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第1話 ライバル商社マンと相部屋になりまして
松川温泉街の夜は、思っていたより静かだった。
駅前から続く商店街には、古い土産物屋の看板がまだ残っている。饅頭、漬物、地酒、民芸品。文字だけ見れば観光地らしいが、シャッターの下りた店が多く、灯りのついた旅館もところどころ間が空いていた。
湯けむりはある。
山の匂いもある。
古い温泉街らしい情緒も、たしかに残っている。
けれど、人の流れが足りなかった。
高柳誠司(たかやなぎ・せいじ)は、松川グランドホテルの玄関前で足を止めた。
団体旅行の時代を引きずったような大きな車寄せ。広すぎるロビー。磨かれてはいるが、どこか古い床。壁には、昭和の観光ポスターを思わせる写真が飾られている。
悪くない。
だが、このままでは食えない。
「で、何が残る?」
無意識に口から出た。
東和商事・地域開発部の高柳にとって、現場を見ることは数字を見ることと同じくらい重要だった。
温泉街を守りたい。
歴史を残したい。
昔の賑わいを取り戻したい。
言葉だけなら、いくらでも綺麗にできる。
だが、最後に必要なのは、ここで飯を食える形だ。
今回の松川温泉街再生コンペは、松川町と松川温泉旅館組合が共同で開いたものだった。最終提案に残ったのは二社。高柳のいる東和商事と、北辰商事。
高柳はホテルの自動ドアをくぐりながら、北辰商事の担当者の名を思い出した。
神合和真(かみごう・かずま)。
前の地域開発コンペで、一度ぶつかった男だ。
資料が綺麗で、口が立ち、会場の空気を読むのがうまい。相手の質問を受けているようで、いつの間にか自分の流れへ引き込んでいる。
厄介な男だった。
そして、顔がよかった。
高柳は、ロビーの照明を見上げて小さく息を吐いた。
仕事ができるだけなら、潰し甲斐のある相手で済む。顔がいいだけなら、酔った夜の相手として軽く流せる。
神合は、その両方だった。
前のコンペで壇上に立つ神合を見た時、高柳は思った。
あの涼しい顔が崩れたら、どんな声を出すんだろうな。
くだらない。
そう思ったはずなのに、名前まで覚えている。
高柳はフロントへ向かった。
「東和商事の高柳です。予約している」
「はい、東和商事様……少々お待ちくださいませ」
スタッフの手が止まった。
嫌な間だった。
「で?」
「申し訳ございません。お部屋の調整で手違いがございまして……」
その時、背後から聞き覚えのある声がした。
「手違い、という言葉は便利だね。構造としては、責任の所在をぼかすのに向いている」
高柳は振り向いた。
神合和真が立っていた。
濃紺のスーツ。細いフレームの眼鏡。小さなキャリーケース。余裕のある立ち姿。
前のコンペで見た時と同じ、涼しい顔。
ホテルのロビーで、夜に、相部屋の手違いという言葉と一緒に現れると、仕事相手としてだけでは見られなかった。
高柳の返事は、一拍遅れた。
その一拍を、神合は見逃さなかった。
「久しぶりだね、高柳」
「よりによって、お前か」
「僕も同じことを思ったよ。よりによって、前のコンペで一番面倒だった男と同じホテルとはね」
高柳がフロントを見ると、スタッフはさらに恐縮した。
「大変申し訳ございません。本日は満室でして、北辰商事様と同じお部屋でのご案内となっております」
神合が小さく笑った。
「同じ部屋」
その言い方が、妙に耳に残った。
高柳は神合を見る。
「笑うところか」
「面白いところではあるね」
「明日、競合プレゼンだぞ」
「分かってる。だから面白いんだよ」
神合は高柳の顔をまっすぐ見た。
仕事で相手を見る目。
同時に、仕事だけではないものを測る目。
高柳は、その視線に気づいた。
見ている。
神合も、前のコンペで高柳を覚えていた。
資料や質疑だけではなく、顔も、声も、間も。
そう分かるだけで、ロビーの空気が少し熱くなった。
高柳はフロントへ向き直る。
「部屋は」
「ベッド一台と、ソファベッドのお部屋でございます」
神合が、今度ははっきり笑った。
「松川温泉街再生コンペ、前夜からずいぶん攻めた設計だね」
「黙れ。お前がソファで寝れば済む」
「どういう理屈でそうなるのかな」
「俺の方が先にフロントへ着いた」
「小学生の席取りみたいなことを、商社マンが言うとは思わなかったよ」
「なら、勝負で決めるか」
神合の目が、そこで少し変わった。
涼しさの奥に、熱が入る。
高柳は、その変化がかなり好きだった。
「勝負ね。何で決める?」
「明日の提案だ」
「本番前に相手の案を見るなんて、コンペとしては褒められた動きじゃないね」
「本資料はもう提出済みだ。今さら盗んでも差し替えられねえ」
「見せるのは骨子と質疑想定まで。数字と提携先は伏せる」
「十分だ。お前の穴を探すにはな」
神合は楽しそうに目を細めた。
「面白い。じゃあ、より相手の弱点を正確に突いた方がベッドを使う。負けた方はソファ」
「いいだろ」
「君が負けてソファになっても、夜中に文句を言わないこと」
「俺が負ける前提で話すな」
「前のコンペでも、君は最後の質疑で少し詰まっただろ。現場の熱は強いけど、仕組みへの落とし込みが少し荒かった」
高柳は、思わず笑った。
覚えているのか。
こちらも、神合の弱点を覚えていた。
資料は美しい。流れも完璧。場の制圧も上手い。だが時々、現場の人間が実際に金を払う瞬間を置き去りにする。
「お前こそ、きれいな仕組みを作って満足してただろ。で、その仕組みで誰の飯が食えるんだ」
神合の笑みが深くなる。
「いいね。君のそういうところ、前から嫌いじゃなかったよ」
「俺はお前のそういう余裕ぶった顔が気に食わなかった」
「気に食わない相手の顔を、そんなに見るんだ?」
高柳は返事をしなかった。
その沈黙に、神合が満足そうに笑う。
腹立たしい。
だが、この男と同じ部屋に入ると思うと、腹立たしさの奥で別の熱が動いた。
高柳はルームキーを受け取った。
「行くぞ。ロビーで続けても、ベッドは手に入らねえ」
「同感だよ。勝負は、机と画面がある場所の方が進む」
神合がふと考えこむ。
「酒もあるといいな。君と素面で一晩議論するほど、僕は退屈な人間じゃない」
「言うじゃねえか」
「君も飲むだろ」
「まぁいい。地酒くらいは見てやる」
「考えているようで、大抵考えていない時の返事だね」
高柳は神合を見た。
「お前、本当に人の口癖をよく見てるな」
「癖は思考の入口だからね。人は、考え方が言葉に出る」
「その理屈でいくと、お前はずっと講義してる男になるぞ」
「当たってる。僕は分かりやすいだろ?」
「面倒なだけだ」
「面倒な相手と同じ部屋になって、君はずいぶん楽しそうだけど」
返す言葉はあった。
だが、高柳は言わなかった。
神合の言う通りだったからだ。
****
エレベーターに乗り込むと、狭い箱の中で二人の肩が近くなった。高柳は前を向き、神合も前を向いている。互いに視線を合わせていないのに、相手の存在だけは妙に近い。
沈黙は気まずくなかった。
むしろ、次にどちらが口を開くかを測っている感じがした。
神合が先に言った。
「前のコンペで君を見た時、乱暴な男だと思った」
「褒めてねえだろ」
「最後まで聞きなよ。乱暴だけど、現場の言葉に嘘がない男だとも思った」
「それは褒めてるのか」
「かなり褒めてる。僕の最高評価に近い」
「お前の最高評価は『面白い』だろ」
「覚えてたんだ」
「仕事で当たった相手くらい覚える」
「またそれか」
神合は肩を揺らして笑った。
エレベーターの照明が、神合の横顔を白く照らす。
高柳はその横顔を、ほんの一瞬だけ見た。
きれいな顔だ。
ただ整っているだけではない。相手の反応を楽しむ目をしている。こちらを試す口をしている。
あの口が、仕事の言葉ではない声を出したら。
高柳は視線を前へ戻した。
明日はコンペだ。
だが、神合と同じ部屋に入る。
それも事実だった。
****
部屋は、広かった。
古いホテルらしい重たい扉を開けると、奥に大きめのベッドが一台。窓際にソファ。小さなテーブル。壁際に仕事用のデスク。湯沸かしポットと、温泉街らしく地酒の小瓶が置かれている。
神合が部屋を見回した。
「なるほど。これは、ベッドを取り合う価値があるね」
「ソファでも寝られるだろ」
「君が寝ればいい」
「俺はベッドで寝る」
「そうやって最初から結論を決めるところが、君の強みで弱みだよ」
「お前は結論までが長い」
「でも、結論に着いたら強い」
高柳はジャケットを脱ぎ、椅子の背にかけた。
神合も上着を脱ぐ。手つきが妙にきれいだった。ネクタイはまだ締めたまま。シャツの襟元も崩れていない。
隙がない。
その隙のなさが、余計に目につく。
神合はキャリーケースからタブレットを取り出した。薄いケースを開き、デスクに置く。高柳もノートPCを開いた。
客室のデスクは、二人で使うには少し狭かった。
だから、自然に肩が近づく。
神合のタブレットには、北辰商事のスライドが開かれている。高柳のPCには、東和商事の提案書。画面の光が、二人の顔を下から照らした。
「先に言っておくけど、数字は見せない。提携予定先の名前も伏せる。見せるのはコンセプトと質疑想定だけ」
「それでいい。俺も同じだ」
「じゃあ、ベッド争奪戦を始めようか」
「酒は」
「冷蔵庫にあるだろ。君が注いでよ。現場型なんだから、手を動かすのは得意だろ?」
「お前は本当に人を使うのがうまいな」
「仕組みを制する者が、産業を制するからね」
「その口癖、前より腹立つな」
「君の『飯は食えるのか』も、なかなか強引で嫌いじゃないよ」
高柳は冷蔵庫を開けた。
地酒の小瓶とビールが入っていた。高柳はビールを二本取り、一本を神合へ放る。神合は片手で受け取った。
「意外と雑に扱うんだね」
「落とさねえと思った」
「僕の運動神経まで信用してるとは光栄だよ」
「資料を落とす男には見えねえからな」
「それは褒めてる?」
「嫌いじゃない」
神合が笑った。
高柳は缶を開ける。
小さな音が、部屋に響いた。
二人はデスクの前に並んで座った。
ベッドはすぐそこにある。
ソファもすぐそこにある。
どちらがどちらで寝るかを決めるための勝負のはずだった。
それなのに、画面を見るために肩が触れるだけで、妙に落ち着かない。
神合がタブレットを高柳の方へ傾けた。
「先に君の案を聞こうか」
「なぜ俺が先だ」
「現場型は先に喋らせた方が熱量が出る。後から構造化する方が、僕としてもやりやすい」
「勝手に俺を材料にするな」
「君はいい素材だよ」
高柳は神合を見る。
「その言い方、俺を料理する気でいるだろ」
「料理されるのが嫌なら、僕を先に食ってみる?」
空気が一瞬だけ止まった。
神合は、涼しい顔でビールを飲んでいる。冗談のような顔。けれど、冗談だけではない目。
高柳は缶を置いた。
「お前、そういうことを仕事相手に言う男だったか」
「相手によるよ」
「俺には言うのか」
「君は、言ったらどう返すか見たくなる男だからね」
高柳は笑った。
まずい。
やはり、神合は面白い。
「いいだろ。先に俺の案を見せる。お前が退屈そうな顔をしたら、その顔を黙らせる方法を考える」
「仕事で?」
「最初はな」
神合の口元が、わずかに上がった。
「面白い。じゃあ、聞かせてよ。高柳の現場が、松川に何を残すのか」
高柳はPCの画面を神合へ向けた。
表紙には、簡潔な文字だけがある。
『宿を売るな。湯治を売れ』
神合の目が変わった。
今度は完全に仕事の目だった。
高柳は、その変化に喉の奥で笑いそうになった。
顔が好みで、口が立つ。
しかも、自分の案に本気で食いついてくる。
これで退屈する方が難しい。
「松川の問題は、客が少ないことだけじゃねえ」
高柳は資料を一枚進めた。
「一泊二日の観光地になったことだ。来て、泊まって、土産を買って、帰る。それで終わる。そんなもん、他の温泉地と何が違う」
神合は黙って聞いている。
普段ならすぐに口を挟みそうな男が、今は静かだった。
「松川には湯がある。山がある。古い旅館がある。なら、宿泊を売るんじゃなくて、滞在を売る。温泉療養、健康滞在、ワーケーション。客を一泊の観光客から、数日、数週間と滞在する客へ変える」
高柳は神合を見た。
「宿を売るな。湯治を売れ。これが俺の案だ」
神合は、しばらく黙っていた。
その沈黙が長い。
高柳は缶を持ち上げる。
「で?」
神合は笑った。
「面白い」
高柳は缶を置いた。
「最高評価か」
「かなりね。君らしい。荒いけど、強い。松川にしかない核を掘り直している」
「荒いは余計だ」
「余計じゃないよ。君の案は、来た客をどう残すかが弱い。湯治で数日滞在しても、その後に関係が切れたら、また広告費を使って新規客を取りに行く流れになる」
高柳は笑った。
やはり、そこを突く。
腹は立つが、正しい。
「じゃあ、お前の案を見せろ」
「もちろん」
神合は、自分のタブレットを高柳へ寄せた。
表紙には、やはり短い言葉があった。
『温泉を売るな。人生を売れ』
高柳は眉を上げた。
「でかく出たな」
「君ほど乱暴ではないよ。松川の問題は、客が帰ることだ。どれほど良い宿でも、チェックアウトで関係が切れる。それでは毎回、新しい客を探し続けるしかない」
神合は指先で画面を滑らせた。
会員登録。
健康相談。
季節の案内。
特産品の定期便。
再訪プログラム。
地域イベント。
「僕の案は、松川を会員制コミュニティにすること。健康相談、特産品販売、地域イベント、オンラインサービス。客が松川を訪れた後も、一年中つながり続ける。旅館は泊まる場所じゃない。人生の一部になる場所だ」
高柳は黙って聞いた。
綺麗だ。
いや、強い。
神合の案は、関係性を作るのがうまい。一回来た客を逃がさない。帰った後の生活にまで入り込む。仕組みとしては、かなりよくできている。
だが。
「で、最初に来る理由は何だ」
神合の目が細くなった。
「そこを突くんだ」
「当たり前だろ。会員になる前に、客は松川へ来なきゃならねえ。お前の案は続ける力はある。でも、最初に金を払わせる核が弱い」
「君の案は核が強い。でも、継続する仕組みが弱い」
「つまり」
「君には宿がある」
「お前には仕組みがある」
二人は、同時に黙った。
デスクの上には、高柳のノートPCと神合のタブレットが並んでいる。
高柳の湯治構想。
神合の会員制コミュニティ構想。
それぞれ単独でも強い。
だが、足りない。
そして、その足りない部分を、目の前の男が持っている。
高柳は、ゆっくりと缶を置いた。
「お前の仕組みに、俺の湯治を入れる」
神合が、すぐに返す。
「君の滞在価値に、僕の継続設計をつなげる」
「客は松川で健康を整える」
「帰宅後も会員としてつながる」
「健康相談、地域イベント、特産品、再訪プログラム」
「そして、また松川へ戻ってくる」
神合の声が少し熱を帯びた。
高柳はPCにメモアプリを開いた。
神合がすぐ隣から覗き込む。
肩が触れる。
近い。
高柳は、あえて離れなかった。
「タイトルは」
「松川温泉街OS」
神合が即答した。
高柳はキーボードに打ち込む。
『松川温泉街OS』
画面に文字が出た瞬間、二人の空気が変わった。
たった一行の仮タイトル。
画面の中だけで生まれた言葉なのに、部屋の空気が一段熱くなった。
「すげぇの出来たな」
「ああ。君と組むと、悔しいくらい跳ねる」
「組んだつもりはねえ」
「じゃあ、同じ画面を覗き込んでいるだけ?」
「資料が小さいからな」
「言い訳が雑だよ」
「なら、もっと大きくしろ」
「画面を?」
高柳は神合を見る。
「距離をだ」
神合の目が、少しだけ揺れた。
すぐに笑う。
だが、その笑みにさっきまでの余裕は少しだけ薄かった。
「高柳。君、仕事の話をしている時より、今の方が乱暴に見える」
「褒めてねえな」
「褒めてるよ。前のコンペで見た時から、君は整っている時より、少し崩れた時の方がいい」
高柳の指が、キーボードの上で止まった。
神合は、涼しい顔でビールを飲んでいる。
言葉の温度だけが、少し違った。
「お前、そういうことをさらっと言う男だったか」
「相手によるよ。君は言わせる男だからね」
「俺のせいにするな」
「君が先に見てきたんだろ。さっきから、僕のネクタイばかり気にしている」
高柳の視線が、神合の喉元へ落ちた。
図星だった。
神合はまだネクタイを締めている。けれど、酒と熱で結び目がわずかに緩んでいた。襟元から見える肌が、いつもより近く感じる。
高柳は、PCの画面を閉じた。
部屋が、少し暗くなる。
画面の光が消えたぶん、神合の目だけが残った。
「締め方が固いと思ってただけだ」
「じゃあ、君が緩めてみる?」
ベッド争奪の勝負だけで終わる空気が、ここで切れた。
神合は逃げない。
高柳も離れない。
デスクの上には、閉じたPCとタブレット。
床の近くには、一つのベッドと一つのソファ。
そして画面の中には、二人だけが知っている仮タイトル。
松川温泉街OS。
高柳は神合のネクタイへ指を伸ばした。
「お前、ここまで煽って、ソファで寝る気はあるのか」
神合は笑った。
「君こそ、ベッドを勝ち取るだけで満足する顔じゃないね」
「仕方ねえな」
「何が?」
「この勝負、仕事だけじゃ済まなくなってきた」
神合の指が、高柳の袖をつかんだ。
「面白い。じゃあ、続きはベッドで検証しようか」
高柳は神合を見た。
涼しい顔。
近い距離。
緩んだネクタイ。
挑発する口元。
前のコンペで見た時から、一度見てみたかった顔が、目の前で少しずつ崩れようとしている。
高柳は、低く笑った。
「検証で済むと思うなよ」
神合は、指先に力を込めた。
「済ませる気があるなら、同じ部屋になった時点で帰ってるよ」
その言葉で、高柳の中の熱がはっきり形を持った。
窓の外では、松川温泉街の灯りが静かに揺れている。
部屋の中では、閉じたPCの上に、二人分の影が落ちていた。
勝負は、まだ終わっていない。
むしろ、ここからが本番だった。
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