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第1話 俺と

「お前、俺と寝られる?」  男はそう言った。  こちらの事情をすべて知ったうえで、そうもちかけてきた。  男と寝るなんて冗談じゃない。きっと、以前の自分なら即座にそう言っただろう。  でももう、そんなこと言っている場合じゃない。  だってなにもかもが変わってしまったのだから。  なにもかもがすでに失われてしまったのだから。  ――お兄ちゃんはほんとお人好し。  ――義務とかそんなのどうでもいいじゃない。人のためじゃなく、自分のために生きなさいよ。  あの声を取り戻すためになにを躊躇う必要がある?  こちらを見る闇魔術師の目。  それを見据え、ひとつ息を吸う。  考えるまでもなく、結論は出ていた。  この男と繋がることで望むものが手に入る。だったら迷うことなんて、ない。 「しよう」  きっぱりと言うと、男はわずかに目を見張ってから、ん、と短く頷いて目を伏せた。  

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