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アクアが驚いたようにレンを見上げている。
そして、みんなが驚いている中、一人だけ冷たい表情をしている者がいた。その金の瞳がじっとレンとアクアを見つめていることに、興奮しているレンは気が付かなかった。
レンの頭の中はただ一つのことでいっぱいだった。
(アクアを攻略して、レンルートにする……!)
珍しくアルシオンが気圧されたように目を見開いていた。そして、思わず頷きかけた時。
「……二人だけだと心配だな」
低い声が遮った。
見てみると、にこやかに笑うオルキウスだった。
しかし、その顔を見てレンはびくりとした。
(なんか、圧すごくね……?)
「……ああ、確かに、そうだな。暴れ鮫と二人きりはアクアが心配だ」
オルキウスの言葉に、ハッとしたようにアルシオンが頷いた。
レンは愕然とする。
「レン」
オルキウスはレンたちへ向き直った。
「俺も入るよ」
これ以上ないくらい爽やかな笑みに、レンはひきつった笑みを浮かべた。
「……え?」
「異論はないな」
アルシオンの一言で、その場で三人一組が決まった。
それから、レンのアクア攻略は本格的に始まった。
「アクア! 昼飯食べようぜ」
「あ、レン。偶然だね。俺も一緒に良いかな」
「お、オル? お、おう」
「……アクア! 次のダンジョンだけどよ」
「レン。そこ、アクアはまだレベル的に足りないから、俺ら二人で行こう」
「オル。お、おう……」
「…………アクア!」
「レン」
「……オル」
「………………アクア!!」
「レン」
「……………………アクア!!!」
「レン」
「なんでだよおおおおおおお!!!!」
悲痛な叫びが、生徒会室中に響き渡った。
「ちょ、なに、うるさい」
フィンが耳に手を当てて顔をしかめる。
「うるせえええ! これが叫ばずにいられるかああ!」
ビリビリと空間が震えるほどの咆哮をし、レンは地団駄を踏んだ。
「子供みたい」
ルカがおっとりとレンを見ながらつぶやく。
アクアは苦笑いしていた。
アルシオンは心底嫌そうな顔をしている。
そして、オルキウスはというと。
「どうした? 話聞こうか?」
満面の笑みでレンの肩を叩く。
レンはオルキウスのきらきらとした王子スマイルを見て目を見開き、体をわなわなと震わせた。
「ぐああああああ!!!」
言葉にならない感情のまま、恐竜の如く吠える。
生徒会室の窓ガラスがびりびりと震えた。
「だからうっさい!」とフィンにペンを投げられて、頭にヒットした。
でも、HPは一ミリも減らなかった。
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