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第10話 ※手のひらの上で転がされてる…?

 翌日の午後。  「リック、無理しなくていいんだよ」  「無理なんてしていません! 私がクロード様にご奉仕したいのです」  「奉仕なんて……リックがそばにいてくれるだけで満足なのに」  「そういう問題ではないのです」    クロード様の執務室でソファに座るご主人様に馬乗りになり、押し問答が繰り広げられていた。  昨夜、自分の主に散々甘やかされ、終始お世話されっぱなしだった俺は、今日こそ自分がクロード様にご奉仕する。  彼を気持ちよくさせるんだと意気込む。  少々躍起になっているのは否めないけど……こうでもしないと一生甘やかされっぱなしのような感じがして。  「ふふっ、君は本当に主人想いのいい子だね」  「むぅ……そうやってご機嫌を取ろうとしてもダメですから」  「ははっ。 手ごわかったか」  「もういいですっ!」  クロード様はいつも余裕があって、俺ばっかりが空回りしている気がする。  でも今日こそは……気を持ち直し、ご主人様のシャツのボタンを一つずつ外していった。  一つ外れる度に鍛えぬかれた筋肉が露わになっていく。  ゴクリッ。  思わず喉が鳴ってしまった。  「綺麗……」  「ありがとう。 君ほどじゃないけどね」  「わあ! 口に出してましたか?!」  死ぬほど恥ずかしい…………ご主人様は馬鹿にするでもなく、微笑んでくれている。  「素直な君も可愛いんだから、恥ずかしがる事はないよ」  「はい……」  もう何をやってもクロード様に勝てる気がしない。  とにかく集中するんだ……!  俺はまずご主人様がしてくれるみたいに首筋に吸い付き、鎖骨付近や綺麗な胸筋に舌を這わせていった。  「ん……くすぐったいよ」  どうしよう、気持ちいいって感じじゃなさそう。  むしろくすぐったくて笑いを堪えているように見える。  「らって、クロード様がほうやってるはら(だって、クロード様がこうやってるから)……」  「ひゃッ、あははっ! くすぐったい~~ははっ」  完全に笑い転げてしまったご主人様。  くそ――……全然上手くいかない……どうすれば…………そうだ!  昨夜、俺にしてくれたみたいにクロード様のアレを触れば気持ちよくなるに違いない。  そう思い、彼の股座から下りて床にしゃがみ込み、ご主人様のパンタロンをさげようとすると、ストップをかけられてしまう。  「ちょ、ちょっとリック! 何をしようとしているの?」  「昨夜私にしてくれた事をクロード様にもしようかと」  「それはダメだよ……!」  「どうしてです?」  「だって……っ」  俺はクロード様の顔を見上げながら、ご主人様の目に期待するかのような熱がこもっていたのを見逃さなかった。  「ココ、俺がお世話してもいいですか?」  「…………っ、こんな時に”俺”って使うなんてズルい」  そんな事を言いながらも期待している様子のご主人様が可愛い。  目の前にあるクロード様のソレは、興奮してきたのかみるみる硬くなっていく。  布の外から触ってみると、ご主人様から甘い声が——。  「ふっ……ん……」  クロード様が凄く興奮してる……先端が少し湿っている感じがする。  俺は中に手を入れ、すぐにソレを解放してあげた。  ブルンッとそそり勃つ剛直。  先端には先走りがすでに溢れている。  凄い、硬い、大きい、雄の匂いがする。  いい匂い……クロード様の匂いだ。  大好きな人の匂いが頭の奥に響き、クラクラしてくる。  いけない、集中しないと。  確か昨日はこうやって触っていたはず――――俺はクロード様がしてくれたように自分の手でそれを掴み、上下に優しく扱き始めた。  「は……ぁ…………」  「クロード様、気持ちいい?」  「ん……きもちいいよ」  「よかった」  先走りはどんどん溢れ、見ているだけで気持ち良さそうなのが伝わってくる。  こんなに溢れるものなんだ。  ご奉仕出来ている感じがしてきて嬉しくなった俺は、自分の手をどんどん激しく動かしていく。  「あっ、リックッ……はげし…………あぁっ」  俺の手の動きに会わせて、ご主人様の腰も動き、手のひらも何もかも彼から溢れ出る液でぬるぬる滑っていく。  クロード様の乱れる姿……なんて淫らで綺麗なんだ。  俺まで下半身が疼いてくる。  ご奉仕しなくちゃいけないのに。  でも我慢……今日はご主人様を気持ちよくする日だから集中しろ――――自分に言い聞かせながら、必死で手を動かした。  「あっ、あぁっ……リック、出るっ……イクッ……~~!!」  俺の手の中にあるご主人様の熱棒から、白濁とした液体が飛び散り、俺の顔を染めていく。  「あっ……ごめっ……リック……とまらな、ぃ…………」  すっかり興奮し切ったクロード様は、溢れ出る精をそのまま俺にかけ続けた。  俺は嫌がるどころかもっとしてほしくて……顔についた白濁を手に取り舌で舐めとっていく。  なんだかご主人様のものだとマーキングされているみたいだ。    「ん……クロード様の、おいひぃ」  やっとご主人様の役に立てた感じがして、とても心が満たされた。  直接口に出してくれればもっと舐められるのに。  なんて事を思っていたところで、今度はクロード様にソファに座らせられ、布で顔を綺麗にされていく。  「あ、勿体ない! せっかく舐めようと思って……」  「君って子は……っ」  何が彼の逆鱗に触れたのか、突然下半身に履いていたものを全て脱がされ、露わにされてしまう。  「クロード様?!」  「今度は私の番」  ご主人様は舌なめずりをして、いつもの優しい笑顔ではなく何か企んでいるような陰のある笑みを浮かべた。  俺はとても嫌な予感がして逃げようと思った。  けれどすぐに両太ももを持ち上げられ、後ろの穴を舌で責め立てながら前を手で扱かれ、体の自由を奪われてしまう。  「ひゃあ! あぁっ、だめぇ」  「ダメじゃないよ。 こんなに期待してヒクつかせているじゃないか」  「ちがっ」  「素直になるまでやめないよ」  「そ、そんなっ」  その後は舌から指に変わり、俺の弱い箇所を的確に責めながら前を口に含まれてしまう。  「ああっ、やめっ……それ、やぁぁ!」  「んんっ……」  俺のを舐めながら可愛い、可愛いと繰り返すクロード様。  あっという間に絶頂の波を迎えた俺の欲望を、今度はご主人様が全て飲み込んでいた。  「あ……あぁ…………そんな……っ」  「んっ…………ごちそうさま」  ペロリと舌を出しながら、微笑むご主人様は満足げだ。  快楽の余韻でくったりとしていた俺は、クロード様の姿を見て、敗北感でいっぱいだった。  「もう……また俺ばっかり……!」  「んふふっ。 君が気持ち良さそうな姿を見るのが好きなんだ」  好き――――不覚にもその二文字にドキッとしてしまう。  俺の事を好きと言ったわけじゃないのに。  でもクロード様のやりたい事を止めさせる事も出来ないし……でも俺だって気持ち良くさせたいんだ。  この世で一番大好きなご主人様だから。    「また次回頑張らせてください」  「懲りないんだから……そんなところも可愛いけどね」  どう頑張ってもクロード様の手のひらの上で転がされている感は否めない。  でも愛するご主人様へご奉仕したい俺の気持ちは強くなるばかり。  次こそ必ず主導権を握るんだと固い決意をして、執務室を後にし、仕事へと戻って行った。 

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