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 スポットライトの下、息を吐く。  宙に舞った埃が、きらきらと輝いた。  地下ホールは暖房が動いてもなお、足から冷える。  小さな画面の中に、青年が囚われている。  右手に握り締めた、ビデオカメラの中。隅に浮かぶ日付には1が四つ並び、時刻が刻一刻と書き換わる。  青年は静かに、何かを諦めたように笑んでいた。  その笑みは、助けを求める顔じゃない。  ――画面ごと握りつぶしたい。  ――なのに目が離せない。  青年は服を脱ぎ、床へ投げ捨てる。  躊躇わず。  恥じらわず。  震えることもなく。  やがて、白い身体を光の下に晒した。  光の冷たさに、肌が粟立つ。 「……抱き締められたり、キスされたり、したくないです」  折れそうな首を一周する、青白い首輪。  反射する鋭い光。 「だから」  息を飲み込む。  ――俺の知ってるお前は、そんな風に笑わない。  ――『助けて』と言ってくれ。 「僕はただの肉です」  青年の告白に耳を塞ぐことも、目を瞑ることも、許されない。  こめかみに力が入りすぎて、頭が痛い。  黒いスーツの裾が、冷気を孕む。  天井の配管が、気味の悪い唸り声を上げ続けている。  今まで気にならなかった低い振動音が、靴の裏から響く。  インカムが電波を拾った。  酒焼けした男の声が、耳に落ちる。 『客が見てる。気張れよムサシ』  ビデオカメラを持っているだけで、息苦しい。  喉の奥で、声にならないものが突き上げる。  手の中のモノを、床にたたきつけたい。  そんな怒りを押さえ付けながら  ――イオリ!  青年の名を、胸の中で叫んだ。

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