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その時、アルシオンが生徒会室に入ってきた。
「皆、席に着け」
気怠げに放たれたその一言に、役員たちは皆自分の席に着席する。
「新ダンジョンが発見された」
その一言に、生徒会室がざわつく。
「新ダンジョン!? マジ??」
フィンは目を輝かせる。
十七年生きてきて、新ダンジョンの発見だなんて初めてだ。
確か、最後に発見されたダンジョンは五十年は昔のことだったと思う。
「種類は?」
オルキウスが静かに問う。アルシオンは一つため息をついた。
「深海だ」
途端にざわめきが大きくなる。
深海ダンジョンは上級者しか入れない、レアなダンジョンだ。ユートランティア王国にはこれまで二つしかなかった。
「三つ目の深海ダンジョンですね」
アクアがごくりと喉を鳴らす。
「ああ。どんなダンジョンなのか見当もつかん。王族直属の冒険部隊が潜っていったが……三階層までしか行けなかったようだ」
「三階層……?」
ルカがぴくりと眉を動かす。
「随分浅いところで止まっちゃったんだね」
フィンは目を丸くした。
ダンジョンは階層が下るにつれて難易度が上がっていく。深海ダンジョンとはいえ、三階層までとは驚いた。
「そこでだ」
「え、やな予感」
フィンは苦笑した。
「俺たち全員で、新ダンジョン探索に行く」
アルシオンの言葉に、どよめきが起こる。フィンは天を仰いだ。
「やっぱり~……」
生徒会本部は、代々『王海の牙』と呼ばれる王国最強の学生戦闘集団だ。
そしてフィンたちの代は、その中でも特に優秀だとして、いつしか『黄金世代』と呼ばれるようになっていた。
誇らしくないわけではない。
でも。
「また『王海の牙』のお仕事ですかー? いくら俺たちが強いからって危険な仕事ばっか押しつけられるのは違くない?」
フィンは盛大なため息を吐いた。くるくると椅子を回す。
「危険じゃん絶対ー。生徒なのにー。貴族なのにー」
「非常事態だ。……そうも言ってられん」
「ええ~。ちゃんとヒーラー役は派遣されるんだよね?」
「ちゃんとマンタ一族の回復隊が同行する」
「……んじゃまあ、許容範囲かぁ」
フィンはちらりと補佐席を見た。
「やっぱ、正式な役員だけ?」
「……そのことだが」
わずかな期待を込めて言うと、アルシオンがいかにも嫌そうに口を開いた。
「アクア・マリステラとレン・ホワイトファングは……特別に同行させろとのことだ」
その言葉に、今までペットのウニを見ていたレンがぴくりと反応した。
アクアも驚いたように目を瞬かせる。
レンの鋭いギザ歯がのぞいた。
「……あぁ?」
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