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16-1 攻略!
生徒会役員だけへの任務だと思い込み、話を半分ほど聞き流していたレンは首を傾げた。
「……そう睨むな。これは俺の意思じゃない。王家からの勅命だ」
「え」
その言葉に、目を見開く。
フィンが驚いたように声を上げた。
「王家って……アルシオンの実家?」
「そうだ」
「ひゃあー。やっぱ暴れ鮫くん、そんな強いんだ」
アルシオンが苦々しそうに腕を組んで言う。
「……俺は反対したんだがな。やつの戦力は一個大隊以上だと元老院が判断したんだ」
「えっ、一個大隊!? 暴れ鮫くん一人で!?」
フィンが驚きの声を上げる。
レンも驚いていた。
(え、俺そんなに認められてんのか?)
なぜだろう。
喜ばしいはずなのに、素直には喜べなかった。
前世の自分なら、「そんな大役、無理です」と逃げ出していた気がする。
「元老院かあ。相当すごい人たちに認められてるんだねえ」
ルカが感心したように言う。
その言葉に、レンはふと疑問に思った。
(あれ? 元老院なんて、ゲームにいたか?)
この世界に元老院という組織があること自体は知っている。
王国の最高意思決定機関だ。
だが、攻略本にもシナリオにも一度も名前が出てこなかったはずだ。
(すごそうな人たちなのに、そういや原作に登場しねえ。おかしいな……?)
考えていると、ふと無言だったオルキウスが席を立った。
「俺は……レンたちが行くのは反対だな」
一瞬、生徒会室がしんと静まり返った。
レンははっとしてオルキウスを見上げる。
「オル……?」
「えー、なんでよ。絶対暴れ鮫くんいた方が良いじゃん~。アクアだって、最近頑張ってるじゃん」
レンは信じられない気持ちでオルキウスを見つめる。
オルキウスはレンを見ないまま告げる。
「正式な役員ですらない補佐まで危険に晒す必要はない。未知のダンジョンだぞ」
「だが……勅命だ」
「勅命、ね……」
オルキウスはふと目を伏せる。
その金色の瞳に陰がかかったように見えた。
「どうした、オルキウス。らしくないぞ」
アルシオンが眉をひそめた。オルキウスは一つ息を吐くと、レンとアクアの隣に立つ。
「二人を行かせるなら、いつでも帰還魔法が使えるように準備しておいてほしい」
「……いいだろう」
「お、オル……。俺なら大丈夫だぜ?」
レンが腕をまくってその逞しい腕を見せると、オルキウスが呆れたようにため息を吐いて首を振った。
「……なんにせよ、俺が二人を守るから」
オルキウスの言葉に、レンは胸の奥がぎゅっとつかまれたような気がした。
ぽやっとオルキウスを見つめる。
そして、はっとして隣のアクアを見た。
アクアは大きな目を丸くしていた。
その白く透き通った頬が薔薇色に染まっている気がして、レンはとっさにアクアの肩に腕を置いた。
「お、俺がいるんだ! 安心しやがれ! 誰も怪我なんてさせねえ」
そう言い切ってギザ歯を見せながらスマイルを作って見せる。
オルキウスはなぜかますます不機嫌になったように、黒い笑みを深くした。
(俺、また地雷踏んだか……?)
レンは理由のわからないオルキウスの黒い笑みに、内心冷や汗をかきながら首を傾げた。
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