剝ぎ取る。牟礼の白い肌は薄暗い部屋でも分かるほど、ピンクに染まっている。そのピンク色の中にはっきりとした赤色の突起が二つ並んでいた。牟礼が首まで赤くしているのを見て全身赤くなっているのを想像していたが、想像を超えて情欲を掻き立てられる姿だった。 「牟礼、可愛いよ」 「あっ待っ……っあ!」  牟礼のズボンのホックを外し、チャックを下ろして牟礼の下着の中に手を入れる。牟礼は慌てて止めようとしたが、半勃ちの陰茎が俺の手に触れると、腰をびくんと震わせた。 「あっあぁっ……!」  竿を上下に扱くと直ぐに硬くなり、先端から先走りが溢れ出て、茎を濡らした。胸の赤い突起を口に含んで舌で転がすように愛撫すると、堪らず声を漏らし腰が揺れる。 「んっ……あ、だめっ……っ、あぁッ!」  手の中でびくびくと脈打ち、どろりとした白濁が放たれる。濡れた手と額に汗を浮かべ、荒い呼吸を繰り返す牟礼を見て、全身の血が滾るような感覚に思わず熱い息を溢した。もっと触れたい、もっと深いところまで――そんな劣情に駆られ、牟礼のパンツと下着を引き下ろした。 「あっう、後ろ向きます」  身体を見られるのを隠すように身体を反転させようとしたが、牟礼の細い腰を掴んで引き寄せ両脚を腕に抱え込む。 「逃げるなよ。残念だけど、もう離してやらないぞ」  と、牟礼の身体が小さく震える。牟礼の視線の先には俺の怒張した陰茎が、服越しに当たっていた。自分がこれから何をされるか意識したに違いない。  ベルトを外し、チャックを下ろしズボンを脱ぎ捨てる。まだ何も刺激を受けていないはずの俺の竿は、先端が下着から飛び出しそうなほど昂って硬くなっていた。  ベッドサイドのチェストの引き出しから未開封のゴムの箱を取り出し、フィルムを剥がして一つ手に取った。今週理性がどうかしていた時に何かあったらと買っておいてよかった。  ジェルで濡れたゴムを指に付けて、牟礼の片脚を掴んで開かせる。両脚の付け根、小さな尻の柔肉の狭間に、ひくついた蕾が露わになった。 「ここ、触るけど、いいよな?」 「……っ」  指先で襞を撫でるように触れる。牟礼は短く息を吐くと、小さく頷いた。 「うぅ……っ、ん……」  襞を拡げるようにして指を挿入れる。狭いがゆっくりと奥に入っていき、指一本なら根元まで挿入った。  ……いや、こんなにすんなりと挿入るものなのか?  BL作品の参考にとリアルな体験談を書いたブログを読んだりゲイビデオを観たりもしたが、ゲイビは事前準備がされているので、そういうシーンはカットされて行為のみがクローズアップされていたが、ブログの方はネコ――受けの場合は事前に洗浄など準備が必要で、負担が大きいと書かれていた。 「牟礼……まさかとは思うが、今日抱かれるかもと思って準備してきてたりするか……?」  俺を見詰める瞳が大きく見開かれる。そしてみるみるうちに顔が発火しそうなほど真っ赤になって、唇を引き結んだ。返事はなくても、それだけで答えとしては充分だ。  今日約束よりも一時間早く着いて待っていた時も、俺が危うく理性が飛んでキスしそうになった時も、料理やケーキを食べながら和やかに会話を楽しんでいた時も、この後俺に抱かれるかもしれないと頭の片隅に過ぎったりしたのだろうか。 「はは、まずい……興奮するな、それ」 「っ……う、んっ……!」  指を一本増やす。流石に二本だときついが動かせないほどではない。中を拡げるようにゆっくり動かしながら挿入する。と、指先に豆粒大の大きさのしこりのようなものの感触を覚え、指の腹で軽く押し上げた。 「っあッ……! そこ、ッあ! や、あっ……!」  牟礼はびくびくと腰を震わせ、喘ぎ声を上げた。嫌だと言いながら悦楽に呑まれそうになっているその淫猥な姿に嗜虐心を煽られて、性感帯を執拗に責め立てる。指に吸い付くように中が収縮するのを感じた。 「も、やめてっ……あッだめっ、だめっあっ、あァッ……!」  がくがくと激しく腰を震わせると、白濁を自らの身体に飛び散らせた。指を引き抜くと、孔が小さく口を開いたままひくついている。牟礼が後ろを愛撫されて絶頂に達したのだと思うと、湧き上がる興奮を抑えきれなかった。  しかし、俺を見詰める牟礼の瞳に湛えられた涙が零れ落ちるのを見て、息を吞む。 「もう、こんなの無理です……僕ばっかり……」 「わ、悪い、こんな無理強いするつもりじゃ――」  言い掛けた俺の言葉を遮るように、牟礼は首を横に振った。 「岸さんと……一緒に気持ちよくなりたかった」  自分が触りたい、気持ち良くしたい、乱れる姿が見たい――そんな欲求を一方的に向けていたことに気付いた。独りよがりでは駄目だ、二人でするのがセックスなのだから。  俺はチェストの上に置いていた箱から新しくゴムを取り、封を破った。そして、下着を下ろし昂った肉棒に装着する。愛撫を欲するように濡れそぼった秘蕾に先端を宛がった。 「待たせて悪かった。一緒に気持ち良くなろう。……向葵」 「ッ、あッ……!」  牟礼の細い腰を強く引き寄せ、杭を突き立てる。それなりに太さと長さがあるが、それでも七割くらいが牟礼の小さな尻に収まったかと思うと昂りを抑えきれなかった。 「あっ、はぁっ、あんッ……!」  腰を揺らす度に牟礼の中が俺の肉茎を締め付け、絞るように蠢く。と、牟礼は俺の首に腕を回し俺の顔を引き寄せて唇を重ねた。まるで強請るようなキスに、俺は深く口付けを交わしながら、激しく律動を繰り返した。 「気持ちいいよ、向葵……全身が充たされるような気分だ……」  俺が突き立てる度に甘イキをして腰を痙攣させ、締め付け、俺を絶頂へと昂らせていく。真っ直ぐに見詰める大きな茶の瞳に囚われて目を離せない。 「ッ、好きっ、好きですっ……千之、さん……ッ」 「……ッ、向葵……っ!」  牟礼に下の名前を呼ばれるとは思わず、心臓に矢が刺さったかのような衝撃が身体を突き抜けていった。その衝撃のまま、牟礼の中で飛沫を放った。  俺の身体を充たす快感に酔い痴れたまま、一部を牟礼の中から抜き取る。と、牟礼は小さく身体を震わせて俺を見詰めた。  のぼせたような赤くなった顔も、俺を捉えて離さない瞳も、愛おしくて堪らなかった。  俺は牟礼にそっと口付け、微笑んだ。牟礼は安堵したように目を閉じると、そのまま静かに眠りに落ちていった。  目が覚めると、辺りは明るくなっていた。あの後、牟礼の身体を濡れタオルで拭いた後、牟礼の隣に横になったら、ふいに眠気に襲われてそのまま眠ってしまったようだ。  朝のジョギングの時間だと身体を起こそうとした時、牟礼が身動いだ。そして、瞼がゆっくりと持ち上がり、俺の眼と焦点が合う。 「……おはようございます」  そう言って、牟礼は小さな蕾が花開くように、柔らかな笑みを浮かべた。大きな瞳に太陽の光が差し込み、ブラウンの虹彩の中で星が瞬いているかのように、煌々と輝いている。  ――ああ、なんて美しい光景なんだろう。  気付くと俺の目からは、一筋の涙が零れ落ちていた。  牟礼は言った。「『美しい世界』は、非現実にしか存在しない『都合のいい物語』」だと。  しかしどうだろう。今、俺の目の前にあるのは、非現実にしか存在しないはずの、愛おしい人が俺を愛おしそうに見詰めて、微笑んでくれる、正しく「都合のいい物語」で、「美しい世界」だ。これ以上を求めるならば、罰が当たってしまいそうなほど幸福な。 「どうしたんですか……?」  心配そうに俺を見詰める牟礼は、俺に手を伸ばしてそっと頬に触れた。 「いや、人間っていうのは、幸せ過ぎても泣けるらしい」  俺はその頬に添えられた手に手を重ねて、照れ笑いを返した。  朝露に花弁を濡らし、陽の光を浴びて美しく煌めく花のような君とふたり、生きて行けたなら。 「おはよう」  ただそれだけを強く願いながら、俺は愛おしい人を抱き寄せた。

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